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第三章・我校引線
9話 いつだって、子を思う親はマジ最強 その2
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男の名前は、浅雨凛太郎。浅雨有太の父である。能力の名前は『バスケット・アイズ』といい、亜空間から目の模様が入ったバスケットボールを取り出す能力である。そのバスケットボールは地面に弾むごとに分裂を繰り返し、10回ほど弾むと、地面の上で完全に静止し、消えてなくなる。目の模様からはレーザー光線を放つことができるが、一度に放つことができるボールの個数は3個までである。
出水は懐から麻酔銃を取り出して発砲した。が、男の周りを飛び跳ねるボールに阻まれ、弾は届かない。
「探偵!俺のボールの耐久性は高いぞ‼︎」
浅雨はそう叫び、更にレーザー光線を飛ばしてくる。自分を標的とする殺意が高すぎる攻撃を、出水は『能力を使わず』に冷静にかわし続けた。
そもそも出水は能力に頼ることはあまりない。というか、頼る必要がない。それは過去に能力を多用し続けた結果、『避ける』という作業に慣れたためである。
「『アイズ』‼︎」
「がっ…」
それでも出水はレーザーに内臓を貫かれて死んだ。避けるのが上手い、といっても、それ以外は少々腕っ節が立つ21歳の小娘でしかない出水が、特殊な攻撃手段を持つ敵に殺されるのは、もはや必然とも言える流れなのだ。
そして出水が死んだことで『One more time』が発動し時間が数秒戻った。
「『アイズ』‼︎」
先程は右に避けて死んだので、今度の出水は左に避けた。
男のレーザー光線の上限は3本。3本を打ち終わって、次に打てるようになるのは3秒後。そしてこの男の戦闘経験が『少ない』ことを、出水は先程の攻撃を見て推察した。
「お前さ。戦闘経験が少ないだろ⁈今なぁ、お前を倒す方法が頭の中に12通り浮かんだんだぞ‼︎」
「そうかい‼︎なら早くそれを見せてくれよ‼︎」
出水のハッタリに臆することなく、浅雨父は攻撃を続ける。
「『アイズ』‼︎ゾーンの準備をしろ!」
男がそう叫ぶとボールの跳ねる速度が一気に速くなり、それに対応してボールの個数もあっという間に増えていく。
「…ヤッベ…‼︎」
これから起こることをなんとなく悟り、自身を四方八方から囲むボールの隙間に向かって、出水は走り出した。
「もう遅い。爆ぜろ『アイズ』!」
その瞬間、周りのバスケットボールが光に包まれ、激しい爆発を引き起こした。
「ウギィぃいぎぃィイヤァア‼︎」
身体を一瞬のうちに蝕む高熱に、出水は絶叫した。熱い、熱い、熱い、熱い、熱…すぎる‼︎
そして、出水が死ぬ間際に見たのは、もげて宙を舞う自分の右腕だった。
出水は懐から麻酔銃を取り出して発砲した。が、男の周りを飛び跳ねるボールに阻まれ、弾は届かない。
「探偵!俺のボールの耐久性は高いぞ‼︎」
浅雨はそう叫び、更にレーザー光線を飛ばしてくる。自分を標的とする殺意が高すぎる攻撃を、出水は『能力を使わず』に冷静にかわし続けた。
そもそも出水は能力に頼ることはあまりない。というか、頼る必要がない。それは過去に能力を多用し続けた結果、『避ける』という作業に慣れたためである。
「『アイズ』‼︎」
「がっ…」
それでも出水はレーザーに内臓を貫かれて死んだ。避けるのが上手い、といっても、それ以外は少々腕っ節が立つ21歳の小娘でしかない出水が、特殊な攻撃手段を持つ敵に殺されるのは、もはや必然とも言える流れなのだ。
そして出水が死んだことで『One more time』が発動し時間が数秒戻った。
「『アイズ』‼︎」
先程は右に避けて死んだので、今度の出水は左に避けた。
男のレーザー光線の上限は3本。3本を打ち終わって、次に打てるようになるのは3秒後。そしてこの男の戦闘経験が『少ない』ことを、出水は先程の攻撃を見て推察した。
「お前さ。戦闘経験が少ないだろ⁈今なぁ、お前を倒す方法が頭の中に12通り浮かんだんだぞ‼︎」
「そうかい‼︎なら早くそれを見せてくれよ‼︎」
出水のハッタリに臆することなく、浅雨父は攻撃を続ける。
「『アイズ』‼︎ゾーンの準備をしろ!」
男がそう叫ぶとボールの跳ねる速度が一気に速くなり、それに対応してボールの個数もあっという間に増えていく。
「…ヤッベ…‼︎」
これから起こることをなんとなく悟り、自身を四方八方から囲むボールの隙間に向かって、出水は走り出した。
「もう遅い。爆ぜろ『アイズ』!」
その瞬間、周りのバスケットボールが光に包まれ、激しい爆発を引き起こした。
「ウギィぃいぎぃィイヤァア‼︎」
身体を一瞬のうちに蝕む高熱に、出水は絶叫した。熱い、熱い、熱い、熱い、熱…すぎる‼︎
そして、出水が死ぬ間際に見たのは、もげて宙を舞う自分の右腕だった。
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