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『終わりから始まる物語』

第26話『無属性魔術師VS魔物の軍勢』

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「らぁぁッ!!!!」


 ―――あれから数十以上の魔物を屠ってきただろうか。エーヤは魔物の撃破数が五十を超えた時点でカウントを辞めていた。
 戦域である『大平原』、そこには膨大な数の魔物が存在しているというだけあって各所ごとに地面が擦り減っていたり、無造作に抉られた穴の様な地面が剥き出しになっている。戦いによる痕跡が、更には魔物を殺した際に生じた血液が所々目立つ。
 その上に、激しい戦闘が行われているのだから地形の現状維持など皆無だ。ここは最早、戦場である。


「――――」




 何度魔術で魔物を一掃しようと。
 何度得物を振るい魔物を斬り裂こうと。
 ―――何度高揚感による熱が全身を迸ろうとも、エーヤ自らが優位にある実感は全くなかった。



 とはいえども、久々に出す全力はとても心地良い。魔力を循環させた『具現の警棒ターン・ロッド』で迫り来る魔物の急襲を全て薙ぎ払っていく。
 上下左右、あらゆる角度からこちらを喰い潰さんとする殺意がにじり寄り、一つ一つに対応していくのではなく一気に横へ振るう。


「―――――――っしぃ!!!」


 地面を勢いよく蹴り出すと、未だ視界に広がる魔物の多くは健在。唸り声をよそに疾走するエーヤの耳朶には酷く耳障りな風の音がした。

 魔力循環による身体強化フィジカルアップの勢いを利用した刺突。オークに放たれたそれは魔力循環により切れ味を付与されている事により覆われた脂肪にあっさりと侵入していく。
 痛みに呻く悲鳴を聞き流すと、グリップを両手で強く握りしめながら高く跳び上がり斬り上げた。そして絶命。

 エーヤが空中で浮遊感を覚えると三匹のソニックウルフが躍り出る。ちらりと地面を見てみると地に着いた瞬間を狙うべくソニックウルフ・グランドウルフ・フレアウルフといった、属性の異なる計十匹のウルフ系の魔物が歯を剥き出しにして唸りながらこちらを射抜いていた。空中に襲いかかって来たのは、恐らく囮。
 しかしながら脅威なのは変わらず。視線を戻すと眼前まで近づいていた狼だが、こめかみ部分をグリップエンドで振り抜くと横っ飛びで吹き飛ばされる。ぱきり、と頭蓋骨が潰れる音を聴いた。
 エーヤは空中で体勢を立て直すと残りの二匹に魔力弾を打ち込み急所となる部分の肉を抉る。そして絶命。

 次に地面を見据えると今か今かと待ち構えているウルフの群れ。だが滞空している状態では自由に身動き出来る訳ではないので魔術を行使する。


「拘束せし身体の停滞、『クリア・バインド・チェーン』!」


 鈍色の鎖がそれぞれ魔物の周囲に散りばめられた各魔術陣サークルから勢いよく何重にも飛び出した。空気を裂きながら金属が擦れる音を鳴り響かせ魔物の身体に巻き付く。拘束から抜け出そうともがくがゆるむことはない。
 音もなく着地するとフィンガースナップを一つ構える。すると、未だ拘束されている魔物の身体がギチギチと音を立てた。原因は明白、鎖による拘束がさらに強烈な力を伴って魔物の身体に食い込んでいるからだ。淡々とした眼で見つめながらパチンッと鳴らすと―――、
 




 グチャリッッッッ!!!!!





