15 / 139
フォートシュウロフ防衛戦
狩りをするタイプのJK、或いは黒煙の暴君
しおりを挟む
市場周りはあまり収穫が無かったけど、イベントの収穫は大きかったね。戦闘の後、改めてステータスを確認する。
視界右端の視線選択UIのメニューからステータスを選択すると、眼前に半透明のウィンドウが表示された。
名前:アニー・キャノン
種族:カオスルーラーLv5
Lv:10
HP:135/135
MP:75/75
【STR:45】(+15)
【VIT:10】
【DEX:10】
【AGI:87】(+45)
【INT:35】(+5)
装備
頭【旅人のバンダナ】(防御力+5)
肩【町民の外套】(防御力+15)
体【旅人の服】(防御力+15)
右手【アウトローナックル】(物理攻撃力+10)
左手【アウトローナックル】(物理攻撃力+10)
尻尾【小鬼将軍のバンクル】(AGI+20、STR+10)
腰【町民のミニスカート】(防御力+1、AGI+5)
足【素早さのバンクル】(AGI+10)
靴【旅人の靴】(防御力+5、AGI+5)
ファーストジョブ:アウトローLv5
セカンドジョブ:マジックユーザーLv1
スキル
【鼓舞】
【パンチャー】(new)
【暗視】(new)
【黒煙】(new)
【トンズラ】(new)
【パイルバンカー】(ベース:ロックショット)
称号
【無慈悲なる者】
【悪の先導者】(new)
【外道】
【大物狙い】
【キラー】
【サイコキラー】
【シリアルキラー】(new)
ステータスポイント:3
「やっぱりレベル上げるならプレイヤーかNPCだよねー」
クエストクリア報酬もあるけど、ダンジョンと比べて経験値効率が段違いだ。街でのキルは見咎められるとキャラロスまであり得そうだけど、その分経験値が美味しい設定なのかな?
「今のトップ層は何レベルぐらいなんだろ?」
ゲームの中からSNSを確認する。
「うーん、大体……20ぐらい?」
やっぱりどのゲームにも廃人勢はいる。普通に高校生してたらレベルやリソースで勝つのは厳しいよね。
「来週のイベントまでには私もレベル20ぐらいまでは行きたいなぁ……」
となれば……やる事は1つ。レベル上げと装備回収が両立できる最高の手段があるじゃないか。
「キヒヒヒッ……狩るぞ」
ヨイニと一緒に行ったダンジョンとは別のダンジョン。よりレベルの高いプレイヤーが装備アイテム回収の為に周回しているダンジョンで獲物を待ち構える。ここ数日、私はここで狩りを楽しんでいた。
「ヒハッ……次の獲物発見」
人通りが少なくて周回でたっぷりアイテムを溜め込んだであろう帰り道の一団を狙う。
「アイテムボックス」
アウトローのスキル、黒煙は黒い煙幕を発生させるボールを作るスキルだ。アイテムボックスから大量に作成した黒煙弾を取り出して放り込む。
「な、何だこの黒煙は!?」
「くっそ最悪だ!! 噂のPKが出たぞ!」
黒煙の中でプレイヤーが右往左方している様子が【暗視】のスキルによってよく見える。
「キヒヒヒヒヒッ……トンズラ」
トンズラは、AIGの値に対応した距離を一瞬で移動できるスキルだ。本来はその名の通り、逃亡用に使うスキルなんだろうけど、私にとっては強襲スキルとして機能している。
「キャハハハハ!!!」
ほとんど瞬間移動に近い速度でプレイヤーの前まで移動する。このスキルの良い所は、スキル効果が終わった瞬間に慣性も消滅するところだ。
「パイルバンカァー!」
「畜生! 1人やられっ」
「パイルバンカー!」
「なんっ」
「パイル・バンカァァー♪」
一方その頃、とある掲示板。
【IAF】ダンジョンの帰り道のPK【ゴブリン坑道】
1名前:名無しの冒険者
やられた……。
ダンジョンの帰りを狙われて根こそぎ奪われた。
2名前:名無しの冒険者
俺もだ……結構上位で、5人パーティだったんだが。
3名前:名無しの冒険者
そもそもプレイヤーなのか? エネミーなのか?
情報が少なすぎる。
4名前:名無しの冒険者
>3
プレイヤーにキルされると報復クエストが追加されるから、間違いなくプレイヤー。
名前はわからないが……。
5名前:名無しの冒険者
せっかくダンジョンを周回しても帰り道で取られるんじゃ洒落にならん。
どうにかならないのか?
6名前:名無しの冒険者
>5
賞金首システムがある。
一定以上のプレイヤーキルで懸賞金が付く。
被害者は懸賞金を上乗せができて、額によって対象のプレイヤーがキルされた時に経験値が得られるぞ。
7名前:名無しの冒険者
懸賞金かけて来た。
俺のレア装備を奪いやがって……!!
ゆ"る"さ"ん"!!
8名前:名無しの冒険者
ていうかもしかして上位陣の5人パーティーを1人で一方的にキルするプレイヤーがいるって事なのか?
一体何者なんだよ……。
9名前:名無しの冒険者
>8
それな、やばすぎる。
やられた奴らは何も見てないのか?
10名前:名無しのアウトロー
俺、暗視持ってたからチラッとだけど見えたぞ……。
背はめちゃめちゃ小さいんだが、恐竜みたいな尻尾が生えてた。
11名前:名無しの冒険者
>10
おお! 有力情報!
でもそんな種族いたか?
12名前:名無しの冒険者
隠し要素の可能性は捨てきれないが、カオスルーラーかもな……。
13名前:名無しの冒険者
もしカオスルーラーなら、あの子じゃね。
14名前:名無しの冒険者
>13
ああ、今週のニュースの……。
こうしてアニー・キャノンは【黒煙の暴君】として賞金首になったのだった。
土日はIAFで悪逆の限りを尽くし、まだ眠い目を擦る朝の通学路、前方に与一君を発見。偶には私から話しかけるパターンが有っても良いよね。
「おはやう、与一君」
「ああ、おはよう奏音眠そうだな」
「んーてーけつあつゆえ……」
私のふにゃふにゃした回答に与一君が苦笑いをしながら頭を人差し指で突く。
「学校は休まないでくれよ?」
「分かってるよー、与一君が気分転換に誘ってくれたのに、それが原因で私が不登校とかになったら本末転倒だし」
「まぁ、それもあるんだが……折角同じ学校になったのに奏音が来なかったら寂しいだろ?」
「……」
「奏音? なんか顔が赤いけど大丈夫か?」
「ななななんでもないっ!」
知らない! ぷいっ。
「それはそうと、アニーのレベル上げは何処でやってるんだ?」
私が視線を逸らすと、与一君が話題を変えてくる。これがコミュ強の力なのか。
「んー、ゴブリン坑道の辺り?」
「あー、ダンジョン報酬も美味しいしな。そう言えばあの辺り、ヤバイPKが徘徊してるらしいぞ」
「へ? そうなの?」
あの狩場にまだ私以外のPKなんて居たっけな? まぁ私も常に狩場に張ってた訳じゃ無いし、たまたま被らなかったのかな?
「ああ、黒い煙幕で大人数を包み込んで、正体不明なありえない火力のスキルで鏖殺にするらしい……どうやら大人数のパーティを狙ってるらしいけど、注意はしておいた方が良いかもな」
「へ、へぇ……」
あ、あれ?
なんかそのPKさん、親近感を感じるぞ?
「なんでも、自分より高いレベルと装備のプレイヤーを一撃で粉砕する程の技を連発するらしいよ」
「それはすごいなぁ」
「しかも、目撃情報によれば大きな尻尾があるんだって! もしかしたら、アニーと同じカオスルーラーかもしれないな」
「へ、へーソウナンダー」
完全に私じゃん……。
「まぁでも"黒煙の暴君"って2つ名で賞金首になったらしいし、討伐隊も組まれたらから近いうちに解決するかもな」
「し、しばらく狩場変えようかな……」
「ああ、下手に巻き込まれてロストしてもつまらないしな」
「ソウダネー」
他に良い狩場探さないとね……。あっでも良く考えればこの状態を逆手に取ってもう一稼ぎてきるかも……?
視界右端の視線選択UIのメニューからステータスを選択すると、眼前に半透明のウィンドウが表示された。
名前:アニー・キャノン
種族:カオスルーラーLv5
Lv:10
HP:135/135
MP:75/75
【STR:45】(+15)
【VIT:10】
【DEX:10】
【AGI:87】(+45)
【INT:35】(+5)
装備
頭【旅人のバンダナ】(防御力+5)
肩【町民の外套】(防御力+15)
体【旅人の服】(防御力+15)
右手【アウトローナックル】(物理攻撃力+10)
左手【アウトローナックル】(物理攻撃力+10)
尻尾【小鬼将軍のバンクル】(AGI+20、STR+10)
腰【町民のミニスカート】(防御力+1、AGI+5)
足【素早さのバンクル】(AGI+10)
靴【旅人の靴】(防御力+5、AGI+5)
ファーストジョブ:アウトローLv5
セカンドジョブ:マジックユーザーLv1
スキル
【鼓舞】
【パンチャー】(new)
【暗視】(new)
【黒煙】(new)
【トンズラ】(new)
【パイルバンカー】(ベース:ロックショット)
称号
【無慈悲なる者】
【悪の先導者】(new)
【外道】
【大物狙い】
【キラー】
【サイコキラー】
【シリアルキラー】(new)
ステータスポイント:3
「やっぱりレベル上げるならプレイヤーかNPCだよねー」
クエストクリア報酬もあるけど、ダンジョンと比べて経験値効率が段違いだ。街でのキルは見咎められるとキャラロスまであり得そうだけど、その分経験値が美味しい設定なのかな?
「今のトップ層は何レベルぐらいなんだろ?」
ゲームの中からSNSを確認する。
「うーん、大体……20ぐらい?」
やっぱりどのゲームにも廃人勢はいる。普通に高校生してたらレベルやリソースで勝つのは厳しいよね。
「来週のイベントまでには私もレベル20ぐらいまでは行きたいなぁ……」
となれば……やる事は1つ。レベル上げと装備回収が両立できる最高の手段があるじゃないか。
「キヒヒヒッ……狩るぞ」
ヨイニと一緒に行ったダンジョンとは別のダンジョン。よりレベルの高いプレイヤーが装備アイテム回収の為に周回しているダンジョンで獲物を待ち構える。ここ数日、私はここで狩りを楽しんでいた。
「ヒハッ……次の獲物発見」
人通りが少なくて周回でたっぷりアイテムを溜め込んだであろう帰り道の一団を狙う。
「アイテムボックス」
アウトローのスキル、黒煙は黒い煙幕を発生させるボールを作るスキルだ。アイテムボックスから大量に作成した黒煙弾を取り出して放り込む。
「な、何だこの黒煙は!?」
「くっそ最悪だ!! 噂のPKが出たぞ!」
黒煙の中でプレイヤーが右往左方している様子が【暗視】のスキルによってよく見える。
「キヒヒヒヒヒッ……トンズラ」
トンズラは、AIGの値に対応した距離を一瞬で移動できるスキルだ。本来はその名の通り、逃亡用に使うスキルなんだろうけど、私にとっては強襲スキルとして機能している。
「キャハハハハ!!!」
ほとんど瞬間移動に近い速度でプレイヤーの前まで移動する。このスキルの良い所は、スキル効果が終わった瞬間に慣性も消滅するところだ。
「パイルバンカァー!」
「畜生! 1人やられっ」
「パイルバンカー!」
「なんっ」
「パイル・バンカァァー♪」
一方その頃、とある掲示板。
【IAF】ダンジョンの帰り道のPK【ゴブリン坑道】
1名前:名無しの冒険者
やられた……。
ダンジョンの帰りを狙われて根こそぎ奪われた。
2名前:名無しの冒険者
俺もだ……結構上位で、5人パーティだったんだが。
3名前:名無しの冒険者
そもそもプレイヤーなのか? エネミーなのか?
情報が少なすぎる。
4名前:名無しの冒険者
>3
プレイヤーにキルされると報復クエストが追加されるから、間違いなくプレイヤー。
名前はわからないが……。
5名前:名無しの冒険者
せっかくダンジョンを周回しても帰り道で取られるんじゃ洒落にならん。
どうにかならないのか?
6名前:名無しの冒険者
>5
賞金首システムがある。
一定以上のプレイヤーキルで懸賞金が付く。
被害者は懸賞金を上乗せができて、額によって対象のプレイヤーがキルされた時に経験値が得られるぞ。
7名前:名無しの冒険者
懸賞金かけて来た。
俺のレア装備を奪いやがって……!!
ゆ"る"さ"ん"!!
8名前:名無しの冒険者
ていうかもしかして上位陣の5人パーティーを1人で一方的にキルするプレイヤーがいるって事なのか?
一体何者なんだよ……。
9名前:名無しの冒険者
>8
それな、やばすぎる。
やられた奴らは何も見てないのか?
10名前:名無しのアウトロー
俺、暗視持ってたからチラッとだけど見えたぞ……。
背はめちゃめちゃ小さいんだが、恐竜みたいな尻尾が生えてた。
11名前:名無しの冒険者
>10
おお! 有力情報!
でもそんな種族いたか?
12名前:名無しの冒険者
隠し要素の可能性は捨てきれないが、カオスルーラーかもな……。
13名前:名無しの冒険者
もしカオスルーラーなら、あの子じゃね。
14名前:名無しの冒険者
>13
ああ、今週のニュースの……。
こうしてアニー・キャノンは【黒煙の暴君】として賞金首になったのだった。
土日はIAFで悪逆の限りを尽くし、まだ眠い目を擦る朝の通学路、前方に与一君を発見。偶には私から話しかけるパターンが有っても良いよね。
「おはやう、与一君」
「ああ、おはよう奏音眠そうだな」
「んーてーけつあつゆえ……」
私のふにゃふにゃした回答に与一君が苦笑いをしながら頭を人差し指で突く。
「学校は休まないでくれよ?」
「分かってるよー、与一君が気分転換に誘ってくれたのに、それが原因で私が不登校とかになったら本末転倒だし」
「まぁ、それもあるんだが……折角同じ学校になったのに奏音が来なかったら寂しいだろ?」
「……」
「奏音? なんか顔が赤いけど大丈夫か?」
「ななななんでもないっ!」
知らない! ぷいっ。
「それはそうと、アニーのレベル上げは何処でやってるんだ?」
私が視線を逸らすと、与一君が話題を変えてくる。これがコミュ強の力なのか。
「んー、ゴブリン坑道の辺り?」
「あー、ダンジョン報酬も美味しいしな。そう言えばあの辺り、ヤバイPKが徘徊してるらしいぞ」
「へ? そうなの?」
あの狩場にまだ私以外のPKなんて居たっけな? まぁ私も常に狩場に張ってた訳じゃ無いし、たまたま被らなかったのかな?
