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3. やっぱりスープは美味しい
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相変わらず放っておかれているリーナです。
何とか3歳になったとほぼ同時に液体レベルが3になった。レベルがあがるのが遅いと思う。けど、左手からスープがでるようになったのは嬉しい。ジーっと指を見ていると選択肢が出てきて目線で選ぶ事ができる。色々と試行錯誤して選択ができるようになった時は嬉しかった。ジーっと見て選択、と思うのではなく選択肢と強く言い切るように思うのがコツである。
リーナ・アプリコット。
3歳
加護『液体』レベル3
本当に久しぶりにおいしいコーンポタージュスープを飲んだ。美味しい。これって前にレストランで飲んだスープの味だ。コーンポタージュっていえばこの味が浮かんでくるからかもしれない。
だとしたら私の記憶にスープとか他の物も引きずられる? のかもしれない。
早速検証してみた。インスタントのコーンスープの味を思い浮かべてみると、確かに覚えている味で出てきた。
これはなるべく美味しい味を思い出さなくては! と心に誓った。
お肉のスープ、お魚のスープ、お野菜のポタージュに蜂蜜とお汁粉。
お野菜はジャガイモとカボチャとトウモロコシが選べるようになっていた。
なので、こっそり裏庭にお散歩に行っては持ち出した小さなマグカップで色々飲んでいる。バナナも変わらず豊富にあるし、もはや食べる物には困らない。
それにしても、一応お嬢様なはずなのにお父様もお母様も会いに来ないってどういうことなのかしら。来るのは乳母と侍女見習いの意地悪シオだけなのだけど……。それと、食事とかお洋服とか持ってくる侍女とシーツや洗濯物を取りに来る下女だけ。
だけど、家庭教師が付くことになった。やっとこの連中以外と会う事ができる。
と思ったらまた、家庭教師も乳母の知り合いだった。
「このお嬢様は私の言いなりだから、特に頑張って教育しなくても大丈夫よ。マナーだけ叩き込んでくれれば会食の時にばれなくて済むし、特に侍女の言う事はなんでも聞くように教育して頂戴」
「ええっ! 大丈夫なの? 旦那様と隷属の契約をかわしているんでしょう?」
「ふふっ。見ていて」
そういうと乳母はいきなり私を殴った。痛い……。
「どういうこと? 面倒みる子供は大切にしないといけないんじゃない?」
「どういうわけか、この子は何しても大丈夫なの。頑丈だし、あまり食べなくても平気なのよ。ひょっとして旦那様の子供じゃないのかもしれないわね。このお屋敷の事で頭に来ることがあったらこの子に当たるとスッとするわよ」
「旦那様の子じゃないから、危害を与えてもわからないって事か。でもそうしたら、加護も大したものが貰えないんじゃないの?」
「まあね。ただ、他の貴族の血を引いている可能性もあるからまだわからないわ」
「それにしても傷跡が残るとまずくない?」
「そうなのよね。だから、手加減しつつ叩かないといけないから困るわ。あまりひどくすると、ポーションを使わないといけないし、ポーションを使うと横流しができないし」
「あきれた。支給ポーションを横流ししているの? ポーション飲ませないと魔力が伸びないでしょう?」
「そうだけど、ポーションってけっこういい値段で売れるのよ。私も時々飲んでいるけど、お貴族様のポーションは市販品より飲みやすいわよ。シオも美味しいって喜んでいるわ」
「えー、私も飲みたい」
「ふふっ、いいわよ。安くしといてあげる。ただ、子供用だから量も少ないし大人が飲んでもたいして変わらないと思うけど」
「ポーションって貴重だもの。でもさ、お仕えしている子が良い加護もらえたほうがいいんじゃないの」
「この子の母親が『子沢山』の加護持ちでさ。また子供ができたのよ。どうも大月の日に孕んだらしくってそっちの乳母になろうかなって思っているの。この子は使用人にしてうちのギーガの嫁にすればいいし」
「あきれた。あんたも子供できていたの?」
「ばっちりよ。庶民は子供ができやすいからね」
「悪い女だね」
やっぱり乳母は悪女のようだった。
でも、どうして、乳母の思い通りに事が進むのかすごく不思議だ。何かあるのだろうか?
家庭教師、頼むからまともに授業をしてくれと切に願う。美味しいスープが心の癒しだよ。でも、ポーション? 私、出せるけど毎日飲んだほうがいいのだろうか?
