138 / 183
派遣勇者の進む道
136.獣人達の敵
しおりを挟む
■獣人の村
~第12次派遣2日目~
「そいつらは硬い鱗で覆われた魔獣なのだが、近寄ると火を吐くのだ」
-ドラゴンか!? ひょっとして魔竜?
「そいつは大きくて空を飛ぶんですか!?」
「いや、空を飛ぶのは別の魔獣だ。火を吐く魔獣は我らより少し大きいぐらいじゃ」
虎系族長の話だとドラゴンや魔竜と言われるものではなさそうだ。
「走るのが早いんですか? 2本足で走ったりするとか?」
「いや、早くは無い。走れば逃げることは出来るのだが、空を飛ぶものと一緒に襲ってくるのだ」
-上と下からのコンビプレーなのか・・・
「空の魔獣はどんなヤツですか?」
「大きい。わしらを咥えて飛ぶことが出来る大きさだ」
-獣人を咥えてって、鳥のレベルじゃない大きさだ。
「みなさんは、どんな武器で戦っているんですか?」
「この村には武器は殆ど残っておらん。我らには武器を作る技が無いのだ。昔から残っている古い剣や槍では、あいつらの硬い鱗には歯が立たんから、見付ければすぐに逃げるようにしておる」
ドリーミアと切り離されて、獣人達の生活は退化しているという事か。俺達を囲んだ獣人も木の棒に石をくくり付けた槍だった。
「その魔獣は沢山いますか?」
「飛ぶやつは多くないが、火を吐くやつらはどんどん増えてきた」
「わかりました、私たちが明日からその魔獣を狩りに行きましょう。道案内を何人かつけてもらえますか?それと、条件が一つあります」
「条件? 条件とはなんじゃ?」
「あなた達が私たちを見て“奴隷”と言いましたけど、他にも同じような人間が居るんですね?」
「ああ、居る。霧の向こうに戻れなくなった者と海から流れてきた者たちがな」
「奴隷と言う事は、酷い扱いを受けているんですよね?」
「うむ・・・、手先が器用なので、こまごまとした下働きをさせておるが、言う事を聞けば殴ったりはせぬし、食事も与えておる」
「では、その人たちに自由を与えてください」
「自由と言うのは?」
「住む場所も何をするのも自分達で決めさせてください」
-ダッハッハ!
タケルの言葉を聞いて、狼族長達が笑い出した。
「構わぬぞ。自由にしてやろう。だが、何処にも行けぬだろう。我らでさえ村の外に出るのは危ないのだ。奴隷が外に出れば3日、いや1日も持たずに魔獣に食われるだろうよ」
「この村から出るかどうかは、その人達の判断ですから構いません。まずは、その人達に会わせてもらえますか?」
「良いだろう。ハンザよ、奴隷たちの・・・」
「それと、奴隷と言う呼び方もやめてください。“人”か“人間”と呼んでください」
「わかった、ならば人間たちの所へ連れて行ってやれ」
§
ハンザと呼ばれた獣人はタケル達を小屋が並んでいる海の近くに連れて行った。どの小屋も屋根に穴が開きボロボロになっている。見えている砂浜には木の船が引き上げられていて、獣人ではない人が船の横で網を繕っている。
「おい、お前ら! 中に居る奴隷は全員出て来い!」
「“奴隷”は無しです」
「お、おい、早く出て来ねえか!」
ハンザには、奴隷と呼んではいけない理由は判らないようだが、その言葉をつかうのはやめてくれた。
小屋の中からやせ細った人たちがぞろぞろと出てくる、全部で30人ぐらい居る。年齢層はバラバラだが、50前後の男女が多いように見える。服は何とか上半身から膝を覆える程度の布を巻きつけているだけだ。
「だれか、皆さんを取りまとめる人は居ませんか?」
「サムス、お前が奴隷の取りまとめ役だったな」
「はい、今度は何をすればよろしいんで?」
サムスと呼ばれた白髪交じりの男はハンザを怯えながらうかがっていた。横に居るタケル達に興味があるようだが、同じ奴隷だとは思って無いようだ。
「みなさんは、今日から奴隷では無くなりました。何をするのも自由です」
「自由? それはどういう意味でしょうか?」
「ここに住む獣人・・・、毛のある人達のいう事を聞く必要は無くなったという事です。村から出たければ出ても良いですし、この中で好きなように暮らしてください」
村人たちは顔を見合わせて、理解できない表情を浮かべている。生まれた時から奴隷扱いされていて、自由と言うのが判らないのかもしれない。
「じゃあ、船で出て行っても構わないんですか?」
後ろの方に居たタケルと同じぐらいの年の男が声を上げた。
「船はダメだ! あれは俺達の物だからな。持って行かせねぇ」
「・・・」
声を上げた男は俯いてしまった。
「船を作って出て行くことは出来ますよ?ですけど、船でどこに行くんですか?」
「俺達は船が難破して、ここに流れ着いたんだ。何とか国に戻りたいんだよ」
「国?ドリーミアから船でここに来たんですか?」
「いや、俺達はプロイツから来た。ここに流れ着いて5年程になるはずだ・・・」
-ドリーミアの外か! 結界を通り抜けて来られた外の人が居たんだ!
