5 / 22
①沙漠を行く
⑷オアシスにて2
しおりを挟む
オアシスについて、分担してテントを張ったり、食事を作ったりしていると、おしゃべりな女衆の声が聞こえたのか、助けた男が起き上がって、焦点のあっていない目を女衆に向けているのをラクダの世話をしていたダイが見つけて、声をかけた。
「おぉ~い、目が覚めたか?」
「えぇ」
話しかけたダイの方を向いた男は目を見開いて、ダイを見つめています。しかし、この状況がわからないようで、しきりに首を振っています。ダイは仕方がないので、状況を説明する事にしました。
「えぇと、言葉はわかるか?……あんたは沙漠で倒れてたんだが、覚えてるか?」
「はい、言葉はわかります。……それで僕は沙漠にいたんですか?」
「ああ、そうだ。俺たちの商隊が偶然通りかかって見つけたんだ」
「それはありがとうございます。それで僕はこれからどうなるのですか?」
「まあ、それはメシを食った後に話そう。商隊長が話を聞きたいそうだ」
「今すぐでなくて、いいのですか?」
「ああ、もうすぐメシの時間だしなぁ。腹が減ってちゃぁ、話も出来んだろう?」
「(クゥ)そうですね。お言葉に甘えさせてもらいます」
「あんたはここにいろよ。オレがメシを持ってきてやる。待ってろ!」
ダイは必要最低限の情報を沙漠で助けた男に言いました。そして、食事後に商隊長のヒロトが話を聞きたいと言っていた事も知らせた。男は言葉遣いが沙漠を行き来する商隊とは違う事に気が付き、これは面倒ごとを引き寄せたかと、頭を抱えた。
しかし、もう助けた後でもあるし、取り敢えず、食事をしてしまおうと思った。この感覚のことは男との話し合いをする前にヒロトに話さなければと思った。女衆は男を見て、キャキャとはしゃいでいる。まあ、確かに良い男だとダイも思ったが、ユーリとあまり違わない年ではないかと思い、女衆の側に行った。
すると女衆と一緒にいたユーリがダイに男の事を聞いてきた。これはマズイ事にならないか?と思ったので、ユーリにはまだ何も聞いていないと言って、側を離れた。
「ねぇ、ダイおじさん。あの人、大丈夫なの?」
「そうだな。まだ話を聞いてないから、なんともいえねぇなぁ」
「そうなんだ」
「そうだ、さっき目を覚まして、どうしてここにいるのか分かってなかったぞ」
「ふ~ん。じゃぁ、ダイおじさん、後であの人の事、教えてよ」
「それはオヤジのヒロトに聞きな」
「もう、ダイおじさんのケチ!!」
「仕方ないだろ?ヒロトが心配するんだから……。オレが教えるよりヒロトに聞いた方がいいに決まってるしな」
「わかったわ。お父さんに聞くわ」
「そうそう、それが無難だぞ。……そうだ、2人分、メシをもらっていくぞ」
「は~い、じゃぁね。ダイおじさん」
ダイは食事を2人分女衆からもらい、男のところに戻りました。男は周りを珍しそうに眺めていました。
そこへ食事を持ったダイが近づいてくるのがわかったのか、ダイの方に近づいて来て、自分の分の食事をダイから受け取り、今まで寝ていたところに戻って行った。
「おぉ~い、目が覚めたか?」
「えぇ」
話しかけたダイの方を向いた男は目を見開いて、ダイを見つめています。しかし、この状況がわからないようで、しきりに首を振っています。ダイは仕方がないので、状況を説明する事にしました。
「えぇと、言葉はわかるか?……あんたは沙漠で倒れてたんだが、覚えてるか?」
「はい、言葉はわかります。……それで僕は沙漠にいたんですか?」
「ああ、そうだ。俺たちの商隊が偶然通りかかって見つけたんだ」
「それはありがとうございます。それで僕はこれからどうなるのですか?」
「まあ、それはメシを食った後に話そう。商隊長が話を聞きたいそうだ」
「今すぐでなくて、いいのですか?」
「ああ、もうすぐメシの時間だしなぁ。腹が減ってちゃぁ、話も出来んだろう?」
「(クゥ)そうですね。お言葉に甘えさせてもらいます」
「あんたはここにいろよ。オレがメシを持ってきてやる。待ってろ!」
ダイは必要最低限の情報を沙漠で助けた男に言いました。そして、食事後に商隊長のヒロトが話を聞きたいと言っていた事も知らせた。男は言葉遣いが沙漠を行き来する商隊とは違う事に気が付き、これは面倒ごとを引き寄せたかと、頭を抱えた。
しかし、もう助けた後でもあるし、取り敢えず、食事をしてしまおうと思った。この感覚のことは男との話し合いをする前にヒロトに話さなければと思った。女衆は男を見て、キャキャとはしゃいでいる。まあ、確かに良い男だとダイも思ったが、ユーリとあまり違わない年ではないかと思い、女衆の側に行った。
すると女衆と一緒にいたユーリがダイに男の事を聞いてきた。これはマズイ事にならないか?と思ったので、ユーリにはまだ何も聞いていないと言って、側を離れた。
「ねぇ、ダイおじさん。あの人、大丈夫なの?」
「そうだな。まだ話を聞いてないから、なんともいえねぇなぁ」
「そうなんだ」
「そうだ、さっき目を覚まして、どうしてここにいるのか分かってなかったぞ」
「ふ~ん。じゃぁ、ダイおじさん、後であの人の事、教えてよ」
「それはオヤジのヒロトに聞きな」
「もう、ダイおじさんのケチ!!」
「仕方ないだろ?ヒロトが心配するんだから……。オレが教えるよりヒロトに聞いた方がいいに決まってるしな」
「わかったわ。お父さんに聞くわ」
「そうそう、それが無難だぞ。……そうだ、2人分、メシをもらっていくぞ」
「は~い、じゃぁね。ダイおじさん」
ダイは食事を2人分女衆からもらい、男のところに戻りました。男は周りを珍しそうに眺めていました。
そこへ食事を持ったダイが近づいてくるのがわかったのか、ダイの方に近づいて来て、自分の分の食事をダイから受け取り、今まで寝ていたところに戻って行った。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
彼を追いかける事に疲れたので、諦める事にしました
Karamimi
恋愛
貴族学院2年、伯爵令嬢のアンリには、大好きな人がいる。それは1学年上の侯爵令息、エディソン様だ。そんな彼に振り向いて欲しくて、必死に努力してきたけれど、一向に振り向いてくれない。
どれどころか、最近では迷惑そうにあしらわれる始末。さらに同じ侯爵令嬢、ネリア様との婚約も、近々結ぶとの噂も…
これはもうダメね、ここらが潮時なのかもしれない…
そんな思いから彼を諦める事を決意したのだが…
5万文字ちょっとの短めのお話で、テンポも早めです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる