上 下
15 / 19
第一章この章の後半を読んではいけない。

第14話 第一回ツンデレ対戦!?6

しおりを挟む
 この日、BOヘレネスの商店街付近のとある店で一つの快挙が成し遂げられる瞬間に僕は目の前で出くわした。

「えーっとテンダーの胸肉とモモ肉10人前あとはフォータンのロース10人前もう1回お願いします!」
「は、はぁ、かしこまりました」

 店員さんや厨房もかなりビックリしているだろう。
 ナフィは僕が意識を取り戻して以来、50人前いや、100人前を超える量の肉を簡単に食べてしまったのだ。
 そりゃあ店員さんもえっ? 見たいな態度を取るだろう。

「ナフィ? まだ食べるの? お腹大丈夫?」

 一体いつまで食べ続けるのだろうか。

「全然大丈夫ですよマスター、まだまだ食べれます」

 砂時計は半分を過ぎたがまだ四分の一くらいは残っているだろう。
 多分、スキルの中に暴飲暴食が入っているからここまで食べ続けるのだろう。
 余分なステータスで本来ならサポートキャラがご飯を食べる事などまず無いので弱点やダメな事にはならないのだが彼女は異変が起きて変わった。
 現に今、食べ続けているのだからこれはマイナススキルの影響だろう。

 遂に周りのテーブルからも注目され始めている。
 横の席にいる大柄のおっさんもよく食べているがナフィをの食べる量を見て驚愕している。
 僕の5倍くらい食べてるのが横のおっさんで横のおっさんの20倍くらい食べているのがナフィだ。

「あのぉすいません、フォータンのロースが先程無くなってしまいご注文出来なくなってしまいました誠に申し訳ございません」
「そうなんですか。ならフォータンの肩ロース20人前で」

 どんだけ頼むんだよ! 彼女の腹はどっかの異世界に繋がってるんじゃないか?
 僕の予想を遥かに超える量の肉を食べまくる。
 もう既に彼女は自分の体重を越す量の肉を食べているだろう。
 今後の食費をどうやって賄って過ごすか考えとかないとな。
 今となってはキスの影響か意識がハッキリとしていてここが現実やゲームの世界と少し違う空間だと分かるが、彼女の食いっぷりを異変に気づいた時に見てしまっていたら恐らくゲームだと勘違いするな。
 それ程までに食う量がおかしいのだ。

「あのぉ、お客様大変申し訳ありませんがぁ」

 先程までこのテーブルを担当していた女性店員とは違う男の店員が現れた。

「何ですか?」

 僕は何か訴えたそうにしている男性店員にそう答えた。

「こちらもこれ以上お食べになられると経営が出来なくなりますので今後の来店はご遠慮して頂きたいのです」

 ・・・・・・ついに出禁食らってもた。

「む!? なんででふか!」

 口に食べ物を含んだ状態で喋るなよ。

「ナフィが食べ過ぎるからだよ」
「いや、食べ放題じゃないでふか」

 だから食べながら喋るのやめない?

「食べ放題にも限界があるんだよ。後ね食べ物口の中に入ったまま喋るの止めようか」
「ゴクッ、どういう事ですか! そんなの詐欺ですよ!」

 肉を殆ど噛まずに飲んだぞ!?
 本当にこの子の内蔵はどうなっているのだろう。

「まあ、今すぐに出てけって訳じゃ無いからまだ良かったんじゃない?」

 やっぱり食べ放題にも限界があるのか。噂には聞いたことがあったけど目の前で起こった事は一切無かった事実だったな。
 ゲームの世界だと肉の量に限界なんて無いからそこだけでもゲームと同じにして欲しい。
 今後の食費を本気で考えないと。
 幸いモンスターを狩りすれば食べれないモンスターの硬い皮膚や爪がメインで装備に使われるし逆に食べれる肉はナフィに食べさせたり売ったり出来る。
 収入は減るがこちらの方がかなり安上がりだろう。

 しかし、こうやって彼女の食費の事を考えていると明日に自分の運命が決まる事なんてどうでも良くなってきた。
 本当はどうでも良くないのだが、彼女との将来を食費だけでも考えていると言う事は自分の未来の存在に少しでも期待していると言う事だな。
 彼女の為にも命をしっかり守って五体満足で帰ってこないと。

「ナフィご飯美味しい?」
「フフフッ、美味しいですよ。でも食べ放題にこれから来れなくなるのは残念です」
「提案があるんだけどモンスターを狩りして倒したモンスターの肉を食べる事にしない?」