ハンザは船で出て行く話には興味を示さずに現実的な質問をタケルにしてきた。
「それで、私たちはこれからどうしたら・・・」
「ハンザさん、私はタケルと言います。皆さんは自由になりましたが、まずは食べる物が必要ですよね? 皆さんは漁をされるのですか?」
「ええ、私たちが漁で獲った魚を別けてもらったり、貝を探して食いつないでいます」
船は獣人の物で奴隷だから、漁での取り分も少ないのだろう。
「ハンザさん、これからは漁で獲ったものの半分は船に乗った人たちの物にしてください」
「そんなこと俺に言われても・・・」
「さっきの族長の所に行って、話をつけて来てください」
「ああ、わかったよ」
ハンザは不満そうだったが、走って立ち去った。
「獲れた魚の半分が皆さんの物なら食べて行けますか?」
「いや、それが・・・。今は沖まで出られないから、近場の小さな魚しか獲れないんだ」
「沖まで出られないのは何故ですか?」
「空を飛ぶヤツに見つかるからだよ」
なるほど、漁にも影響が出ているのか。
「漁は朝だけしか出ないんでしょうか?」
「いや、行けるなら夕方にも行きたいが・・・」
「じゃあ、今から沖に行きましょうよ」
日が沈むまではまだ2時間ぐらいありそうだった。時間の制約が無いなら、早めに食糧問題を解決したかった。タケル達の手持ち食料も明日ぐらいまでしか持ちそうにない。
「だけど、空のヤツが・・・」
「そっちは任せてくださいよ。私が焼き払いますから」
「焼き払う? それはどうやって?」
百聞は一見に如かずだな、見てもらう方が早い。
「上を向いてください。 -ファイアウィンド!-」
タケルは叫びながら槍を空に向かって突き上げた、穂先から炎の柱が上空へ伸びて行く。
-オォー!!
村人たちは感動、いや恐怖を覚えたようだ。何人かは逃げ出して小屋の中に入ってしまった。
「皆さんの事は、私が守りますから。行きましょう!」
奴隷から解放するためには手に職を持たせなければならない。これはそのための最初の一歩だとタケルは考えていた。
~第12次派遣2日目~
「そいつらは硬い鱗で覆われた魔獣なのだが、近寄ると火を吐くのだ」
-ドラゴンか!? ひょっとして魔竜?
「そいつは大きくて空を飛ぶんですか!?」
「いや、空を飛ぶのは別の魔獣だ。火を吐く魔獣は我らより少し大きいぐらいじゃ」
虎系族長の話だとドラゴンや魔竜と言われるものではなさそうだ。
「走るのが早いんですか? 2本足で走ったりするとか?」
「いや、早くは無い。走れば逃げることは出来るのだが、空を飛ぶものと一緒に襲ってくるのだ」
-上と下からのコンビプレーなのか・・・
「空の魔獣はどんなヤツですか?」
「大きい。わしらを咥えて飛ぶことが出来る大きさだ」
-獣人を咥えてって、鳥のレベルじゃない大きさだ。
「みなさんは、どんな武器で戦っているんですか?」
「この村には武器は殆ど残っておらん。我らには武器を作る技が無いのだ。昔から残っている古い剣や槍では、あいつらの硬い鱗には歯が立たんから、見付ければすぐに逃げるようにしておる」
ドリーミアと切り離されて、獣人達の生活は退化しているという事か。俺達を囲んだ獣人も木の棒に石をくくり付けた槍だった。
「その魔獣は沢山いますか?」
「飛ぶやつは多くないが、火を吐くやつらはどんどん増えてきた」
「わかりました、私たちが明日からその魔獣を狩りに行きましょう。道案内を何人かつけてもらえますか?それと、条件が一つあります」
「条件? 条件とはなんじゃ?」
「あなた達が私たちを見て“奴隷”と言いましたけど、他にも同じような人間が居るんですね?」
「ああ、居る。霧の向こうに戻れなくなった者と海から流れてきた者たちがな」
「奴隷と言う事は、酷い扱いを受けているんですよね?」
「うむ・・・、手先が器用なので、こまごまとした下働きをさせておるが、言う事を聞けば殴ったりはせぬし、食事も与えておる」
「では、その人たちに自由を与えてください」
「自由と言うのは?」
「住む場所も何をするのも自分達で決めさせてください」
-ダッハッハ!