 堪え切れなくなったその身体をねじり包むように鎖はその身を刻んでいく。不愉快で粘着質な音が連続して鳴り響くと、ウルフ系の魔物であっただろう肉塊や血がそこら中に飛び散る。鉄臭い匂いやその凄惨な光景などは気になどしない。いや、慣れてしまった・・・・・・・といった方が正しいか。


 その肉塊から視線を外すとすぐさま駆ける。魔物の下に滑り込み、跳躍し、掻い潜り、飛び退き、―――いずれもその中に切り裂くという動作は変わらず含まれていた。


 しかし、それでもエーヤの中にあったのは、焦り。


(やっべぇ………、思ったよりも体力の消耗が酷いな。しばらく本気で戦闘した事なんて無かったからなぁ)


 エーヤ・クリアノートの本質は『魔術師』である。決して戦場を駆け巡り相手を刃物で切り裂いたりなどする『剣士』『騎士』などではない。
 そもそもだ、エーヤの得物である『具現の警棒ターン・ロッド』はあくまで自衛用―――つまりは自己防衛手段の為に造られた特殊警棒の類である。故に、現在は魔力を覆いながら斬り裂いているがこの得物は相手を殺傷する為のモノではない。
 剣士の心得など無いにも等しく、構えや魔力操作、移動の際の足運びなどといった基礎中の基礎は嘗ての仲間から教わったものだ。
 エーヤの日々の訓練、戦闘といった積み重ねた技術。それらの経験が今のエーヤを形作っていた―――。


 だが今の問題は、エーヤが持ち得る体力がこの集団戦闘では大いにネックになっている事で。


 身体強化フィジカルアップをエーヤの全身に施しているといっても、それはあくまで身体能力を出来る限り引き上げるだけに過ぎない。激しい運動を持続させるためのスタミナ、つまりどうしても体力面は補えないのだ。
 魔物の数は減っているように見えず、疲労だけが少しずつ蓄積されていく。




 そういった懸念を抱えながら魔物と戦闘することしばらく。


 

「はぁ、はぁ………ッたく、何度も何度も倒してもキリがねぇ」
「あ、はは、どーしたのぉ? まさかもう手が尽きちゃったとか? もう少し抵抗して貰わないと遊び甲斐がないんだよねぇ」


 倒した合間を縫って激しく息を吐きながら呼吸を整えるエーヤに対し、若干の焦りとあざけりが含んだ声音でマストが呼びかける。
 そうしている間にも数体のゴブリンが連携を作り襲い掛かってきた。やや反応が遅れながらも上体を逸らしつつ、『具現の警棒ターン・ロッド』を振るう事で回避しながらも連続で斬り裂いていく。


「初めより動きが鈍ってきたんじゃない? ま、あれだけいた魔物を半分以上も殺したら当然だけどさ……………でも、本っ当にエーヤは僕の計画、もとい考えを打ち壊すのが好きみたいだね」
「あぁ? なんのことだ?」
「本人に自覚無し、か………。実を言うとね、エーヤが魔物に夢中になっている隙にその他の魔物ともだちに王国を襲撃するように頼んだんだよ。ざっと百匹……………いくら防壁があるといっても、僕が魔物を強化させた状態なら簡単に突破して国一つくらい落とせたはずなんだ!」


 マストが言っている内容は間違いではない。様々な脅威から王国を守る役割を持つ防壁だが、いくら対衝撃魔術陣が組み込まれているといっても大きめの石材を用いた工法で出来ている為その強度には不安が残る。百といった数の、ましてや強化されている魔物に外部から襲撃されたとしたらひとたまりもないだろう。


「でも出来なかった! ムカつくことに何か透明な壁に阻まれるようになっていたからねぇ。………何を、したんだ?」
「…………あぁ、分からないか? 本来お前が使う筈だっ・・・・・・・・・・た物を真似たんだが・・・・・・・・
「……………は? ま、さか………『空間遮断エリア・ボーダー』を、再現したっていうのか!? いつの間に………いや、問題はそこじゃない、あんな尋常じゃない数の魔物の進行を防いだってことは、だ。いったい、どれだけの範囲を…………」


