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20話
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10時になると同時に俺は山を駆け上がる。ハグラン山は山と着いているが、あまり標高は高くない。どちらかと言うと丘って言った方が正しいレベルだ。
能力を使い、体力を上げて走ること数分、俺は山頂付近にたどり着いた。
視力倍増を使って敵の位置を把握し、インカムで皆にそれを伝える。それが俺の役目なので、まずは視力倍増を使う。その瞬間、発砲音が山に木霊する。
瞬時に右方向に避けたので何とか回避出来た。もし、あのまま突っ立っていたら即リタイアすることになっていただろう。
射撃方向から場所を割り出し、そちらに目を向けるが、そこにはもうスナイパーはいなかった。流石888部隊と言ったところだ。
スナイパーを探しながら、俺はインカムを使って皆に知らせる。
「すみません、ちょっと戦うんで、敵の位置とかは伝えられません」
「りょうかーい」
スナイパーを探していると、俺の視野のギリギリのところからこちらに向かって銃口を合わせるスナイパーが見えた。
「そこか」そう呟き、俺は肩に掛けたバレットの銃口を合わせていると、またも発砲音。左に回転しながら避け、お返しと言わんばかりに発砲。相手スナイパーの数センチ上を抜けていった。
さすがに距離が遠すぎるか。それと山での戦闘は初めてなので思い通りに行かない。それと打って変わって、相手は完全に俺の頭を狙って1ミリのズレもない。悔しいが戦闘慣れしている向こうのスナイパーの方が山という戦場では一枚上手だろう。だが、そんなの関係ない。いち早く山になれ、この戦いに勝ってみせる。
俺は日本一の銃使いだからな。
蓮兎が山頂を目指し、走っていったすぐ、俺らも森に入る。
「歩希、あなただけは倒されないでね」
夕貴に言われたが、なぜだか分からない。なんで俺が倒されたら行けないのだ?
「あなたはDESTROYERSのエースなんだから。それに大将は歩希なんだからね」
ふぁ?俺が大将かよ。バーサーカーみたいに暴れようと思ったのにできないじゃん。
少し残念だが仕方ない。勝たなきゃ、意味が無いからな。
「んじゃ、俺は適当にプラプラしてくるわ」
そして山奥に入る。
うーん、木が多くてうざいな。
にしても、蓮兎はまだ戦ってるのか?連絡もないし。そろそろ敵出てこないかな?そう考えているとインカムから声が聞こえた。
「悪い、殺られた」
拓斗からだ。そんなことより殺られた?まだ始まって5分ぐらいだぞ?戦闘音は山頂からしかしていなかった。
拓斗がそんな一方的に負けるわけがない。
「どんなやつに殺られた?」
「分からない、気づいた時には項にナイフが当てられていた」
「は?」
「本当に気づいたら項にナイフが当てられていて、当ててきたやつは既に身を潜めていた。ま、とりあえず後は頼んだ。俺なんもやってないけど」
隠密行動に対して∞の力を持っているだけの事はあるな。俺は気をつけな
「・・・ッ!」
背後から迫り来るナイフを日本刀で受ける。拓斗からの連絡がなきゃ完全に殺られてた。
ほんの少しだけの殺気を察知できたから、この一撃を受けれた。安堵と同時に大きく攻撃してきたやつから距離をとる。信号拳銃を取り出し、攻撃してきたやつに発砲。中に入っているのは彩煙弾。ここら辺は煙に包まれる。足音は聞こえないので、敵はその場にいると思われる。信号拳銃を投げ捨て、グロックを構える。
「バンッバンッ」と、数発撃つとどこかしら人造人間が現れた。
「ケロッグ、負け」
そう言い残し、どこかに消えていった。
これで今は8対8振り出しに戻った分けだ。
「なんで・・・・なんで僕の攻撃を察知できた?」
「んなもん、殺気に決まってるだろ。少しでも殺気が出てたら俺は気づく。ただそれだけだ」
そう言うとケロッグは下山して行った。その直後、近くから何かが木にものすごい勢いで当たる音がした。その音が気になった俺は走り出す。
数分戦ってわかった、山は・・・しかも山頂じゃかなり足場が悪い。何回も転びかけたし。そのせいで俺はいつもの射撃ができていなかった。でも、それさえ分かれば別に問題は無い。
木の太い枝に飛び乗り、ホッと息を落ち着かせる。今、木を挟んだ後ろのどこに敵がいるから正直見当もつかない。でも、こっちの場所は完全にバレている、完全にこっちが不利だ。仕方ない、どっちがスナイパーとして上だかを解らせるために撃ち合いとしますか。
敵が数弾撃ってきたらこちらも打ち返す、ただそれだけを繰り返した。
「・・・・ッ!」
一向に埒が明かない。ただ撃って撃たれ、その弾が当たることはない。
相手は銃の腕だけではなく隠れるのも上手い、ほっんとに自分が今までいたところとは小さな世界だなと思い知らされる。
JERにいた時はボスが最強だと思っていたが、ボスなんて歩希さんや夕貴さん、そして今戦っている相手の方がよっぽど強い。
本当にJERから出てきて良かった、これで俺ももっともっと強くなれる!
能力を使い、体力を上げて走ること数分、俺は山頂付近にたどり着いた。
視力倍増を使って敵の位置を把握し、インカムで皆にそれを伝える。それが俺の役目なので、まずは視力倍増を使う。その瞬間、発砲音が山に木霊する。
瞬時に右方向に避けたので何とか回避出来た。もし、あのまま突っ立っていたら即リタイアすることになっていただろう。
射撃方向から場所を割り出し、そちらに目を向けるが、そこにはもうスナイパーはいなかった。流石888部隊と言ったところだ。
スナイパーを探しながら、俺はインカムを使って皆に知らせる。
「すみません、ちょっと戦うんで、敵の位置とかは伝えられません」
「りょうかーい」
スナイパーを探していると、俺の視野のギリギリのところからこちらに向かって銃口を合わせるスナイパーが見えた。
「そこか」そう呟き、俺は肩に掛けたバレットの銃口を合わせていると、またも発砲音。左に回転しながら避け、お返しと言わんばかりに発砲。相手スナイパーの数センチ上を抜けていった。
さすがに距離が遠すぎるか。それと山での戦闘は初めてなので思い通りに行かない。それと打って変わって、相手は完全に俺の頭を狙って1ミリのズレもない。悔しいが戦闘慣れしている向こうのスナイパーの方が山という戦場では一枚上手だろう。だが、そんなの関係ない。いち早く山になれ、この戦いに勝ってみせる。
俺は日本一の銃使いだからな。
蓮兎が山頂を目指し、走っていったすぐ、俺らも森に入る。
「歩希、あなただけは倒されないでね」
夕貴に言われたが、なぜだか分からない。なんで俺が倒されたら行けないのだ?
「あなたはDESTROYERSのエースなんだから。それに大将は歩希なんだからね」
ふぁ?俺が大将かよ。バーサーカーみたいに暴れようと思ったのにできないじゃん。
少し残念だが仕方ない。勝たなきゃ、意味が無いからな。
「んじゃ、俺は適当にプラプラしてくるわ」
そして山奥に入る。
うーん、木が多くてうざいな。
にしても、蓮兎はまだ戦ってるのか?連絡もないし。そろそろ敵出てこないかな?そう考えているとインカムから声が聞こえた。
「悪い、殺られた」
拓斗からだ。そんなことより殺られた?まだ始まって5分ぐらいだぞ?戦闘音は山頂からしかしていなかった。
拓斗がそんな一方的に負けるわけがない。
「どんなやつに殺られた?」
「分からない、気づいた時には項にナイフが当てられていた」
「は?」
「本当に気づいたら項にナイフが当てられていて、当ててきたやつは既に身を潜めていた。ま、とりあえず後は頼んだ。俺なんもやってないけど」
隠密行動に対して∞の力を持っているだけの事はあるな。俺は気をつけな
「・・・ッ!」
背後から迫り来るナイフを日本刀で受ける。拓斗からの連絡がなきゃ完全に殺られてた。
ほんの少しだけの殺気を察知できたから、この一撃を受けれた。安堵と同時に大きく攻撃してきたやつから距離をとる。信号拳銃を取り出し、攻撃してきたやつに発砲。中に入っているのは彩煙弾。ここら辺は煙に包まれる。足音は聞こえないので、敵はその場にいると思われる。信号拳銃を投げ捨て、グロックを構える。
「バンッバンッ」と、数発撃つとどこかしら人造人間が現れた。
「ケロッグ、負け」
そう言い残し、どこかに消えていった。
これで今は8対8振り出しに戻った分けだ。
「なんで・・・・なんで僕の攻撃を察知できた?」
「んなもん、殺気に決まってるだろ。少しでも殺気が出てたら俺は気づく。ただそれだけだ」
そう言うとケロッグは下山して行った。その直後、近くから何かが木にものすごい勢いで当たる音がした。その音が気になった俺は走り出す。
数分戦ってわかった、山は・・・しかも山頂じゃかなり足場が悪い。何回も転びかけたし。そのせいで俺はいつもの射撃ができていなかった。でも、それさえ分かれば別に問題は無い。
木の太い枝に飛び乗り、ホッと息を落ち着かせる。今、木を挟んだ後ろのどこに敵がいるから正直見当もつかない。でも、こっちの場所は完全にバレている、完全にこっちが不利だ。仕方ない、どっちがスナイパーとして上だかを解らせるために撃ち合いとしますか。
敵が数弾撃ってきたらこちらも打ち返す、ただそれだけを繰り返した。
「・・・・ッ!」
一向に埒が明かない。ただ撃って撃たれ、その弾が当たることはない。
相手は銃の腕だけではなく隠れるのも上手い、ほっんとに自分が今までいたところとは小さな世界だなと思い知らされる。
JERにいた時はボスが最強だと思っていたが、ボスなんて歩希さんや夕貴さん、そして今戦っている相手の方がよっぽど強い。
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