 彼女にこの話を提案してみた。

「良いですね、マスターと一緒に自給自足の生活ですか。楽しみです」

 どうやら提案を聞いてくれたみたいだね。
 良かった。

「所でナフィ、そんなに食べてトイレとか行きたくならない?」
「なりませんねぇ、何だか体が熱く感じたりはしますけどね」

 大量にエネルギーを消費するから発熱反応でも起こしてるのかな?
 確か、普通はサポートでは扱えない程の魔法までナフィは使えるようにMPが多くなっている。
 その見返りに暴飲暴食のスキルが付いているのだがその性質が原因で体調を崩したりしないかが心配だ。
 とりあえず今は大丈夫そうだけど。

「ナフィそろそろラストオーダーの時間くるよ」

 机に置いてある砂時計を見ると砂の残りがわずかしか無くそろそろ時間的にこれ以上食べる事が厳しくなった。
 15分たった今でも肉を食べるペースは変わらず食べ続ける一方だった。
 これでもし、動けないですーマスターおんぶして下さーい。
 なんて、言われた時にはどうしようかこのゲームは刀を持ったり何らかの戦闘状態にならないとクラスの力やスキルの力が発揮されない。

「分かってますよマスター。そろそろラストスパートです」

 彼女の体重は今何キロになっているのだろうか?
 気になるが女の子に体重を聞くのはかなり失礼というものだ。
 僕の体重の軽く2~3倍くらいは食べたんじゃないだろうか?
 序に僕はリアルでは自分と同じ重さの荷物を持てない。
 故に彼女をおんぶして帰る事は至難の業となる。

「うっ、」

 うっ、? 今の声はナフィから聞こえたのか?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧
ファンタジー
『To The World Road』 倍率300倍の新作フルダイブ系VRMMOの初回抽選に当たり、意気揚々と休暇を取りβテストの情報を駆使して快適に過ごそうと思っていた。 ……のだが、蓋をひらけば選択した職業は調整入りまくりで超難易度不遇職として立派に転生していた。 しかしそこでキャラ作り直すのは負けた気がするし、不遇だからこそ使うのがゲーマーと言うもの。 意地とプライドと一つまみの反骨精神で私はこのゲームを楽しんでいく。 小説家になろう、カクヨムにも掲載

辺境領の底辺領主は知識チートでのんびり開拓します~前世の【全知データベース】で、あらゆる危機を回避して世界を掌握する~

昼から山猫
ファンタジー
異世界に転生したリューイは、前世で培った圧倒的な知識を手にしていた。 辺境の小さな領地を相続した彼は、王都の学士たちも驚く画期的な技術を次々と編み出す。 農業を革命し、魔物への対処法を確立し、そして人々の生活を豊かにするため、彼は動く。 だがその一方、強欲な諸侯や闇に潜む魔族が、リューイの繁栄を脅かそうと企む。 彼は仲間たちと協力しながら、領地を守り、さらには国家の危機にも立ち向かうことに。 ところが、次々に襲い来る困難を解決するたびに、リューイはさらに大きな注目を集めてしまう。 望んでいたのは「のんびりしたスローライフ」のはずが、彼の活躍は留まることを知らない。 リューイは果たして、すべての敵意を退けて平穏を手にできるのか。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武
ファンタジー
今よりも科学が発達した世界、そんな世界にVRMMOが登場した。 Every Holiday Online 休みを謳歌できるこのゲームを、俺たち家族全員が始めることになった。 最初のチュートリアルの時、俺は一つの願いを言った――そしたらステータスは最弱、スキルの大半はエラー状態!? ゲーム開始地点は誰もいない無人の星、あるのは求めて手に入れた生産特化のスキル――:DIY:。 はたして、俺はこのゲームで大車輪ができるのか!? (大切) 1話約1000文字です 01章――バトル無し・下準備回 02章――冒険の始まり・死に続ける 03章――『超越者』・騎士の国へ 04章――森の守護獣・イベント参加 05章――ダンジョン・未知との遭遇 06章──仙人の街・帝国の進撃 07章──強さを求めて・錬金の王 08章──魔族の侵略・魔王との邂逅 09章──匠天の証明・眠る機械龍 10章──東の果てへ・物ノ怪の巫女 11章──アンヤク・封じられし人形 12章──獣人の都・蔓延る闘争 13章──当千の試練・機械仕掛けの不死者 14章──天の集い・北の果て 15章──刀の王様・眠れる妖精 16章──腕輪祭り・悪鬼騒動 17章──幽源の世界・侵略者の侵蝕 18章──タコヤキ作り・幽魔と霊王 19章──剋服の試練・ギルド問題 20章──五州騒動・迷宮イベント 21章──VS戦乙女・就職活動 22章──休日開放・家族冒険 23章──千■万■・■■の主(予定) タイトル通りになるのは二章以降となります、予めご了承を。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

処理中です...