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Ⅱ-42 戦後処理 4
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■水の国 首都 セントレア 王宮
俺達は森の国からすぐに水の国の首都セントレアに移動して、イースタンの屋敷で捕虜の3人とサリナママ、リカルド、ショーイ、リンネを降ろした。 屋敷の執事に挨拶すると、なぜかハンスとイースタンが急用で出かけているということで嫌な予感がした。だが、俺は早く戦後処理を終えたかったので、詳しくは聞かずにそのまま水の国摂政のマクギーのところへサリナとミーシャを連れて向かうことにした。
だが、セントレア大教会の執務室にマクギーは不在だったので仕方なくイースタンのところへ戻ろうとしたが、建物を出たところで出会ったマクギーに水の国の王と女王の元へと反ば強引に案内された。これも嫌な予感がしたのだが、女王には会っておきたいと思っていたのと火の国の後始末を頼んでいる手前、会わないわけにもいかないと思ったので、気乗りせずにマクギーの馬車に乗ってそのまま王宮へ来てしまったのだ。
王宮は火の国の王宮ほど大きくはないが、大きな柱や壁に凝った彫刻のある壮麗な平屋の建物だった。もちろん大きくはないといっても、王宮としてはということだ。マクギーに連れて行かれるまま入った応接には、猫を抱えてほほ笑む王と俺をまっすぐに見つめる女王がソファーに座っていた。
「ほう、やはり女王にはわかっていたようだな・・・」
王様は笑顔を向けたままそう言ったが、女王は何をわかっていたのだろうか?
「こちらが、ランディからの紹介状を持っていたサトル殿、そしてこちらが勇者の一族のサリナ殿、そしてエルフの戦士ミーシャ殿です」
マクギーが俺達を紹介すると王は向かいのソファーに座るように促して、何か飲み物を持ってくるように部屋にいる侍従に命じた。その間も女王は一言も口を利かずに俺をじっと見ている。間違いなく俺だけを見つめているので、俺はここに来たことを早くも後悔し始めていた。
「それで、火の国との戦争はどうだったのだ?お前たちの計画通りに進んで勝ったのか?」
「計画通り・・・、結果的には上手くいきましたし、予想よりも早く終わったかもしれませんね」
俺は本音で答えた。もう少してこずるかもしれないと思っていたし、俺が知らない魔法や魔獣が現れる可能性を考慮していたが、サリナママの助けもあって王と大臣もあっさり捕えたし、ちびっ娘の半端ない魔法力で火の国の兵はあっという間に壊滅してしまっていた。
「ふむ、それは良かった。怪我が無かったのなら幸いだな」
「そうですね。運よく私の周りは怪我人が出ませんでした」
―だが、大勢の人間が死に、大怪我を負った・・・
「それで、捕えたと言う火の国の王はどうするつもりなのだ?」
「ええ、その件をマクギーさんと相談しようと思っていたところでしたが、どこかで一生閉じ込めておきたいと思っています」
「一生か・・・、中々に厳しいことを考えているのだな。いっそ殺してしまったほうが本人のためかもしれんぞ」
確かに俺は人を殺すことに抵抗があるから死刑にはしないが、牢獄で一生を過ごすぐらいなら、死刑のほうが本人には優しい刑罰なのかもしれない。
「確かにそうかもしれませんが、死罪にするのは気が進みません」
「では、私がお預かりします」
一言も口を利かなかった女王が俺から目をそらさずにいきなり口を開いた。
―なんか女王様が凄く怖いんですけど・・・
「預かる? 具体的にはどうされるのですか?」
「このドリーミア以外の場所でお預かりします。そうすれば、よからぬ力に取り込まれることもありません」
―そこって何処や! それによからぬ力?
「安心してください。私も殺すのは好きではありませんし、かといってこのドリーミアに置いておけば、また悪い力と結託しないとも限りません。長い間、王として君臨していたのですから、あの王を信じている臣下もまだ大勢いるはずです。そういった者たちが行くことのできない場所に連れていきます」
―考え方は良くわかるが・・・、それって何処!
「そこにはどうやって行くのですか?魔法か何かですか?」
「あなたはご存じではないのですか?」
「いえ、私は知りません。ここではない何処かと言われても・・・」
リカルドから聞いた話から想像するにリカルドの国―リーブルのような気がするが、一応知らないことになっているからな。
「そうですか、まあ良いでしょう。ええ、あなたの言う通り魔法で連れて行きます。そして、向こうの罪人などが働いている鉱山に入ってもらうことにしましょう」
―強制労働か!? それはまた厳しいことだが・・・、まあ良いか!