タケルの言葉を聞いて、狼族長達が笑い出した。
「構わぬぞ。自由にしてやろう。だが、何処にも行けぬだろう。我らでさえ村の外に出るのは危ないのだ。奴隷が外に出れば3日、いや1日も持たずに魔獣に食われるだろうよ」
「この村から出るかどうかは、その人達の判断ですから構いません。まずは、その人達に会わせてもらえますか?」
「良いだろう。ハンザよ、奴隷たちの・・・」
「それと、奴隷と言う呼び方もやめてください。“人”か“人間”と呼んでください」
「わかった、ならば人間たちの所へ連れて行ってやれ」
§
ハンザと呼ばれた獣人はタケル達を小屋が並んでいる海の近くに連れて行った。どの小屋も屋根に穴が開きボロボロになっている。見えている砂浜には木の船が引き上げられていて、獣人ではない人が船の横で網を繕っている。
「おい、お前ら! 中に居る奴隷は全員出て来い!」
「“奴隷”は無しです」
「お、おい、早く出て来ねえか!」
ハンザには、奴隷と呼んではいけない理由は判らないようだが、その言葉をつかうのはやめてくれた。
小屋の中からやせ細った人たちがぞろぞろと出てくる、全部で30人ぐらい居る。年齢層はバラバラだが、50前後の男女が多いように見える。服は何とか上半身から膝を覆える程度の布を巻きつけているだけだ。
「だれか、皆さんを取りまとめる人は居ませんか?」
「サムス、お前が奴隷の取りまとめ役だったな」
「はい、今度は何をすればよろしいんで?」
サムスと呼ばれた白髪交じりの男はハンザを怯えながらうかがっていた。横に居るタケル達に興味があるようだが、同じ奴隷だとは思って無いようだ。
「みなさんは、今日から奴隷では無くなりました。何をするのも自由です」
「自由? それはどういう意味でしょうか?」
「ここに住む獣人・・・、毛のある人達のいう事を聞く必要は無くなったという事です。村から出たければ出ても良いですし、この中で好きなように暮らしてください」
村人たちは顔を見合わせて、理解できない表情を浮かべている。生まれた時から奴隷扱いされていて、自由と言うのが判らないのかもしれない。
「じゃあ、船で出て行っても構わないんですか?」
後ろの方に居たタケルと同じぐらいの年の男が声を上げた。
「船はダメだ! あれは俺達の物だからな。持って行かせねぇ」
「・・・」
声を上げた男は俯いてしまった。
「船を作って出て行くことは出来ますよ?ですけど、船でどこに行くんですか?」
「俺達は船が難破して、ここに流れ着いたんだ。何とか国に戻りたいんだよ」
「国?ドリーミアから船でここに来たんですか?」
「いや、俺達はプロイツから来た。ここに流れ着いて5年程になるはずだ・・・」
-ドリーミアの外か! 結界を通り抜けて来られた外の人が居たんだ!
ハンザは船で出て行く話には興味を示さずに現実的な質問をタケルにしてきた。
「それで、私たちはこれからどうしたら・・・」
「ハンザさん、私はタケルと言います。皆さんは自由になりましたが、まずは食べる物が必要ですよね? 皆さんは漁をされるのですか?」
「ええ、私たちが漁で獲った魚を別けてもらったり、貝を探して食いつないでいます」
船は獣人の物で奴隷だから、漁での取り分も少ないのだろう。
「ハンザさん、これからは漁で獲ったものの半分は船に乗った人たちの物にしてください」
「そんなこと俺に言われても・・・」
「さっきの族長の所に行って、話をつけて来てください」
「ああ、わかったよ」
ハンザは不満そうだったが、走って立ち去った。
「獲れた魚の半分が皆さんの物なら食べて行けますか?」
「いや、それが・・・。今は沖まで出られないから、近場の小さな魚しか獲れないんだ」
「沖まで出られないのは何故ですか?」
「空を飛ぶヤツに見つかるからだよ」
なるほど、漁にも影響が出ているのか。
「漁は朝だけしか出ないんでしょうか?」
「いや、行けるなら夕方にも行きたいが・・・」
「じゃあ、今から沖に行きましょうよ」
日が沈むまではまだ2時間ぐらいありそうだった。時間の制約が無いなら、早めに食糧問題を解決したかった。タケル達の手持ち食料も明日ぐらいまでしか持ちそうにない。
「だけど、空のヤツが・・・」
「そっちは任せてくださいよ。私が焼き払いますから」
「焼き払う? それはどうやって?」
百聞は一見に如かずだな、見てもらう方が早い。
「上を向いてください。 -ファイアウィンド!-」
タケルは叫びながら槍を空に向かって突き上げた、穂先から炎の柱が上空へ伸びて行く。
-オォー!!
村人たちは感動、いや恐怖を覚えたようだ。何人かは逃げ出して小屋の中に入ってしまった。
「皆さんの事は、私が守りますから。行きましょう!」
奴隷から解放するためには手に職を持たせなければならない。これはそのための最初の一歩だとタケルは考えていた。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
弓使いの成り上がり~「弓なんて役に立たない」と追放された弓使いは実は最強の狙撃手でした~
平山和人
ファンタジー
弓使いのカイトはSランクパーティー【黄金の獅子王】から、弓使いなんて役立たずと追放される。
しかし、彼らは気づいてなかった。カイトの狙撃がパーティーの危機をいくつも救った来たことに、カイトの狙撃が世界最強レベルだということに。
パーティーを追放されたカイトは自らも自覚していない狙撃で魔物を倒し、美少女から惚れられ、やがて最強の狙撃手として世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを失った【黄金の獅子王】は没落の道を歩むことになるのであった。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる