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Ⅰ-20 荒野の馬車
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■街道を走る馬車
レイジーの町を南に出ると荒れ果てた畑と荒地が交互に続く平原だった。
魔獣が多すぎて畑も耕せないのだろう。
俺は馬車の中ではなく屋根に乗せてもらうことにした。
なぜかと言うと、そのほうが楽しいような気がしたからだ。
サリナは少し不満そうだったが、俺が屋根に登ったのを確認してから馬車に乗り込んだ。
また、消えるとでも思ったのだろうか?
馬車の屋根は乗り心地が悪かったので、エアーマットの上に低反発マットを重ねて引いて座ったり寝転んだりしている。
この揺れなら車内でも尻が痛いだろう。
御者台にはリッグスが座って、二頭引きの馬へ手綱を入れて少しでも早く走らせようとしている。
時速10kmぐらいは出ているかもしれない。
退屈で何度か寝返りを打っていると、ようやく前方の茂みに何かいるのを見つけた。
双眼鏡で確認すると見たことの無い獣だが虎系だと思う。
距離は180メートルぐらいだったので、伏射の姿勢でHK433アサルトライフルを構えた。
50メートルまで近づいてドッドサイトを頭の下辺りに合わせてトリガーを絞り込む。
-パシューーーン!
サプレッサーで殺された発射音が耳元で鳴る。
ドットサイト内の虎は横倒しになった。
今回も命中だ!
「サトルさん! 何事ですか!?」
御者席のリッグスが発砲音に驚いている。
「前方に虎がいたので魔法で倒しておきました。このまま進んでください。これからも音がすると思いますが、気にせずに馬車を進めて下さい」
組合員証を見ると新しい獲物が書いてある。
-デザートティーガー 1
初物ゲット!
気を良くして、次の獲物を探すが見当たらない・・・やはり暇だ。
アサルトライフルを抱えて胡坐で前を見たまま座っていると、馬車の窓が開いてサリナが叫び出した。
「サトルさん! 後ろです!!」
後ろ・・・、虫だ!
おそらくサンドスコーピオンと言うやつだろう。土色のさそりっぽい虫-全長1メートルはある-が、はさみを振りながら馬車に追いつくスピードで迫ってきている。
俺は胡坐をかいたまま、アサルトライフルを肩にあててフルオートで発射した。
-バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!・・・・-
頭から背中に縦に銃弾の列が出来た
マガジンが空になったので、29発は叩き込めた。
サソリは何かの体液を道に流しながらピクリとも動かなくなった。
マガジンを交換して胡坐になり今度は後ろと横を見るようにする。
右に見つけた!
昨日の黒い虎だ。
30メートルぐらい向こうから馬車へ走ってきている。
-落ち着け、俺。
ドットサイトを覗いて短くトリガーを絞る
-バッ!バッ!バッ!-
-バッ!バッ!バッ!-
着弾して走るのはやめたが、まだ生きている。
-バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!バッ
トリガーを絞り切って残りの弾を全て叩きこんだ。
体から血しぶきが沢山出たから死んだだろう。
やっぱり屋根の上で良かった。
車内は銃の取り回しが難しいし、消音器があるとは言え発射音が気になる。
そして薬きょうが床にあふれ出すかもしれない。
ここなら心置きなく撃ちまくれる。
弾は無限に、いや正確には地球に存在した数だけストレージには入っているはずだ。
さすがに世界中の5.56mm弾やマガジンを全部使い切るのは不可能だから、上限を気にする必要はない。
何か数の少ないものだったら、使い切ることもあるのだろうか?
神とはそこまで仕様を詰めていなかったが、「この世界の全て」だから世界に一つのものは一つしかストレージに入っていないような気がする。
「サトルさん 左に!」
また、サリナが見つけてくれた。
俺が指示した通りに、馬車の中から魔獣探しを頑張ってくれている。
これなら着くまで結構楽しめそうだ。馬車旅も悪くなかったかもしれない。
せっかくだ、もう少し楽しませてもらうことにしよう。
■シグマの町
途中で2回休憩したが、レイジーの次の町シグマへは約6時間で到着した。
俺の戦果は組合員証によると・・・
デザートティーガー 4
ブラックーティーガー 8
サンドスコーピオン 2
サンドスネーク 1
サンドホーク 1
サンドホークはやばかった。
もう少し気づくのが遅れていたら、大ケガぐらいはしていただろう。
いきなり日が翳ったから空を見上げたら直上に翼長4メートルぐらいの鳥がいた。
条件反射で仰け反りながらアサルトライフルをフルオートで撃ったら、音で一旦逃げて行った。
しかし、屋根の上の俺をご馳走と思ったのだろう。
上空をぐるぐる回りながら段々高度を下げてきた。
俺は仰向けになってショットガンを構えて待った。
寝ている俺が動かないと判断したのか、一気に降下してきた!
-バーン!! -バーン!! -バーン!! -バーン!!
ポンプアクションをスライドさせながら、立て続けに散弾を叩き込む。
-グエッ! ゲィッ!
変な声を出しながら血まみれで地上に落ちたので、マガジンを付け替えてアサルトライフルで連射しておく。
結構楽しめたが、屋根の上も危険だという事がわかったので明日は馬車の中にいることにしよう。
バーンの町はここから馬車であと1日だ。
どんな町なのだろう?
そこでサリナとはお別れかもしれない、少し寂しいような気がするな。
しかし、新しいエモノが見つかるだろう。
そろそろ大きいやつもやってみたい・・・
レイジーの町を南に出ると荒れ果てた畑と荒地が交互に続く平原だった。
魔獣が多すぎて畑も耕せないのだろう。
俺は馬車の中ではなく屋根に乗せてもらうことにした。
なぜかと言うと、そのほうが楽しいような気がしたからだ。
サリナは少し不満そうだったが、俺が屋根に登ったのを確認してから馬車に乗り込んだ。
また、消えるとでも思ったのだろうか?
馬車の屋根は乗り心地が悪かったので、エアーマットの上に低反発マットを重ねて引いて座ったり寝転んだりしている。
この揺れなら車内でも尻が痛いだろう。
御者台にはリッグスが座って、二頭引きの馬へ手綱を入れて少しでも早く走らせようとしている。
時速10kmぐらいは出ているかもしれない。
退屈で何度か寝返りを打っていると、ようやく前方の茂みに何かいるのを見つけた。
双眼鏡で確認すると見たことの無い獣だが虎系だと思う。
距離は180メートルぐらいだったので、伏射の姿勢でHK433アサルトライフルを構えた。
50メートルまで近づいてドッドサイトを頭の下辺りに合わせてトリガーを絞り込む。
-パシューーーン!
サプレッサーで殺された発射音が耳元で鳴る。
ドットサイト内の虎は横倒しになった。
今回も命中だ!
「サトルさん! 何事ですか!?」
御者席のリッグスが発砲音に驚いている。
「前方に虎がいたので魔法で倒しておきました。このまま進んでください。これからも音がすると思いますが、気にせずに馬車を進めて下さい」
組合員証を見ると新しい獲物が書いてある。
-デザートティーガー 1
初物ゲット!
気を良くして、次の獲物を探すが見当たらない・・・やはり暇だ。
アサルトライフルを抱えて胡坐で前を見たまま座っていると、馬車の窓が開いてサリナが叫び出した。
「サトルさん! 後ろです!!」
後ろ・・・、虫だ!
おそらくサンドスコーピオンと言うやつだろう。土色のさそりっぽい虫-全長1メートルはある-が、はさみを振りながら馬車に追いつくスピードで迫ってきている。
俺は胡坐をかいたまま、アサルトライフルを肩にあててフルオートで発射した。
-バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!・・・・-
頭から背中に縦に銃弾の列が出来た
マガジンが空になったので、29発は叩き込めた。
サソリは何かの体液を道に流しながらピクリとも動かなくなった。
マガジンを交換して胡坐になり今度は後ろと横を見るようにする。
右に見つけた!
昨日の黒い虎だ。
30メートルぐらい向こうから馬車へ走ってきている。
-落ち着け、俺。
ドットサイトを覗いて短くトリガーを絞る
-バッ!バッ!バッ!-
-バッ!バッ!バッ!-
着弾して走るのはやめたが、まだ生きている。
-バッ!バッ!バッ!バッ!バッ!バッ
トリガーを絞り切って残りの弾を全て叩きこんだ。
体から血しぶきが沢山出たから死んだだろう。
やっぱり屋根の上で良かった。
車内は銃の取り回しが難しいし、消音器があるとは言え発射音が気になる。
そして薬きょうが床にあふれ出すかもしれない。
ここなら心置きなく撃ちまくれる。
弾は無限に、いや正確には地球に存在した数だけストレージには入っているはずだ。
さすがに世界中の5.56mm弾やマガジンを全部使い切るのは不可能だから、上限を気にする必要はない。
何か数の少ないものだったら、使い切ることもあるのだろうか?
神とはそこまで仕様を詰めていなかったが、「この世界の全て」だから世界に一つのものは一つしかストレージに入っていないような気がする。
「サトルさん 左に!」
また、サリナが見つけてくれた。
俺が指示した通りに、馬車の中から魔獣探しを頑張ってくれている。
これなら着くまで結構楽しめそうだ。馬車旅も悪くなかったかもしれない。
せっかくだ、もう少し楽しませてもらうことにしよう。
■シグマの町
途中で2回休憩したが、レイジーの次の町シグマへは約6時間で到着した。
俺の戦果は組合員証によると・・・
デザートティーガー 4
ブラックーティーガー 8
サンドスコーピオン 2
サンドスネーク 1
サンドホーク 1
サンドホークはやばかった。
もう少し気づくのが遅れていたら、大ケガぐらいはしていただろう。
いきなり日が翳ったから空を見上げたら直上に翼長4メートルぐらいの鳥がいた。
条件反射で仰け反りながらアサルトライフルをフルオートで撃ったら、音で一旦逃げて行った。
しかし、屋根の上の俺をご馳走と思ったのだろう。
上空をぐるぐる回りながら段々高度を下げてきた。
俺は仰向けになってショットガンを構えて待った。
寝ている俺が動かないと判断したのか、一気に降下してきた!
-バーン!! -バーン!! -バーン!! -バーン!!
ポンプアクションをスライドさせながら、立て続けに散弾を叩き込む。
-グエッ! ゲィッ!
変な声を出しながら血まみれで地上に落ちたので、マガジンを付け替えてアサルトライフルで連射しておく。
結構楽しめたが、屋根の上も危険だという事がわかったので明日は馬車の中にいることにしよう。
バーンの町はここから馬車であと1日だ。
どんな町なのだろう?
そこでサリナとはお別れかもしれない、少し寂しいような気がするな。
しかし、新しいエモノが見つかるだろう。
そろそろ大きいやつもやってみたい・・・
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