「そうですか、でしたらそれでお願いしましょう。いつ連れてくればいいでしょうか?」
「明日、連れて来てください。その時にはそちらのお嬢さんの母親と父親キアヌ・リカルドも一緒に連れてくるように」
女王はサリナのほうを見てほほ笑みながら、ママさんとリカルド(キアヌ?)を連れてくるようにと言う。
「明日ですか、それは構いませんが、どうしてサリナの両親を連れてくる必要があるんですか?」
サリナは俺と女王の顔を見比べながら不思議そうな表情を浮かべているだけだったが、俺は理由を聞いてからでなければ同行するつもりは無かった。この国が火の国と同じだとは思えないが、サリナママの力を欲しがる人間は大勢いるはずだからだ。リカルドはどうでも良かったが・・・。
「心配しているのですね。でしたら、マリアンヌに私が会いたいと言っていると伝えてみてください」
「女王はマリアンヌさんのことを知っているのですか?」
「ええ、昔に一度会ったことがあります。その時のマリアンヌはまだ子供で父親に連れられて教会でお会いしたのですよ。もちろんリカルドとも会ったことがあります」
―女王は教会の役割もある・・・、勇者一族は教会と結びついている・・・、なるほど・・・
「わかりました。本人が行くと言えば同行してもらいましょう」
「それで結構ですよ。ところで、あなたはこの先はどうするつもりですか?」
「俺、いや、私ですか? ちょっと血を見すぎたのでしばらく休むつもりです」
「そうですか、それは良い考えですね。この世界に来て、いろいろなことがあったと思いますが、この世界の神、アシーネ様はあなたとそちらの二人のお嬢さんを愛しています。この世界の良い面も感じてもらえると嬉しいです」
―この世界に来て・・・か、俺が異世界から来たと確信しているな・・・
「ええ、この国では色々ありましたが、良い仲間とも巡り合えましたし、良いこともたくさんありましたよ」
そう、いろいろ想定外の事に巻き込まれてきたが、振り返れば良い経験だったし、サリナやミーシャと一緒の冒険は楽しかった時のほうが多い・・・、独りぼっちの異世界よりは・・・、いや現世で友達がいない俺にとってはこの世界は最高かもしれない・・・、今は本当にそう思っている。
俺達は森の国からすぐに水の国の首都セントレアに移動して、イースタンの屋敷で捕虜の3人とサリナママ、リカルド、ショーイ、リンネを降ろした。 屋敷の執事に挨拶すると、なぜかハンスとイースタンが急用で出かけているということで嫌な予感がした。だが、俺は早く戦後処理を終えたかったので、詳しくは聞かずにそのまま水の国摂政のマクギーのところへサリナとミーシャを連れて向かうことにした。
だが、セントレア大教会の執務室にマクギーは不在だったので仕方なくイースタンのところへ戻ろうとしたが、建物を出たところで出会ったマクギーに水の国の王と女王の元へと反ば強引に案内された。これも嫌な予感がしたのだが、女王には会っておきたいと思っていたのと火の国の後始末を頼んでいる手前、会わないわけにもいかないと思ったので、気乗りせずにマクギーの馬車に乗ってそのまま王宮へ来てしまったのだ。
王宮は火の国の王宮ほど大きくはないが、大きな柱や壁に凝った彫刻のある壮麗な平屋の建物だった。もちろん大きくはないといっても、王宮としてはということだ。マクギーに連れて行かれるまま入った応接には、猫を抱えてほほ笑む王と俺をまっすぐに見つめる女王がソファーに座っていた。
「ほう、やはり女王にはわかっていたようだな・・・」
王様は笑顔を向けたままそう言ったが、女王は何をわかっていたのだろうか?