 エーヤ・クリアノートだけが使える無属性魔術。『万能の力』と定義し、多少制限はあるがエーヤが願うのならば、想像の思うまま世界に干渉出来る特別な力。その力の一端を使い、空間を分断する効果を持つ魔具マギツールを模倣したという。
 マストによりぽつりと呟かれたその疑問は、一拍空いたのち解消される。


「そうだな………ここにいる全ての魔物、そんでもって転移した二人の場所を考えると………ここから十五キロくらいまでが効果範囲内だろうな。うん、俺もよく把握はしてねぇや」
「じゅ………………っ!」
「だが、これでエリディアル王国のことを気にせずに済むだろ? お前が何の恨みがあってそこまで王国に執着するのかは分かんねぇが、これでお前の道は閉ざした」


 ある意味、最終宣告ともとれる言葉をマストに投げかける。復讐、という明確な悪意を口にして襲撃を企てたのに何か理由があるのは明白。しかし、その復讐のために必要な工程を潰した今、もはやエーヤに戦う理由は何もない。

 魔物と戦闘していたときにエーヤが感じたもの―――マストの魔眼によって猛攻を強いられていた魔物だったが、次第に味方の亡骸が増えていくにつれその瞳には"怯え"が含まれるようになっていた。
 自然に生きる生物にとって『生き残る』という意思を捻じ伏せられ、戦闘本能も薄れているのにもかかわらず強制させるという行為は酷く屈辱的だ。そのことは、魔物を友達と呼ぶマストが一番理解しているだろう。
 しかし、己が目的を達する為に魔物を利用する形を選んだ。選んでしまった。


「諦めろマスト。何かを憎しむ感情は俺も分かっているつもりだ。でももう、これ以上お前を進ませるわけにはいかねぇんだよ」
「――――――」


 静かにマストを睨み付けるエーヤだが逆に睨み返される。その眼光は未だ諦めた様相を見せず、歯を食いしばりながら腹の底から声を絞り出す。


「黙れ、黙れよ………分かったような口をきいてさぁ! 憎しむ感情は分かる? 進ませる訳にはいかない?……………ハッ、薄っぺらい戯言だなぁ………! お前に僕が今まで味わってきた苦しみが分かってたまるものか! この力魔眼があるにも拘らず無知な村の連中からたった一人迫害され、碌な食べ物や衣服を与えて貰えず、鍵の掛かった木小屋でほぼ一日を過ごした!……………友達だと思っていた女の子に裏切られた挙句、心を通わせていた親友ともいえる魔物をあの王国の冒険者に無残にも殺されたりした」
「……………………」
「そんな冒険者風情・・・・・が、偉そうに僕の復讐の邪魔をするんじゃない!!!!」


 都市部を睨みつけながら抑えきれずに迸る、憎しみを前面に押し出した感情の吐露。その負の感情の余波を一身に受けたエーヤはマストが抱えるモノの一端に触れた気がした。


「それに僕はまだ負けちゃいない! まだまだこんなにたくさんの友達がエーヤを喰い殺そうと息を荒くしているんだ。もっと必死になって動き回って楽しませてよぉ!」
「チッ、あいつ……………!」


 マストの双眸には既に魔物の状態など映っていなかった。多くの魔物が倒されている現実を受け入れられず、いまだ王国を襲撃すれば自らの復讐を成し遂げられるという妄執に取りつかれている。
 ―――その先にあるのは、目的さえも失った空虚なモノだけだというのに。

 怪しげな光を瞳に宿しながら魔物の軍勢に指示を出すと、呻きにも似た獣声を発して再び猛攻を再開。
 僅かばかりに苛立ちを覚えるエーヤは巨大なオークが大振りに振るう棍棒を躱すと空中へとジャンプする。オークの頭部を優に超え、片手を斜め下に向けると数匹のオークへ魔術を構築する。


