98 / 139
剛輪禍産業革命-3:シティ・リビルド・チャレンジ
シムシティをするタイプのJK
しおりを挟む
*「クラン、メメント・モリの担当エリアがすべて制圧されました。イベントを終了します」*
ゴングマンさんが戦っていた大きな機械ゴリラを倒した所で、クランメッセージが表示される。
「やった、これで完全攻略だね!」
ボスの上に乗ったまま、ゴングマンさんの方へ振り返ってVサインを向ける。彼はいつもの様にサムズアップで答えた。
「圧勝だったな……」
「えへへー」
今日はプレイヤーを倒していないけれども、イベントはやりごたえがあったしモンスターも沢山倒せたから割と満足だ。
*「イベントエリアを終了します。通常エリアへ戻ります」*
システムアナウンスがエリア全体へと響く。体を中心に半透明な円が発生して、視界が暗転した。
*「イベントクリア、おめでとうございます」*
毎度お馴染み、イベント終了後のログイン画面への転送だ。真っ白な空間にはいくつかのメニューアイコン、そしてイベントの進行度とクランが獲得したポイントや順位を示すバーが浮かび上がっていた。
その中心で、AIの声が響く。
「占領した工場はもうすぐに稼働できるの?」
*「はい、稼働可能です。稼働させますか?」*
「うん」
このイベントは、最終的にどれだけ街を復興させたのかがポイントとなって順位が決定される。建築フェイズはもう既に始まっていると言って良いだろう。この場で全部決めちゃおう。
*「では、獲得したリソースセンターで生産するアイテムを決定してください」*
AIのアナウンスに続いて、半透明のウィンドウが表示される。リソースセンターでは、ゲーム内で資源の収集、生産が可能だ。
獲得したセンターのレベルと数によって、アイテムをどれだけ生産できるかが決まるらしい。
「うーん、とりあえずはイベント用の建材が優先かなー。どのアイテムが建材になるの?」
*「建設する建物によって変化します」*
「あ、そりゃそっか。じゃあ先に建築担当地域の建物を決定しないとだね。建物のデザインはどうやって決めるの?」
*「はい、デザインの決定権はクランマスターにありますが、メンバーに委ねる事も可能です」*
「じゃあ、デザイン固定の地域と自由建築の地域を分けたりもできる?」
*「はい、可能です」*
「じゃ、このエリアはデザイン固定、あとは皆にお任せへしちゃって」
*「承知しました。デザイン固定地域のデザインはいかがしますか?」*
「えっと、やってみたい計画があってね……」
AIのサポートを受けて、再建計画のデータを完成させる。これでリソースセンターの生産するアイテムを決定できた。
「次は何を決めるの?」
*「次に、メカニクスラボで生産できる特別な装備やツールの選択が可能です。ただし、そのためには特定のアイテムが必要です」*
画面には、武器や部品などの生産可能なアイテムの一覧と、生産に必要なアイテムが表示された。
何を作ろうかなーってぼんやり見ながら画面をスクロールしていたら、気になるアイテム群を見つけて指を止める。
「この、ネームドコアって何?」
*「特定のモンスターが落とす水晶を素材として作られる、強化外骨格ユニットです」*
「何に使うの?」
*「ユニットの性能は水晶の種類に大きく依存します」*
「そっかー、扱いづらい代わりに性能の高い鎧見たいな感じかな? こっちの大っきいのは?」
*「特定のモンスターが落とす水晶を素材として作られる装備です」*
「ふーん……」
ボスドロップした水晶は特別な防具や武器が作れる。それと、普通のモンスターを倒した際にドロップした水晶でも結構良い装備が作れるみたいだね。
「水晶は結構余ってるし、クランメンバーにお揃いの装備とか配布するのも面白いかもねー」
ボスドロップのアイテムは生産にめちゃくちゃ時間とリソースが必要になるみたいだけど、通常ドロップの水晶は大量生産が可能だ。
「後はアセンブリーヤードだっけ?」
*「はい、アセンブリヤードはメカニクスラボ等で作成されたパーツを元に乗り物や、大型のアイテムの生産や、技術の研究が可能です。また、設計図を作成すれば、アイテムを自動で消費して設計図通りにアイテムを生産します」*
「今作れるものは……無いか」
アセンブリヤードで使うアイテムの大半はメカニクスラボで生産されたアイテムだ。
「よぉし、こんなものかな?」
しばらくして、全ての設定が完了した。大変だった、すごく大変だった。だけど、これはこれで楽しさがあるね。
ぐーっと伸びをして、一息つく。
*「お疲れ様です。設定が完了しました。ゲームを続けられますか?」*
「いいや、今日はもう寝ようかな?」
メニューの中から、デジタル時計を確認する。現実世界では、もう12時を回った所だ。いくら夏休み中だからって、そろそろ寝た方が良い。
明日も朝から遊びたいしね。
*「承知しました。またのアクセスを心よりお待ちしております」*
AIの言葉を最後にIAFのログアウトシーケンスが開始される。電脳の世界から、現実の世界へと意識が戻された。
ゴングマンさんが戦っていた大きな機械ゴリラを倒した所で、クランメッセージが表示される。
「やった、これで完全攻略だね!」
ボスの上に乗ったまま、ゴングマンさんの方へ振り返ってVサインを向ける。彼はいつもの様にサムズアップで答えた。
「圧勝だったな……」
「えへへー」
今日はプレイヤーを倒していないけれども、イベントはやりごたえがあったしモンスターも沢山倒せたから割と満足だ。
*「イベントエリアを終了します。通常エリアへ戻ります」*
システムアナウンスがエリア全体へと響く。体を中心に半透明な円が発生して、視界が暗転した。
*「イベントクリア、おめでとうございます」*
毎度お馴染み、イベント終了後のログイン画面への転送だ。真っ白な空間にはいくつかのメニューアイコン、そしてイベントの進行度とクランが獲得したポイントや順位を示すバーが浮かび上がっていた。
その中心で、AIの声が響く。
「占領した工場はもうすぐに稼働できるの?」
*「はい、稼働可能です。稼働させますか?」*
「うん」
このイベントは、最終的にどれだけ街を復興させたのかがポイントとなって順位が決定される。建築フェイズはもう既に始まっていると言って良いだろう。この場で全部決めちゃおう。
*「では、獲得したリソースセンターで生産するアイテムを決定してください」*
AIのアナウンスに続いて、半透明のウィンドウが表示される。リソースセンターでは、ゲーム内で資源の収集、生産が可能だ。
獲得したセンターのレベルと数によって、アイテムをどれだけ生産できるかが決まるらしい。
「うーん、とりあえずはイベント用の建材が優先かなー。どのアイテムが建材になるの?」
*「建設する建物によって変化します」*
「あ、そりゃそっか。じゃあ先に建築担当地域の建物を決定しないとだね。建物のデザインはどうやって決めるの?」
*「はい、デザインの決定権はクランマスターにありますが、メンバーに委ねる事も可能です」*
「じゃあ、デザイン固定の地域と自由建築の地域を分けたりもできる?」
*「はい、可能です」*
「じゃ、このエリアはデザイン固定、あとは皆にお任せへしちゃって」
*「承知しました。デザイン固定地域のデザインはいかがしますか?」*
「えっと、やってみたい計画があってね……」
AIのサポートを受けて、再建計画のデータを完成させる。これでリソースセンターの生産するアイテムを決定できた。
「次は何を決めるの?」
*「次に、メカニクスラボで生産できる特別な装備やツールの選択が可能です。ただし、そのためには特定のアイテムが必要です」*
画面には、武器や部品などの生産可能なアイテムの一覧と、生産に必要なアイテムが表示された。
何を作ろうかなーってぼんやり見ながら画面をスクロールしていたら、気になるアイテム群を見つけて指を止める。
「この、ネームドコアって何?」
*「特定のモンスターが落とす水晶を素材として作られる、強化外骨格ユニットです」*
「何に使うの?」
*「ユニットの性能は水晶の種類に大きく依存します」*
「そっかー、扱いづらい代わりに性能の高い鎧見たいな感じかな? こっちの大っきいのは?」
*「特定のモンスターが落とす水晶を素材として作られる装備です」*
「ふーん……」
ボスドロップした水晶は特別な防具や武器が作れる。それと、普通のモンスターを倒した際にドロップした水晶でも結構良い装備が作れるみたいだね。
「水晶は結構余ってるし、クランメンバーにお揃いの装備とか配布するのも面白いかもねー」
ボスドロップのアイテムは生産にめちゃくちゃ時間とリソースが必要になるみたいだけど、通常ドロップの水晶は大量生産が可能だ。
「後はアセンブリーヤードだっけ?」
*「はい、アセンブリヤードはメカニクスラボ等で作成されたパーツを元に乗り物や、大型のアイテムの生産や、技術の研究が可能です。また、設計図を作成すれば、アイテムを自動で消費して設計図通りにアイテムを生産します」*
「今作れるものは……無いか」
アセンブリヤードで使うアイテムの大半はメカニクスラボで生産されたアイテムだ。
「よぉし、こんなものかな?」
しばらくして、全ての設定が完了した。大変だった、すごく大変だった。だけど、これはこれで楽しさがあるね。
ぐーっと伸びをして、一息つく。
*「お疲れ様です。設定が完了しました。ゲームを続けられますか?」*
「いいや、今日はもう寝ようかな?」
メニューの中から、デジタル時計を確認する。現実世界では、もう12時を回った所だ。いくら夏休み中だからって、そろそろ寝た方が良い。
明日も朝から遊びたいしね。
*「承知しました。またのアクセスを心よりお待ちしております」*
AIの言葉を最後にIAFのログアウトシーケンスが開始される。電脳の世界から、現実の世界へと意識が戻された。
0
お気に入りに追加
206
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
アルケミア・オンライン
メビウス
SF
※現在不定期更新中。多忙なため期間が大きく開く可能性あり。
『錬金術を携えて強敵に挑め!』
ゲーム好きの少年、芦名昴は、幸運にも最新VRMMORPGの「アルケミア・オンライン」事前登録の抽選に当選する。常識外れとも言えるキャラクタービルドでプレイする最中、彼は1人の刀使いと出会う。
宝石に秘められた謎、仮想世界を取り巻くヒトとAIの関係、そして密かに動き出す陰謀。メガヒットゲーム作品が映し出す『世界の真実』とは────?
これは、AIに愛され仮想世界に選ばれた1人の少年と、ヒトになろうとしたAIとの、運命の戦いを描いた物語。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる