強かに生きよ

キシマニア

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セクハラ、パワハラしてくる上司を成敗した話②

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 ちゃんと確認して渡した筈の書類が足りないと言って騒ぎ、急ぎで用意させられたり、その冊子が実際には不要なものだったり。
 必要な押印をしてもらえず、終業間際になってようやく審査が通り、私だけ不要に残業する羽目になったり。
 会議室でわざと二人きりになるよう嘘の時間を伝えられ、鍵をかけてニヤニヤと私の反応を楽しむ日もありました。
 もちろん、すれ違いざまに体を触ってくることもあります。落とし物を拾うふりしてストッキングを伝線してきた時は鳥肌が止まらなくなりました。
 どれも巧妙で、他の人が気付かないよう計算されていたので、慣れている印象を受けました。

 先輩女性に相談したこともあるけど、大きくない会社だから専用ホットラインも形骸化しており、軽い注意がいくだけで、それをきっかけに悪化することもあったらしいです。
 その話から、前科があることが透けて見えました。
 先輩の口は重かったけれど、聞けば私の前の人も色々やられて、でも証拠を押えられないまま結局我慢できなくて辞めたとのことです。

「飽きられるまでの辛抱だよ」

 そう言う先輩も入社した際同じ目に遭ったようで、語る横顔はうんざりとしたものでした。

 こんなことが黙認されているなんて。と会社に対して怒りを覚えましたが、派遣からようやく正社員になれた私にとって、トラブルにより正社員で無くなることには未練がありました。
 結局、自らの手帳に出来事を書き留めることくらいしか出来ないまま、半年近く経ったある日。
 上司が失態を犯します。
 営業取引先を怒らせ、一つの案件が取りやめになってしまいました。

 聞けば相手先はやり手の女性個人事業主さんだったとの事。詳細は情報が広がりませんでしたが、何となく言いそうなことが頭をよぎります。

 上司は処分を受け、営業の花形から閑職へ異動させられました。
 プライドの高かった上司は、それを機にしばらく大人しくしていました。私へのセクハラ及びパワハラも無くなり、安堵したのを覚えています。

 ただ過去にされた嫌がらせに対しては泣き寝入りするしかないのが悔しく、心残りでした。


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