「無慈悲に降り注ぐ力の恵み!『暴虐の雨ドメスティックレイン!』」


 指向性の定まらない魔術が展開する。魔術陣から射出されるは何十何百もの銀色の鋭い針。
 オークたちは棍棒を盾にしようとするが針が射出される怒濤の勢いは治ることを知らない。多くの針が突き刺さるとオークは次第に絶命していった。
 そして周りをよく見るとその魔術の余波を受けたのか辺りのウルフ系、ゴブリンといった小型の魔物は多くが地に伏せていた。その数は、ざっと見て十匹。
 

「はぁ、はぁ、はぁ……………ッ! クソッ、そろそろ魔力も半分を過ぎた頃か…………?」


 周りに視線を走らせながらそう独りごちる。この戦闘において身を惜しまずに全力で魔物を屠ってきたエーヤだが、内心では冷や汗をかいていた。今抱える気掛かりなことは二つ。

 一つは「体力面」だ。これまで多くの魔物を相手にして戦ってきた訳だが、正直に言うと限界に近い。現在息切れを起こしている通り元々スタミナ、つまり持久力は多い方ではないのだ。久しく全力を出す機会が無かったということではあるのだが、これに関しては唯の言い訳にしかならない。懸念していた事態が次第に現れ始め、要は見通しが甘かった。
 二つ目はエーヤが抱える「魔力量」だ。勘違いしてはいけないのだが、その魔力量は他の一般魔術師と比較することが馬鹿らしく思えるほど莫大な多さ。『永遠の色調カラーズ・ネスト』の中でもその量では何倍も跳び抜けていたといえば分かりやすいだろうか。
 それだけ多ければ本来気にすることではないと思えるだろうが、エーヤが発動する魔術を絡めて考えればその考えはがらりと変わる。

 エーヤが扱うのは無属性魔術。唯でさえ他の魔術師が行使する通常の属性魔術より多く魔力を注ぎ込まなければならないというのに、想像イメージして発動しないといけないときた。つまり、思い描くイメージの質によって支払わなければいけない魔力対価は変動するのだ。
 魔術師が魔術を発動する為に一の魔力を使わなければ行けないのに対し、エーヤの場合、十の魔力を込めなければいけない。そんな燃費の悪さを抱えたままこれまで戦い抜いてきた。


(『過剰創造オーバーイメージ』の一線だけは超えずに済んではいるが、こんな状況じゃ先を読むのが難しいな………………っと!)


 足音だけでも十匹を超える数だと容易に判断できるゴブリンの波にやや圧倒されるが、『具現の警棒ターン・ロッド』を力強く握り締めるとそれに魔力を多めに載せながら構えて、一閃。
 刃となった白銀の魔力が物理性を持ちながらそれぞれの胴体、四肢、頭部といった部位を切り裂いていく。傷跡から血を吹き出しながら絶命していくのを見届けると、サイクロプスの掌に乗りながら遠方にいるマストが声を荒立てる。


「クソ………クソックソックソッ!!! なんで友だちなのに僕の気持ちに応えてくれないんだよ! お前らも冒険者どもには苦渋を味わってきただろう!? せっかく強化してあげたのにぃ、ここまで来たのにぃ! 僕は幸せになっちゃいけないのか!?」


 その様子は癇癪を起こして自らの感情を抑えることの出来ない幼子のよう。理性無き今、目の前の少年に正しくその答えを与える者など、ここには存在しない。


「ゆる……さないィ…………! 絶対に、絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に! 殺してやる……!」


 サイクロプスの掌から飛び降り、地面に足を付けて水色に煌めく瞳を揺らしながら明確に殺意を口にするマスト。
 怒りと憎しみだけがい交ぜになった表情で目線を向ける先にはエーヤただ一人。


 すると、













「見ーつけたっ」










 突如空間に響く、少女と聞きとれる華やかさに満ちた清涼さ。しかしながらそこには危うげな想いも込められていて。




 ―――少なくともエーヤにとって、その歓声は悪意にしか思えなかった。






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