何とか3歳になったとほぼ同時に液体レベルが3になった。レベルがあがるのが遅いと思う。けど、左手からスープがでるようになったのは嬉しい。ジーっと指を見ていると選択肢が出てきて目線で選ぶ事ができる。色々と試行錯誤して選択ができるようになった時は嬉しかった。ジーっと見て選択、と思うのではなく選択肢と強く言い切るように思うのがコツである。
リーナ・アプリコット。
3歳
加護『液体』レベル3
本当に久しぶりにおいしいコーンポタージュスープを飲んだ。美味しい。これって前にレストランで飲んだスープの味だ。コーンポタージュっていえばこの味が浮かんでくるからかもしれない。
だとしたら私の記憶にスープとか他の物も引きずられる? のかもしれない。
早速検証してみた。インスタントのコーンスープの味を思い浮かべてみると、確かに覚えている味で出てきた。
これはなるべく美味しい味を思い出さなくては! と心に誓った。
お肉のスープ、お魚のスープ、お野菜のポタージュに蜂蜜とお汁粉。
お野菜はジャガイモとカボチャとトウモロコシが選べるようになっていた。
なので、こっそり裏庭にお散歩に行っては持ち出した小さなマグカップで色々飲んでいる。バナナも変わらず豊富にあるし、もはや食べる物には困らない。
それにしても、一応お嬢様なはずなのにお父様もお母様も会いに来ないってどういうことなのかしら。来るのは乳母と侍女見習いの意地悪シオだけなのだけど……。それと、食事とかお洋服とか持ってくる侍女とシーツや洗濯物を取りに来る下女だけ。
だけど、家庭教師が付くことになった。やっとこの連中以外と会う事ができる。
と思ったらまた、家庭教師も乳母の知り合いだった。
「このお嬢様は私の言いなりだから、特に頑張って教育しなくても大丈夫よ。マナーだけ叩き込んでくれれば会食の時にばれなくて済むし、特に侍女の言う事はなんでも聞くように教育して頂戴」
「ええっ! 大丈夫なの? 旦那様と隷属の契約をかわしているんでしょう?」
「ふふっ。見ていて」
そういうと乳母はいきなり私を殴った。痛い……。
「どういうこと? 面倒みる子供は大切にしないといけないんじゃない?」
「どういうわけか、この子は何しても大丈夫なの。頑丈だし、あまり食べなくても平気なのよ。ひょっとして旦那様の子供じゃないのかもしれないわね。このお屋敷の事で頭に来ることがあったらこの子に当たるとスッとするわよ」
「旦那様の子じゃないから、危害を与えてもわからないって事か。でもそうしたら、加護も大したものが貰えないんじゃないの?」
「まあね。ただ、他の貴族の血を引いている可能性もあるからまだわからないわ」
「それにしても傷跡が残るとまずくない?」
「そうなのよね。だから、手加減しつつ叩かないといけないから困るわ。あまりひどくすると、ポーションを使わないといけないし、ポーションを使うと横流しができないし」
「あきれた。支給ポーションを横流ししているの? ポーション飲ませないと魔力が伸びないでしょう?」
「そうだけど、ポーションってけっこういい値段で売れるのよ。私も時々飲んでいるけど、お貴族様のポーションは市販品より飲みやすいわよ。シオも美味しいって喜んでいるわ」
「えー、私も飲みたい」
「ふふっ、いいわよ。安くしといてあげる。ただ、子供用だから量も少ないし大人が飲んでもたいして変わらないと思うけど」
「ポーションって貴重だもの。でもさ、お仕えしている子が良い加護もらえたほうがいいんじゃないの」
「この子の母親が『子沢山』の加護持ちでさ。また子供ができたのよ。どうも大月の日に孕んだらしくってそっちの乳母になろうかなって思っているの。この子は使用人にしてうちのギーガの嫁にすればいいし」
「あきれた。あんたも子供できていたの?」
「ばっちりよ。庶民は子供ができやすいからね」
「悪い女だね」
やっぱり乳母は悪女のようだった。
でも、どうして、乳母の思い通りに事が進むのかすごく不思議だ。何かあるのだろうか?
家庭教師、頼むからまともに授業をしてくれと切に願う。美味しいスープが心の癒しだよ。でも、ポーション? 私、出せるけど毎日飲んだほうがいいのだろうか?
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