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〈本編〉
サムとチビ《将来の話》3
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「僕が将来の事を考え始めたのは、ブチ兄ちゃんが、この家を出て行くことになった時なんだ」
「えっ、そうなの?サム兄ちゃん」
「うん、そうなんだよ、チビ」
サムが話した事にビックリしたのか、チビがサムに質問しました。
「それから、ちょっとずつ、僕に合う場所がないか調べてたんだ。ブチ兄ちゃんにも聞きに行ったりしてね」
「そうだったわね。最初、ブチから連絡を貰った時は私もビックリしたわ」
「そうだったの、アゴ母さん。チビにも、教えて欲しかったな~」
「それで、ブチ兄ちゃんやアゴ母さんに相談する様になったんだ。そうする内に、《人の国》に行ってみたいと思う様になったんだよ。そう思うと、《人の国》ではどんな事に会うか分からないから、この国にある図書室で《人の国》について調べる様になったかな」
チビはどうして《人の国》の事を調べるのか分からないので、サムに聞きます。
「どうして《人の国》について調べるの?サム兄ちゃん」
「あのね、《人の国》に住む人はこの国に帰ってくる人はほとんどいないんだ。だから、少しでも、あの国にのやってはいけない事は何かを調べないと怖くて、向こうに住むことは出来ないよ!だから、入念に調べてるんだよ」
「そうなんだね。だけど、どうして《人の国》へ行った人は帰って来ないの?サム兄ちゃん」
「それは、私が話すわね。サム」
「え、アゴ母さんが話してくれるの」
「ええ。……それはね、チビ。この国から《人の国》へ行く人はね、《人の国》へ出て行くと言うよりは養子にいく様なものなの。だから、あの国の人がこの国に連れて来てくれないと帰って来れないのよ。だから、帰って来る人がほとんどいないのよ。わかったかしら、チビ」
「う~ん、なんとなく」
「まだチビには早かったみたいね。だったら、サムが今調べているモノを教えて貰いなさい。いいわよね、サム」
「うん、いいよ。アゴ母さん。……チビも分からない事があったら、聞いてね」
アゴ母さんから《人の国》の事を少し聞いたけれど、チビにはよくわかりませんでした。アゴ母さんとサムはまだ小さいチビにはこの話は早かったと思い、アゴ母さんはサムに教える様に言いました。そしてサムは話を続けました。
「でもね、チビ。帰って来れないわけじゃあ無いんだよ。養子先の人がいい人だとこの国に連れて来てくれるんだよ。だから、心配は無いよ」
「そうなの?アゴ母さん」
「そうよ。余りにも遠くに養子に行ってしまうと無理だけどね」
「ふぅ~ん、そうなんだね。じゃぁ、サム兄ちゃんも帰って来れるんだね。……良かった!」
「チビ、それは分からないよ。遠くに行くかも分からないし……」
「え~、チビは近くがいいよ!……会えなくなっちゃうのはイ・ヤ・だよー」
「チビ、まだサムが《人の国》のどこに行くかは分からないの。それにまだ先の話よ」
「そうなの、サム兄ちゃん?」
「そうだよ、チビ。まだまだ先の話だよ。だから今、一生懸命に《人の国》の事を調べてるんだ」
「そっか。じゃぁ、チビに色々教えてね、サム兄ちゃん」
「わかったよ、チビ。……そうだね、チビが僕の様に悩まない様に教えてあげるよ。ニセイにも聞いた方がいいと思うから、チビはブチ兄ちゃんやニセイに相談しような。そうだ、チビは女の子だから、アゴ母さんに聞いた方がいいかもね!」
「そうね。女の子の事はサム達では分からないわね。……チビは私に相談した方が良いかもね」
「そうなんだね。じゃぁ、チビはアゴ母さんに相談する!」
サムとアゴ母さんは話を聞いたチビは、自分が女の子という事を忘れていた様で、サムに指摘されて、思い出した様でした。そして、何か相談する時はアゴ母さんに相談すると宣言して、サムとアゴ母さんに笑われていました。
「えっ、そうなの?サム兄ちゃん」
「うん、そうなんだよ、チビ」
サムが話した事にビックリしたのか、チビがサムに質問しました。
「それから、ちょっとずつ、僕に合う場所がないか調べてたんだ。ブチ兄ちゃんにも聞きに行ったりしてね」
「そうだったわね。最初、ブチから連絡を貰った時は私もビックリしたわ」
「そうだったの、アゴ母さん。チビにも、教えて欲しかったな~」
「それで、ブチ兄ちゃんやアゴ母さんに相談する様になったんだ。そうする内に、《人の国》に行ってみたいと思う様になったんだよ。そう思うと、《人の国》ではどんな事に会うか分からないから、この国にある図書室で《人の国》について調べる様になったかな」
チビはどうして《人の国》の事を調べるのか分からないので、サムに聞きます。
「どうして《人の国》について調べるの?サム兄ちゃん」
「あのね、《人の国》に住む人はこの国に帰ってくる人はほとんどいないんだ。だから、少しでも、あの国にのやってはいけない事は何かを調べないと怖くて、向こうに住むことは出来ないよ!だから、入念に調べてるんだよ」
「そうなんだね。だけど、どうして《人の国》へ行った人は帰って来ないの?サム兄ちゃん」
「それは、私が話すわね。サム」
「え、アゴ母さんが話してくれるの」
「ええ。……それはね、チビ。この国から《人の国》へ行く人はね、《人の国》へ出て行くと言うよりは養子にいく様なものなの。だから、あの国の人がこの国に連れて来てくれないと帰って来れないのよ。だから、帰って来る人がほとんどいないのよ。わかったかしら、チビ」
「う~ん、なんとなく」
「まだチビには早かったみたいね。だったら、サムが今調べているモノを教えて貰いなさい。いいわよね、サム」
「うん、いいよ。アゴ母さん。……チビも分からない事があったら、聞いてね」
アゴ母さんから《人の国》の事を少し聞いたけれど、チビにはよくわかりませんでした。アゴ母さんとサムはまだ小さいチビにはこの話は早かったと思い、アゴ母さんはサムに教える様に言いました。そしてサムは話を続けました。
「でもね、チビ。帰って来れないわけじゃあ無いんだよ。養子先の人がいい人だとこの国に連れて来てくれるんだよ。だから、心配は無いよ」
「そうなの?アゴ母さん」
「そうよ。余りにも遠くに養子に行ってしまうと無理だけどね」
「ふぅ~ん、そうなんだね。じゃぁ、サム兄ちゃんも帰って来れるんだね。……良かった!」
「チビ、それは分からないよ。遠くに行くかも分からないし……」
「え~、チビは近くがいいよ!……会えなくなっちゃうのはイ・ヤ・だよー」
「チビ、まだサムが《人の国》のどこに行くかは分からないの。それにまだ先の話よ」
「そうなの、サム兄ちゃん?」
「そうだよ、チビ。まだまだ先の話だよ。だから今、一生懸命に《人の国》の事を調べてるんだ」
「そっか。じゃぁ、チビに色々教えてね、サム兄ちゃん」
「わかったよ、チビ。……そうだね、チビが僕の様に悩まない様に教えてあげるよ。ニセイにも聞いた方がいいと思うから、チビはブチ兄ちゃんやニセイに相談しような。そうだ、チビは女の子だから、アゴ母さんに聞いた方がいいかもね!」
「そうね。女の子の事はサム達では分からないわね。……チビは私に相談した方が良いかもね」
「そうなんだね。じゃぁ、チビはアゴ母さんに相談する!」
サムとアゴ母さんは話を聞いたチビは、自分が女の子という事を忘れていた様で、サムに指摘されて、思い出した様でした。そして、何か相談する時はアゴ母さんに相談すると宣言して、サムとアゴ母さんに笑われていました。
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