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第一章この章の後半を読んではいけない。

第6話 彼と彼女のオープニング6

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「色々あるな、何のセットにしようか」

 鍛冶屋の中は人が少なく見やすかったが熱気が凄く余り長居したいとは思わない場所だった。
 カウンターに一人のお姉さんと奥に鉄を熱したり叩いたりしているおっさん達がいた。

「何か買いたいものでもあるかな?」

 お姉さんは愛想よくニッコリと笑顔を僕に向けた。
 こういう時は手っ取り早く攻略情報が見れればいいが電子系の情報は一切遮断されている。
 ナフィは元々の装備があるから良しとして。
 買えるセット装備は4つ。

 1.名前は「トロイ」。防御力の基本値が合計1025の効果やスキル補正なしの鎧。

 2.名前は「疾風」。防御力の基本値がが合計800の効果は疾走。

 疾走が付くと移動速度が3%上げれる。

 3.魔導師の装備なので却下

 4.上と同じ。

 どれも最大値まで強化しても大体で十倍ぐらいの強さにしかならない。
 本来ならこの装備の基本値からスキルの補正を合わせても1000倍くらい防御力が欲しい所だ。冗談抜きで。
 見た目に関しては。

 1.はそのままトロイって感じの基本装備。別にこっちでもいいが。

 2.頭が出ているがは布が多くて動きやすそう。1.よりは布が多くて複雑だからちょっとカッコイイかな。

 確定2.にしよ。

「お姉さん疾風お願いしていいですか?サイズはSで」
「疾風ね、10分くらいはかかるけどいい?」
「その間に刀剣あたり見とくんで大丈夫です」

 剣か、こっちも買えるものは少ないな。
 ナフィとの相性を最優先で考えないとロクに戦えないだろう。
 自分の知識で行くとナフィは完全に遠距離支援型の装備で魔法一択しか使えない。

 少し困った点だ。

 ナフィは魔導師のクラスを所持している為に近接攻撃に適性が殆ど無い。
 そのせいで必然的に防御力が低い僕が前に出て戦う必要がある。
 僕も日本刀あたりが本当は欲しいが買えるのは西洋系の真っ直ぐな剣いわゆる直刀しかない。
 ややこしい事にこの世界には鍛冶屋にすらレベルが合って日本刀を作れるのはかなりの腕が必要でここじゃ無理だ。
 買うならやっぱり初期の直刀かな。
 元々クラスも特殊なクラス使ってたし剣を持たない事にはスキルが使えるかどうか分からない。

「お姉さん、この双剣も下さい」
「全部で4500Gよ」

 まだ普通にお金が余るな。
 アイテムが手に入ったらまた今度強化しなきゃ。
 最初の方は全てナフィに戦闘を任せる予定だ。
 ナフィの装備はもちろんクラスやらスキルやら大分強化したから時間はかかるが60lv位までなら倒せるだろう。

「よいしょっ、これで足ります?」
「足りるわ、毎度あり。これ出来た装備ね」

 お姉さんに装備を渡された。
 やっぱり結構小さく感じる。
 使っていたスキンは身長を大きめに設定していたのてもっと装備は大きかった。しかし、やたらと露出度が高くなってないか?
 こんなにも布っぽかったっけ?

「左の方に着替える個室があるからそこで着替えて」

 お姉さんはカウンターの左側を指して場所を示した。
 僕は指された方に向かい空いている個室に入る。
 その時、すっと当たり前の様にナフィが個室へ入り込んできた。

「・・・・・・ナフィ? 静かにしてると思ったら何で入ってくるの?」
「マスターの体の成長具合を見るのもサポートキャラの務めですから」
「そんな所まで管理しないよ普通! 出てけ!」

 そう言ってナフィを慌てて追い出す。
 一体何が成長具合だよ全然成長の兆しは一切無いんだけど。
 さっさと服を脱ぎ始めたが。

「じー・・・・・・」
「ナフィ! 覗いてるのバレバレだよ!」
「すみませんマスター!」

 
 着替えを済ませたがやっぱり凄いサイズを少し伝えただけでピッタリだ。
 思ったより露出度が高いがまあ気にしなくていいだろう気候もいい感じだ。
 しかし、やっぱり思うんだがこんなに露出度の高い服だったけか?

「マスターって腕にも足にも毛が無いんですね」
「しつこいよナフィ」

 最後まで結局は覗いていたようだ。

「肌も白くて艶があってモチっともしててそこら辺の女の子よりも綺麗くて可愛いですよ」

 褒められているようだが男としては物凄く辛い話だ。
 実際に昔、女の子と間違えられナンパされた事もあったか。
 あの時は本当にヤバかったけど。

「本当ね可愛いわ」
「カウンターのお姉さん!? 何で?」
「暇だからよ。折角だからお化粧もしましょうか」

 そう言ってお姉さんは何と化粧セットを持っていたのだった。

「あっいえ大丈夫です」
「やりましょう! 大賛成ですお姉さん!」
「何でそうなる!?」

 ナフィが盛大に賛成した瞬間ナフィが素早く個室に入り込み僕を羽交い締めにした。

「嘘! ナフィやめろよ!」

 もがいても離してくれない。

「じっとしてくださいマスター」
「さぁ、始めるわよすぐに終わるからね」
「やめて下さい!お願いします。ダメだって!」

 そう、この世界は魔法でフェイスペイントが可能でもちろん、化粧も同じである。
 終わるのは一瞬、そう、終わるのは一瞬なのだ。
 この時ほど魔法の便利さを恨んだ事は無い。
 なんせ一瞬粉を振り掛けるだけでした準備が整い。
 タッチするだけで徐々に化粧が進むのだった。

 「マスター超可愛いじゃないですか!」
 「ホントねこれで立派な女の子よ鏡で見て」

 この時は本当に僕の中で何かが壊れた音がした。
 不覚にも鏡を見た瞬間、自分でも可愛いと思ってしまったからである。

「お姉さんありがとうございます」
「可愛く仕上がって良かったわ」
「それじゃあ行きましょうかマスター」
「ウン」

 ナフィはそう言って放心状態の僕を個室から引っ張り出し鍛冶屋から出ていくのだった。
 出ていった先で僕はいつもよりも素晴らしく輝く噴水を見つけた。
 よく市場や広場の中央にある奴だ。
 そう言えばここにもあったな。

 「うぉおおおお!!」
 「あっ、マスター噴水に飛び込んじゃダメですよ」

 猛ダッシュ、ナフィから手を離し思いっきり噴水に頭を突っ込みそのまま顔を洗った。

「どうナフィ取れただろ?」
「取れませんよ魔法でその化粧が付いてるんで」
「はぁ? じゃあどうやったら取れるの?」
「多分ですね専用の化粧品落としじゃないと取れませんね」

 嘘だ、この顔で1日?

「髪が濡れて寝癖も真っ直ぐになって治ったのでもう女の子にしか見えませんね」

 どうしよう恥ずい。
 恥ずかしすぎて体温が上がり体が痒くなってきた。
 露出度が何故か高かった理由も恐らく女性用の装備だからだろう。

「顔真っ赤ですよマスター」
「恥ずかしいんだよ!」


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