「ああ、黒い煙幕で大人数を包み込んで、正体不明なありえない火力のスキルで鏖殺にするらしい……どうやら大人数のパーティを狙ってるらしいけど、注意はしておいた方が良いかもな」
「へ、へぇ……」
あ、あれ?
なんかそのPKさん、親近感を感じるぞ?
「なんでも、自分より高いレベルと装備のプレイヤーを一撃で粉砕する程の技を連発するらしいよ」
「それはすごいなぁ」
「しかも、目撃情報によれば大きな尻尾があるんだって! もしかしたら、アニーと同じカオスルーラーかもしれないな」
「へ、へーソウナンダー」
完全に私じゃん……。
「まぁでも"黒煙の暴君"って2つ名で賞金首になったらしいし、討伐隊も組まれたらから近いうちに解決するかもな」
「し、しばらく狩場変えようかな……」
「ああ、下手に巻き込まれてロストしてもつまらないしな」
「ソウダネー」
他に良い狩場探さないとね……。あっでも良く考えればこの状態を逆手に取ってもう一稼ぎてきるかも……?
11
お気に入りに追加
206
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
アルケミア・オンライン
メビウス
SF
※現在不定期更新中。多忙なため期間が大きく開く可能性あり。
『錬金術を携えて強敵に挑め!』
ゲーム好きの少年、芦名昴は、幸運にも最新VRMMORPGの「アルケミア・オンライン」事前登録の抽選に当選する。常識外れとも言えるキャラクタービルドでプレイする最中、彼は1人の刀使いと出会う。
宝石に秘められた謎、仮想世界を取り巻くヒトとAIの関係、そして密かに動き出す陰謀。メガヒットゲーム作品が映し出す『世界の真実』とは────?
これは、AIに愛され仮想世界に選ばれた1人の少年と、ヒトになろうとしたAIとの、運命の戦いを描いた物語。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
Beyond the soul 最強に挑む者たち
Keitetsu003
SF
西暦2016年。
アノア研究所が発見した新元素『ソウル』が全世界に発表された。
ソウルとは魂を形成する元素であり、謎に包まれていた第六感にも関わる物質であると公表されている。
アノア研究所は魂と第六感の関連性のデータをとる為、あるゲームを開発した。
『アルカナ・ボンヤード』。
ソウルで構成された魂の仮想世界に、人の魂をソウルメイト(アバター)にリンクさせ、ソウルメイトを通して視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚、そして第六感を再現を試みたシミュレーションゲームである。
アルカナ・ボンヤードは現存のVR技術をはるかに超えた代物で、次世代のMMORPG、SRMMORPG(Soul Reality Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)として期待されているだけでなく、軍事、医療等の様々な分野でも注目されていた。
しかし、魂の仮想世界にソウルイン(ログイン)するには膨大なデータを処理できる装置と通信施設が必要となるため、一部の大企業と国家だけがアルカナ・ボンヤードを体験出来た。
アノア研究所は多くのサンプルデータを集めるため、PVP形式のゲーム大会『ソウル杯』を企画した。
その目的はアノア研究所が用意した施設に参加者を集め、アルカナ・ボンヤードを体験してもらい、より多くのデータを収集する事にある。
ゲームのルールは、ゲーム内でプレイヤー同士を戦わせて、最後に生き残った者が勝者となる。優勝賞金は300万ドルという高額から、全世界のゲーマーだけでなく、格闘家、軍隊からも注目される大会となった。
各界のプロが競い合うことから、ネットではある噂が囁かれていた。それは……。
『この大会で優勝した人物はネトゲ―最強のプレイヤーの称号を得ることができる』
あるものは富と名声を、あるものは魂の世界の邂逅を夢見て……参加者は様々な思いを胸に、戦いへと身を投じていくのであった。
*お話の都合上、会話が長文になることがあります。
その場合、読みやすさを重視するため、改行や一行開けた文体にしていますので、ご容赦ください。
投稿日は不定期です
「小説家になろう」でも投稿していますが、投稿は終了しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる