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1話
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「バンバン」
と、銃声が鳴り響く中、俺は悪魔の能力を使って、その銃弾を躱していた。
相手は陸上自衛隊能力部隊。正直バカ強い。この戦いはお遊びでもなければ、互いの同意の上ではない。
俺と夕貴VS陸上自衛隊能力部隊の全勢力を使った殺し合いなのだ。
まずはこうなった経緯を教えよう。
俺が夕貴の秘書になって1年が経とうとしていた時、夕貴は突然テレビをつける。
「どうしたんだ、急に?」
「いや、なんか無意識にね。」
そう言いながら、夕貴はテレビを凝視する。
テレビの内容は至って普通のニュース。あと少しで総理大臣の記者会見があるらしい。
評論家のような人達が喋っている中、突然アングルが変わり、総理大臣が出てくる。
「えぇー、今回の記者会見の内容ですが、最近行われてるデモ活動の件についてです。デモ活動が行われている事も知らない人もいますよね?だから少しお説明させていただきます。」
デモ活動?そんなのあったのか?知らんかったな。
「最近、禁忌の能力者はいらない。と、言う声とデモ活動が行われています。デモ活動を行っている人に話を聞いた所、「禁忌の能力者が暴れたりしないか怖い」と、言う言葉が多くありました。その事で閣議をした結果、禁忌の能力者を殺す事が決定しました。」
は?どうゆう事だよ。意味がわからねぇ。
どうして俺たちが殺されるんだよ。
「夕貴、これは何かのドッキリだよな?そうだ。ドッキリだ。」
夕貴は何も言わずに青ざめた顔をしているだけだ。
すると、扉の向こうから岩元さんの声が聞こえた。
「ちょっと、あなた達は誰ですか?」
その言葉が言い終わった刹那、扉が一気に開く。そこには完全に武装した人達が大量にいた。
「クソ、ドッキリじゃねぇのかよ。」
夕貴は未だに青ざめた顔をしているだけで何も言わない。
「私は陸上自衛隊能力部隊隊長、花房寛二だ。波崎夕貴と前村歩希だな?お前らは第一級危険人物に選ばれた。よって、俺たち陸上自衛隊能力部隊がお前らを殺す。」
その言葉を聞き、俺は足を動かした。夕貴を担ぎ、窓ガラスを割り、外に出る。
「おい、夕貴。どうする?」
そう聞いた時には既に冷静になっていた。
「そうね、下には戦車や人がいっぱい。逃げるにも全国各地に自衛隊の基地はいっぱいあるし・・・ここで戦うしか無いみたいね。」
夕貴の言う通りで下には人がいっぱいいた。ここで戦うなら少なからず血は流れるだろう。
「本当にいいのか?」
「大丈夫よ。ここから見る限り、一般人はいないみたいだから。喧嘩を売ってきた人達しかいないみたいだから。」
そこから推測するに知らされなかったのは俺たちだけか。
「それじゃ、降りるぞ。」
そう言い、俺たちは少し広い場所へと降りる。
降りた瞬間に狙撃された。
そこから続く射的大会。もちろん景品は俺ら。
相手も相当なやり手だろう。狙撃方向はわからん。
まぁ、避けるのは簡単なんだがな。そんで一番厄介なのは戦車だ。
銃弾ならくらっても平気だけど砲弾は死ねる。
壊せばいいのかもしれんけど、ぶっ壊して爆破でもしたら怖い。
「夕貴どうする?」
「向こうに森があるでしょ。そこに行くわよ。」
800m先ぐらいに森がある。そこか。
「でも、森に入るとこっちが不利だぞ。」
森はここに比べると死角が死ぬほど増える。それは辛い。
「森を抜ければ海がある。浜辺で戦えばいいわ。それじゃ、行くわよ!」
そういい俺たちは攻撃をかえくぐりながら走る。
そして冒頭へと繋がる。
戦車は無くなったが、さっきより人が増えた気がする。攻撃をしようとしても銃弾に当たりそうになってしまう。
クッソ、どうしたらいいんだよ。
「夕貴、このままやってもこっちの体力が持たんぞ。」
「逃げる・・・・に、してもどこまででも追ってくるだろうし。」
正に万事休す。打つ手がない。逃げても戦っても俺たちに勝ちはない。
・・・いや、待てよ。あるじゃないか、逃げれる方法が。
「夕貴、お前泳げるか?」
「急になんなのよ?ちょっとなら泳げるけど。」
「わかった。なら、ここから逃げれる策はあるな。」
俺がそう言うと、夕貴は焦った表情を浮かべる。
「ちょ、歩希。本気なの?」
その問いに、俺は迷い無く答える。
「あぁ。当たり前だろ。それじゃ、行くぞ。」
「あぁ、もう!わかったわよ。」
そして俺たち2人は海に入った。
そして、俺たちは無我夢中となって俺たちを裏切った国、日本から逃げた。その時、俺は少し・・・いや、相当怒りの念を持っていた。
何分泳いだだろうか?
