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ドジっ子薬師、純潔の危機
しおりを挟む好色植物は、生き物の粘液が好きだ。
塩分やミネラル、そして酵素といった、哺乳類が多く体内に持っている成分を得るために、ただ捕食するだけでなく必要に応じて手を加えてくる。
その厄介さと、人間にとっての下劣さから「好色」にちなんだ蔑称があるくらいだ。
筒状の袋を持つカヅラ系の好色植物の消化液は、麻酔薬や媚薬のような効果があって、袋に落ちた生き物の体液の分泌を強制的に促進させるのだ。
そう書かれていた薬師の資料を読んで、もんもんとしているうちに酩酊し命を落とすなんて真っ平ごめんだと怯えた記憶がある。
(ちなみに実際そういうお薬の材料になるため、資料に載っていた)
そして、今私が捕まっているこの月下美人モドキ。
これも一応薬になる。
タチの悪いことに本物の月下美人よりも薬効が高いものが作れてしまうのだ。
「あっ、うあ」
にゅ、と胸の先を掠める雄しべ。
花粉が包まれている部分は百合の蕾のような形状で、硬さがある。それでいて、ネギの内側のような滑りを持っているから、それが体の際どい部分を擦るたびに、ぞわぞわと悪寒が走った。
本能的な恐怖が体の力を奪っていく。
疲労が回復するたびに、拘束された手足に力を入れてみるものの、その都度蔦がぎゅうと締め上げてきた。
血の巡りが滞るか流れるかの、ギリギリの力加減。活かさず殺さず、ただただ……まるで心を折るかのように。
「やだ、怖い、やだ……嫌だぁ」
雄しべが執拗に胸の先端を撫でてくる。
自分で体を拭うときとは全く異なる感覚に狼狽えた。ぞわぞわして、触られているのは胸なのに、股の奥に切なさが募っていくのは何故なのだろう。
「あっん、ふ、う」
嫌悪感にとうとう目から涙が溢れてきた。
それをすかさず白い根のような触手が拭っていく。
拭うというか涙を啜っているのだろう。
泣けば泣くほど相手の思う壺だ時わかっているけれど、無力感で涙が更に出てきてしまう。
「うっ、うう。お師匠、」
助けて。と言おうとして開いた口に、他の根が突っ込んできた。
青臭い緑の香り。喉奥に遠慮なく入れられて、反射で吐き気と唾液が分泌される。
「おご、っゔぇっ」
根は口の中の唾液を絡めとるように頬や喉奥の柔らかいところをねぶってきた。
やや辛味のある、粘り気を帯びた甘い樹液が喉を焼いて胃に落ちていく。
度の強いお酒を飲んでしまった時のように、お腹がカッカと熱を帯び始めた。
びくりと体が跳ねてしまった理由は、いつの間にか根が太ももを割って私の股をさすっているせいだ。
変な方向に引っ張られる装備。びりりと布の裂かれる音も聞こえる。
蛇が冬眠の巣穴に潜り込むように、穴の空いた部分から根っこが入り込んでくる。
冷たく、むっちりとした感覚が直接ドロワーズの中に触れて体が大きく揺れた。
口の中はまだ根の一本が蹂躙しているせいで、声が殺される。
私はこの状況に、ただぼろぼろと涙をこぼすしか出来なかった。
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