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第一章この章の後半を読んではいけない。

第3話 彼と彼女のオープニング3

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 僕がアイテムボックスを開いた時、既に僕の中で大惨事になっていた。

「・・・・・・嘘だろ?」

 アイテムが無いどれも空だ。

「ナフィ? サポート用のボックスはどうだった?」
「マスターに買って頂いたお洋服や戦闘用の鎧、サポート用のお札など全部ありますよ?」
「おっかしいなぁ、アイテムどころか素材や装備も全部ない」

 おそらくナフィが居なかったら発狂していただろう。
 もしかしたら、発狂を一周して冷静になっていたのかもしれない。
 およそ時間にして約1000時間以上金はいくら使ったか分からないくらいだ。
 その結晶が消滅している。
 三つ程に分けて保管していた全ての自分の所有物が無くなっていた。

「お金はどうなんですか?」
「お金は、違うボックスに入ってる・・・・・・あった!」
 
 辛うじてお金だけはあるのが助かった。
 ただ、前回のイベントで鎧を新調したため殆ど残ってない。
 枝豆が出てきそうだし頭痛すらしてきた。

「うっ、」

 我慢出来なくなって嗚咽を漏らしそうだ。
 ナフィはどうやら見ていない。が、我慢しろ絶対に心配する。

「お金があるなら装備が買い直せるんじゃないですか?」

 そんな訳が無い。

「ナフィ? その様子だとここの世界の事まさかあんまり知らない?」
「ええ、全く分かりません」

 なら軽めに説明しとかないと。

「なら一応説明しとくと、このゲームはモンスターの素材が無いとあんまり強い装備が手に入らないんだよ」
「つまり、お金があってもそこまで強くなれないって事ですか?」
「一応、アイテム交換所があるからそこに行けば低レベル素材なら手に入るんだけどねぇ」

 この世界のアイテム事情には問題が一つあって。

 「レベルの高い素材は買えないんですか?」
 「買えないわけじゃないんだけど高いはずなんだよな」

 しかも金があったとは言え、基本的な冒険が出来る最低限の装備を買ってギリギリちょっと残る程度しかない。まあ、終盤まで進めれる事も見越しての話だが。
 
「それは困りましたねぇ」

 本当に困ったこれじゃ序盤のモンスターは普通に戦えても敵のレベルが上がれば確実に苦戦を強いられる。

「今の所はやる事が色々あるけどまずは市場に行って装備を整える事、それからかな」
「分かりました準備でき次第出発しましょう」

 こうしてナフィと僕は市場へ向かうことになった。
 とりあえず市場に行けば最低限の装備は手に入るだろう。
 市場に行くために階段を下りて玄関まで進む。そして、外に出る。

「マスターお昼ご飯どうしましょうか?」
 
 もうその話をするのか? さっき朝飯食べた所なのに。
 しかも、僕用に盛り付けられた豆打を半分とって増やして食べていた。
 凄まじいスピードで。

「ナフィはどうしたい?」
「折角なのでお外で食べたいです」

 外か、しかしどこが良いのだろう考えてみればゲーム内の飲食店なんて余り出入りすることは無かった。
 あったとしても沢山ご飯を食べる練習くらいか。

「とりあえず外に出てから探さない?」
「そうですねマスターの言う通りです」

 玄関まで進んだのでドアを開ける。仕切り直しした気分だな。
 このドアの先は確かに不安だ、だけど楽しみでもある。
 一体どんな景色が広がっているのかと言うことに。
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