とりあえず、死ぬほど泳いだ。
「歩希、私そろそろ辛いんだよど。」
15歳の夕貴には辛いだろう。既に500キロは泳いだ。辺りは暗く、もうそろそろ日が出てくる。
俺はまだまだ泳げる。周りに島はない。どこまでも続く水平線。このままでは下手したら低体温症で死ぬかもしれない。
「わかった。」
そう言い、俺の背中に夕貴を乗せる。夕貴は軽いから別に苦ではない。でも、夕貴は・・・
「えっ?ちょっと?どうゆう事?」
「いいから、夕貴は休んでろ。」
そして、俺はまた死ぬほど泳ぐ。
やばい、意識が飛びそうだ。
あと少しで島のような場所に着く。そこまでは何としても行く。
大丈夫、今まで泳いできた距離に比べれば一瞬だ。
あ、でも、もうダメ・・・
そして俺の視界は暗転した。
と、銃声が鳴り響く中、俺は悪魔の能力を使って、その銃弾を躱していた。
相手は陸上自衛隊能力部隊。正直バカ強い。この戦いはお遊びでもなければ、互いの同意の上ではない。
俺と夕貴VS陸上自衛隊能力部隊の全勢力を使った殺し合いなのだ。
まずはこうなった経緯を教えよう。
俺が夕貴の秘書になって1年が経とうとしていた時、夕貴は突然テレビをつける。
「どうしたんだ、急に?」
「いや、なんか無意識にね。」
そう言いながら、夕貴はテレビを凝視する。
テレビの内容は至って普通のニュース。あと少しで総理大臣の記者会見があるらしい。
評論家のような人達が喋っている中、突然アングルが変わり、総理大臣が出てくる。
「えぇー、今回の記者会見の内容ですが、最近行われてるデモ活動の件についてです。デモ活動が行われている事も知らない人もいますよね?だから少しお説明させていただきます。」
デモ活動?そんなのあったのか?知らんかったな。
「最近、禁忌の能力者はいらない。と、言う声とデモ活動が行われています。デモ活動を行っている人に話を聞いた所、「禁忌の能力者が暴れたりしないか怖い」と、言う言葉が多くありました。その事で閣議をした結果、禁忌の能力者を殺す事が決定しました。」
は?どうゆう事だよ。意味がわからねぇ。
どうして俺たちが殺されるんだよ。
「夕貴、これは何かのドッキリだよな?そうだ。ドッキリだ。」
夕貴は何も言わずに青ざめた顔をしているだけだ。
すると、扉の向こうから岩元さんの声が聞こえた。
「ちょっと、あなた達は誰ですか?」
その言葉が言い終わった刹那、扉が一気に開く。そこには完全に武装した人達が大量にいた。
「クソ、ドッキリじゃねぇのかよ。」
夕貴は未だに青ざめた顔をしているだけで何も言わない。
「私は陸上自衛隊能力部隊隊長、花房寛二だ。波崎夕貴と前村歩希だな?お前らは第一級危険人物に選ばれた。よって、俺たち陸上自衛隊能力部隊がお前らを殺す。」
その言葉を聞き、俺は足を動かした。夕貴を担ぎ、窓ガラスを割り、外に出る。
「おい、夕貴。どうする?」
そう聞いた時には既に冷静になっていた。
「そうね、下には戦車や人がいっぱい。逃げるにも全国各地に自衛隊の基地はいっぱいあるし・・・ここで戦うしか無いみたいね。」
夕貴の言う通りで下には人がいっぱいいた。ここで戦うなら少なからず血は流れるだろう。
「本当にいいのか?」
「大丈夫よ。ここから見る限り、一般人はいないみたいだから。喧嘩を売ってきた人達しかいないみたいだから。」
そこから推測するに知らされなかったのは俺たちだけか。
「それじゃ、降りるぞ。」
そう言い、俺たちは少し広い場所へと降りる。
降りた瞬間に狙撃された。
そこから続く射的大会。もちろん景品は俺ら。
相手も相当なやり手だろう。狙撃方向はわからん。
まぁ、避けるのは簡単なんだがな。そんで一番厄介なのは戦車だ。
銃弾ならくらっても平気だけど砲弾は死ねる。
壊せばいいのかもしれんけど、ぶっ壊して爆破でもしたら怖い。
「夕貴どうする?」
「向こうに森があるでしょ。そこに行くわよ。」
800m先ぐらいに森がある。そこか。
「でも、森に入るとこっちが不利だぞ。」
森はここに比べると死角が死ぬほど増える。それは辛い。
「森を抜ければ海がある。浜辺で戦えばいいわ。それじゃ、行くわよ!」
そういい俺たちは攻撃をかえくぐりながら走る。
そして冒頭へと繋がる。
戦車は無くなったが、さっきより人が増えた気がする。攻撃をしようとしても銃弾に当たりそうになってしまう。
クッソ、どうしたらいいんだよ。
「夕貴、このままやってもこっちの体力が持たんぞ。」
「逃げる・・・・に、してもどこまででも追ってくるだろうし。」
正に万事休す。打つ手がない。逃げても戦っても俺たちに勝ちはない。
・・・いや、待てよ。あるじゃないか、逃げれる方法が。
「夕貴、お前泳げるか?」
「急になんなのよ?ちょっとなら泳げるけど。」
「わかった。なら、ここから逃げれる策はあるな。」
俺がそう言うと、夕貴は焦った表情を浮かべる。
「ちょ、歩希。本気なの?」
その問いに、俺は迷い無く答える。
「あぁ。当たり前だろ。それじゃ、行くぞ。」
「あぁ、もう!わかったわよ。」
そして俺たち2人は海に入った。
そして、俺たちは無我夢中となって俺たちを裏切った国、日本から逃げた。その時、俺は少し・・・いや、相当怒りの念を持っていた。
何分泳いだだろうか?
とりあえず、死ぬほど泳いだ。
「歩希、私そろそろ辛いんだよど。」
15歳の夕貴には辛いだろう。既に500キロは泳いだ。辺りは暗く、もうそろそろ日が出てくる。
俺はまだまだ泳げる。周りに島はない。どこまでも続く水平線。このままでは下手したら低体温症で死ぬかもしれない。
「わかった。」
そう言い、俺の背中に夕貴を乗せる。夕貴は軽いから別に苦ではない。でも、夕貴は・・・
「えっ?ちょっと?どうゆう事?」
「いいから、夕貴は休んでろ。」
そして、俺はまた死ぬほど泳ぐ。
やばい、意識が飛びそうだ。
あと少しで島のような場所に着く。そこまでは何としても行く。
大丈夫、今まで泳いできた距離に比べれば一瞬だ。
あ、でも、もうダメ・・・
そして俺の視界は暗転した。
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