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EPISODE125

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「ちょちょちょ、頭上げてください」
突如頭を下げる本当の親父に俺は戸惑う。
「俺のせいで君は・・・・修君は・・・辛い人生を歩んでしまった・・・」
その言葉に俺はほんの少しだけ反論したくなった。
「本当の親父・・・あんたが元母さんと結婚して、俺を作った。これに関して俺は多少なりとも感謝している」   
戸惑うのはいつしか反対になっていて、本当の親父が戸惑っていた。
「そりゃー、あんたら・・・いや、元母さん事は許さない。俺を車で引いたんだしな。でも、あんたの事は恨んでもなければ、憎くもない。あんなバカ(元母さん)と結婚したのはどうかと思うが、それは今の親父だって一緒。多分元母さんは口車が上手かったんだろうな。それに俺は今生きてて楽しいんだ。友達は少ないけど、仲は良くて、毎日アホみたいに面白いことをしている。そんな風に楽しく過ごしてるんだよ。だから、ずっと言いたかったよ、お父さん・・・」
1泊の間を置いて、俺は心の底から思っている事を言った。
「俺が産まれるきっかけを作ってくれてありがとう」
本当の親父は唖然としているが、それもそうか。どうせ、罵声を浴びせられると思ってたんだろうしな。
それにしても、恥ず。何言ってんだろ、俺。でも、まぁ、良いか。夜の公園、俺が初めて親父と血が繋がってないと知らされ、本当の親父がいると知った時から言いたかった事だしな。
「おい、待て!」
このしんみりとした空気とは似つかない声がこの場に轟く。その瞬間、俺は瞬時に理解する。これはあれだ・・・
「俺もお父さんって呼ばれたい!」
それ来た。マジでなんなんだよ。たまに空気読めないんだよな、この親父は。ま、そんな所がいい所でもあるが・・・それは黙っておこう。
「親父は親父で良いじゃねぇかよ」
「ヤダ! 俺もお父さんって、呼ばれたい!小学生に入ってから1度もお父さんって呼ばれたことないもん!そろそろ呼ばれたい!」
「あぁー、わかったよ!」
今回はワガママタイプか・・・・そんな事を思いつつ、俺は言う。
「これでも俺はちゃんと感謝してるんだぜ、お父さん。ここまで生きてこれたのもお父さんのおかげだし、どんな時も優しく、元母さんからも何とかしようとしてくれた。それに母さんと結婚してくれたから俺に兄妹が出来た。そのおかげでさっき言った通り、毎日が楽しいんだ。ありがとな、親父」
クッソ、なんで親父にまでこんな臭いセリフ吐いてんだよ俺!
お前はどっかの物語の主人公かよ!一般学生がイキんな!
そんな風に自分で自分を貶しながらも、俺の気持ちは言いたい事が言えて、どこかスッキリしていた。
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