「こちらが、ランディからの紹介状を持っていたサトル殿、そしてこちらが勇者の一族のサリナ殿、そしてエルフの戦士ミーシャ殿です」
マクギーが俺達を紹介すると王は向かいのソファーに座るように促して、何か飲み物を持ってくるように部屋にいる侍従に命じた。その間も女王は一言も口を利かずに俺をじっと見ている。間違いなく俺だけを見つめているので、俺はここに来たことを早くも後悔し始めていた。
「それで、火の国との戦争はどうだったのだ?お前たちの計画通りに進んで勝ったのか?」
「計画通り・・・、結果的には上手くいきましたし、予想よりも早く終わったかもしれませんね」
俺は本音で答えた。もう少してこずるかもしれないと思っていたし、俺が知らない魔法や魔獣が現れる可能性を考慮していたが、サリナママの助けもあって王と大臣もあっさり捕えたし、ちびっ娘の半端ない魔法力で火の国の兵はあっという間に壊滅してしまっていた。
「ふむ、それは良かった。怪我が無かったのなら幸いだな」
「そうですね。運よく私の周りは怪我人が出ませんでした」
―だが、大勢の人間が死に、大怪我を負った・・・
「それで、捕えたと言う火の国の王はどうするつもりなのだ?」
「ええ、その件をマクギーさんと相談しようと思っていたところでしたが、どこかで一生閉じ込めておきたいと思っています」
「一生か・・・、中々に厳しいことを考えているのだな。いっそ殺してしまったほうが本人のためかもしれんぞ」
確かに俺は人を殺すことに抵抗があるから死刑にはしないが、牢獄で一生を過ごすぐらいなら、死刑のほうが本人には優しい刑罰なのかもしれない。
「確かにそうかもしれませんが、死罪にするのは気が進みません」
「では、私がお預かりします」
一言も口を利かなかった女王が俺から目をそらさずにいきなり口を開いた。
―なんか女王様が凄く怖いんですけど・・・
「預かる? 具体的にはどうされるのですか?」
「このドリーミア以外の場所でお預かりします。そうすれば、よからぬ力に取り込まれることもありません」
―そこって何処や! それによからぬ力?
「安心してください。私も殺すのは好きではありませんし、かといってこのドリーミアに置いておけば、また悪い力と結託しないとも限りません。長い間、王として君臨していたのですから、あの王を信じている臣下もまだ大勢いるはずです。そういった者たちが行くことのできない場所に連れていきます」
―考え方は良くわかるが・・・、それって何処!
「そこにはどうやって行くのですか?魔法か何かですか?」
「あなたはご存じではないのですか?」
「いえ、私は知りません。ここではない何処かと言われても・・・」
リカルドから聞いた話から想像するにリカルドの国―リーブルのような気がするが、一応知らないことになっているからな。
「そうですか、まあ良いでしょう。ええ、あなたの言う通り魔法で連れて行きます。そして、向こうの罪人などが働いている鉱山に入ってもらうことにしましょう」
―強制労働か!? それはまた厳しいことだが・・・、まあ良いか!
「そうですか、でしたらそれでお願いしましょう。いつ連れてくればいいでしょうか?」
「明日、連れて来てください。その時にはそちらのお嬢さんの母親と父親キアヌ・リカルドも一緒に連れてくるように」
女王はサリナのほうを見てほほ笑みながら、ママさんとリカルド(キアヌ?)を連れてくるようにと言う。
「明日ですか、それは構いませんが、どうしてサリナの両親を連れてくる必要があるんですか?」
サリナは俺と女王の顔を見比べながら不思議そうな表情を浮かべているだけだったが、俺は理由を聞いてからでなければ同行するつもりは無かった。この国が火の国と同じだとは思えないが、サリナママの力を欲しがる人間は大勢いるはずだからだ。リカルドはどうでも良かったが・・・。
「心配しているのですね。でしたら、マリアンヌに私が会いたいと言っていると伝えてみてください」
「女王はマリアンヌさんのことを知っているのですか?」
「ええ、昔に一度会ったことがあります。その時のマリアンヌはまだ子供で父親に連れられて教会でお会いしたのですよ。もちろんリカルドとも会ったことがあります」
―女王は教会の役割もある・・・、勇者一族は教会と結びついている・・・、なるほど・・・
「わかりました。本人が行くと言えば同行してもらいましょう」
「それで結構ですよ。ところで、あなたはこの先はどうするつもりですか?」
「俺、いや、私ですか? ちょっと血を見すぎたのでしばらく休むつもりです」
「そうですか、それは良い考えですね。この世界に来て、いろいろなことがあったと思いますが、この世界の神、アシーネ様はあなたとそちらの二人のお嬢さんを愛しています。この世界の良い面も感じてもらえると嬉しいです」
―この世界に来て・・・か、俺が異世界から来たと確信しているな・・・
「ええ、この国では色々ありましたが、良い仲間とも巡り合えましたし、良いこともたくさんありましたよ」
そう、いろいろ想定外の事に巻き込まれてきたが、振り返れば良い経験だったし、サリナやミーシャと一緒の冒険は楽しかった時のほうが多い・・・、独りぼっちの異世界よりは・・・、いや現世で友達がいない俺にとってはこの世界は最高かもしれない・・・、今は本当にそう思っている。
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