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6話 お見合い
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「姫、一曲お相手願えますか?」
なんとなく予想はしてたけど、ダンスを真っ先に申し込んできたのは熊・・・もといトマール・デ・キリウス公爵だった。
きょうはチャイナスーツの腰を帯で絞ったようなデザインの黒い服に、黒い皮のロングブーツだ。
黒い布にはドラゴンのような紋章が銀糸で刺繍されているので、上品には見える。
よかった。
もしヨーロッパの宮廷貴族のような白いぴっちりタイツにオー・ド・ショースにハイヒールの靴なんて履いてこられたら、吹き出さずにいられる自信がなかった。
キリウスの手を取り、姫様らしく鷹揚に微笑んで
「喜んで」と私は応える。
ああ、私、この異世界にきて、人格は崩壊したわ。ウソも上手くなったわよ。
でも、はた、と重大なことを思い出した。今さらだけど。
私、ダンス踊れるの!?
現代でダンスなんか習ったことないよ!?記憶にあるのは高校の体育祭でフォークダンスを踊ったくらい・・・
あれもけっこうギリギリでやばかった。男子の足を思いっきり踏んづけてしまったし。
わざとじゃなかったんだけど、あの男子からは卒業までずっと避けられてしまった。
ぐるぐると過去の忌まわしい記憶が頭を駆け抜ける。
「あ、あのキリウス様」
キリウスが、なにか?というように片眉をあげた。
「私、その・・・病み上がりなので、足がもつれるかも」へたくそだった場合の予防線をしっかり張る。
黒ヒゲで口元はよく見えないけど、キリウスは笑ったようだった。
それがなんとなく少年っぽく見えた。
もしかして私が想像してるより歳は若いのかもしれない。そういえば、爵位を先月継いだばかりって、サラさんが言ってたっけ。
「大丈夫ですよ、レーナ姫。私がリードしますから」
熊ってば意外に紳士的なんだ。
「ダンスもできないのか」って呆れるかもしれないって思ってた。
泳げる人間は例え記憶を無くしても泳げるのだと聞いたことがある。ダンスの記憶は無くても体が覚えているみたいで、私の足は勝手に軽やかなステップを踏む。
レーナって、本当にこういうことは得意だったんだ。学力は小学生レベルだけど。
「病み上がりとは思えませんよ」キリウスの猛禽類のように鋭い青い瞳も、今は獲物を腹におさめて満足で穏やかな獣の瞳のようだ。
それに体育会系はダンスも上手い。しなやかな動きできちんと私をリードしてくれてる。少し見直した。
曲がスローになり、私はキリウスの肩に頭を預けて、ゆったりとした体の流れを楽しんだ。
相手が熊・・・(いや、人間だけど)とはいえ、こうやって異性の体に触れる機会なんて現代ではなかった私には新鮮だ。
踊りって気持ちいい。なんだか心がフワフワする。
心地よく、うっとりとした気分になっていたら
「姫はやはり私と結婚されるのがいい」
イキナリ頭上で声がして、私はキリウスを見上げた。
は?今、何て言った?
ヒゲで表情はよく分からないけど、冷めた青い目が不穏な色をはらんでいる。
「そのほうが貴女の身のためだ」
一瞬、頭が真っ白になって、それから怒りがこみ上げた。
え、なに、それ、私を脅してるの!?
私はステップを間違えたふりをして、思いっきり体重をかけてキリウスの足を踏んづけた。
「いっ!」
「あ~ら、ごめんあそばせ」
ギリギリと歯噛みが聞えそうなキリウスを放っておいて、私は王女用の席にスタコラサッサと戻った。
なんなの、アレ
私の身のためって、なに!?
結婚しなかったら何をするっていうのよ!
こんなとこで、脅迫とか、あり得ないでしょ!
あんな男とのダンスに一瞬でも気持ち良くなった自分が嫌になる。
私は驚愕と怒りのあまり頭がグルグルになって目の前も見えていなかったらしい。
「レーナ様」サラさんの声で我にかえる。
目の焦点が目の前に立っている男に合った。
「第2大臣ナビス・デ・ローマリウス公爵様です」サラさんがそっと耳打ちしてくれた。
目の前にいるのはメガネをかけた貧相なネズミ顔の小男だった。服はヨーロッパ宮廷貴族のモロそれで、似合わなすぎるのが吹き出すよりなんだか哀れになった。
・・・これが、大臣?
まるで、昔読んだ『妖怪漫画』の小ズルいネズミみたいだ。
男はおどおどと遠慮がちに手を差し出すと、私にダンスを申し込んだ。
並んで踊ってみると、身長は私より2,3センチは高い。小男だと思ったんだけど、キリウスが高すぎたせいで感覚がマヒしてしまったみたい。
顔はともかく、ダンスは上品でこなれている。相手の女性に対する配慮っていうのを感じる。
キリウスがリードならこの人はサポートって感じかな。
ずいぶん、年上っぽいけど。ま、親子ほど齢が違う結婚も昔は普通だったんだよね。
う~~~ん。
悪い人ではなさそうだけど・・・イケメンからはフルマラソンの距離くらい遠い。
でも、結婚は外見だけで決めるわけじゃないし・・・
踊りながら考えていると、
「兄上も大変なことでしたね」メガネのネズミ・・・ナビス・デ・ローマリウスが小声で言った。
「え?」
うん?今、兄上って言った?誰のこと?
「レーナちゃんも大けがで大変だったでしょう。ずっと心配してたんだよ」
んん?レーナちゃん?
王女・・・私をレーナちゃんと呼ぶこの人はいったい・・・
だれ?
「ナビス・デ・ローマリウス様は国王の弟君です」席に戻った私にサラさんがこともなく告げる。
は!?弟!?
あ、だから、姓がローマリウスなんだ。
でも、国王、私のお父さんの弟ってことは私の叔父さんってことでしょ?
「え!?叔父さんが婿候補!?・・・なんですか?」
「ご安心ください。ナビス様は独身でいらっしゃいます」
サラさん、問題点はそこじゃない。
「叔父さんって血縁者だよ・・・じゃなくて血縁者でしょう?結婚はできないのでは?」
私が何を言ってるのか分からないとでも言うように眉をひそめたサラさんは「国王の弟君との結婚がおかしいとでも?」
あ、そういうの、いい世界なんだ。
私のいた現代じゃ法律でも禁止されてたし、倫理的にも無理だったもんね。
ここじゃ当たり前のことでも、現代を生きてきた私にはどうしても享受すること、無理。
叔父との結婚は100%あり得ない。
あと、あんなおとなしい小動物みたいな人が国のナンバー3あたりにいるのも国王の弟なら納得。
ここじゃ、実力や能力よりも地位や財産で役職が決まるらしい。
ま、そんなの珍しいことじゃないけど。現代だって、いまだに社長以下、重要ポストは親族っていう同族会社あるもんね。
でも、叔父さんのお嫁さんになるなんて私には死んでも無理。
結婚相手候補者として、熊男と叔父が削除された。
さて、次の大臣は・・・・・
「第3大臣、カテリア・デ・ニーサル公爵様です」
サラさんに紹介されても私はしばらくお地蔵さまになって固まっていた。
青白い顔色に三白眼、不機嫌な顔をして目の前に立っているのは・・・パワハラ課長田所だった。
・・・じゃなくて、宮廷衣装に身を包んだ田所課長激似のおじさんだった。
もうカンベンして、という心の中の声を押し殺して私は田所課長似の男に微笑みかけた。
スゴイ精神力の自分を褒め称えたくなる。
ニーサル公爵はムッツリと無言で手を差し出した。私も固まった笑みのまま無言で手を取る。
ぎくしゃくと機械仕掛けの人形のようにダンスを踊りながら、私の頭には「無理無理無理無理」のフレーズがエンドレスに流れていた。
困ったことに似てるのは顔だけじゃないらしい。
始終ムッとした顔で「年下の小娘なんぞの機嫌がとれるか」オーラが体中に充満していた。
会社で部下を近寄らせない田所課長と同じ黒いオーラだ。
相手が拒否感満載なので、私も話かける気持ちなどない。
別におべっかとか使わなくていいけど・・・本当に私と結婚の意思があるのか甚だ疑問だ。
ある意味では、こんな美少女相手でもにやけない強固な性格だと判断できるけど。
でもまるで針のムシロの上で踊っているようにアチコチが痛い。
曲が終わって席に戻ったときには心底疲れ切っていた。
ダンスだけでこんなに生気を吸い取られるのだ。結婚したらどうなるか火を見るよりも明らか。
「ニーサル公爵様は残念ながら私になど興味はなさそうですわ」サラさんに悪態の一つもついてみたくなる。
「そうでございますね、ニーサル様はお金にしか興味がないかただという噂ですから」軽く応えられた。
私はガッツリ落胆した。
愛なんてなくったって、相手を好きじゃなくったって、お金のためなら結婚できるのか。
『政略結婚』
理屈ではわかってるけど、自分にそれができるのかわからなくなってきた。
結婚相手候補者として、熊男と叔父と田所課長が削除された。
こうなったら最後の一人に賭けるしかない。
なんとなく予想はしてたけど、ダンスを真っ先に申し込んできたのは熊・・・もといトマール・デ・キリウス公爵だった。
きょうはチャイナスーツの腰を帯で絞ったようなデザインの黒い服に、黒い皮のロングブーツだ。
黒い布にはドラゴンのような紋章が銀糸で刺繍されているので、上品には見える。
よかった。
もしヨーロッパの宮廷貴族のような白いぴっちりタイツにオー・ド・ショースにハイヒールの靴なんて履いてこられたら、吹き出さずにいられる自信がなかった。
キリウスの手を取り、姫様らしく鷹揚に微笑んで
「喜んで」と私は応える。
ああ、私、この異世界にきて、人格は崩壊したわ。ウソも上手くなったわよ。
でも、はた、と重大なことを思い出した。今さらだけど。
私、ダンス踊れるの!?
現代でダンスなんか習ったことないよ!?記憶にあるのは高校の体育祭でフォークダンスを踊ったくらい・・・
あれもけっこうギリギリでやばかった。男子の足を思いっきり踏んづけてしまったし。
わざとじゃなかったんだけど、あの男子からは卒業までずっと避けられてしまった。
ぐるぐると過去の忌まわしい記憶が頭を駆け抜ける。
「あ、あのキリウス様」
キリウスが、なにか?というように片眉をあげた。
「私、その・・・病み上がりなので、足がもつれるかも」へたくそだった場合の予防線をしっかり張る。
黒ヒゲで口元はよく見えないけど、キリウスは笑ったようだった。
それがなんとなく少年っぽく見えた。
もしかして私が想像してるより歳は若いのかもしれない。そういえば、爵位を先月継いだばかりって、サラさんが言ってたっけ。
「大丈夫ですよ、レーナ姫。私がリードしますから」
熊ってば意外に紳士的なんだ。
「ダンスもできないのか」って呆れるかもしれないって思ってた。
泳げる人間は例え記憶を無くしても泳げるのだと聞いたことがある。ダンスの記憶は無くても体が覚えているみたいで、私の足は勝手に軽やかなステップを踏む。
レーナって、本当にこういうことは得意だったんだ。学力は小学生レベルだけど。
「病み上がりとは思えませんよ」キリウスの猛禽類のように鋭い青い瞳も、今は獲物を腹におさめて満足で穏やかな獣の瞳のようだ。
それに体育会系はダンスも上手い。しなやかな動きできちんと私をリードしてくれてる。少し見直した。
曲がスローになり、私はキリウスの肩に頭を預けて、ゆったりとした体の流れを楽しんだ。
相手が熊・・・(いや、人間だけど)とはいえ、こうやって異性の体に触れる機会なんて現代ではなかった私には新鮮だ。
踊りって気持ちいい。なんだか心がフワフワする。
心地よく、うっとりとした気分になっていたら
「姫はやはり私と結婚されるのがいい」
イキナリ頭上で声がして、私はキリウスを見上げた。
は?今、何て言った?
ヒゲで表情はよく分からないけど、冷めた青い目が不穏な色をはらんでいる。
「そのほうが貴女の身のためだ」
一瞬、頭が真っ白になって、それから怒りがこみ上げた。
え、なに、それ、私を脅してるの!?
私はステップを間違えたふりをして、思いっきり体重をかけてキリウスの足を踏んづけた。
「いっ!」
「あ~ら、ごめんあそばせ」
ギリギリと歯噛みが聞えそうなキリウスを放っておいて、私は王女用の席にスタコラサッサと戻った。
なんなの、アレ
私の身のためって、なに!?
結婚しなかったら何をするっていうのよ!
こんなとこで、脅迫とか、あり得ないでしょ!
あんな男とのダンスに一瞬でも気持ち良くなった自分が嫌になる。
私は驚愕と怒りのあまり頭がグルグルになって目の前も見えていなかったらしい。
「レーナ様」サラさんの声で我にかえる。
目の焦点が目の前に立っている男に合った。
「第2大臣ナビス・デ・ローマリウス公爵様です」サラさんがそっと耳打ちしてくれた。
目の前にいるのはメガネをかけた貧相なネズミ顔の小男だった。服はヨーロッパ宮廷貴族のモロそれで、似合わなすぎるのが吹き出すよりなんだか哀れになった。
・・・これが、大臣?
まるで、昔読んだ『妖怪漫画』の小ズルいネズミみたいだ。
男はおどおどと遠慮がちに手を差し出すと、私にダンスを申し込んだ。
並んで踊ってみると、身長は私より2,3センチは高い。小男だと思ったんだけど、キリウスが高すぎたせいで感覚がマヒしてしまったみたい。
顔はともかく、ダンスは上品でこなれている。相手の女性に対する配慮っていうのを感じる。
キリウスがリードならこの人はサポートって感じかな。
ずいぶん、年上っぽいけど。ま、親子ほど齢が違う結婚も昔は普通だったんだよね。
う~~~ん。
悪い人ではなさそうだけど・・・イケメンからはフルマラソンの距離くらい遠い。
でも、結婚は外見だけで決めるわけじゃないし・・・
踊りながら考えていると、
「兄上も大変なことでしたね」メガネのネズミ・・・ナビス・デ・ローマリウスが小声で言った。
「え?」
うん?今、兄上って言った?誰のこと?
「レーナちゃんも大けがで大変だったでしょう。ずっと心配してたんだよ」
んん?レーナちゃん?
王女・・・私をレーナちゃんと呼ぶこの人はいったい・・・
だれ?
「ナビス・デ・ローマリウス様は国王の弟君です」席に戻った私にサラさんがこともなく告げる。
は!?弟!?
あ、だから、姓がローマリウスなんだ。
でも、国王、私のお父さんの弟ってことは私の叔父さんってことでしょ?
「え!?叔父さんが婿候補!?・・・なんですか?」
「ご安心ください。ナビス様は独身でいらっしゃいます」
サラさん、問題点はそこじゃない。
「叔父さんって血縁者だよ・・・じゃなくて血縁者でしょう?結婚はできないのでは?」
私が何を言ってるのか分からないとでも言うように眉をひそめたサラさんは「国王の弟君との結婚がおかしいとでも?」
あ、そういうの、いい世界なんだ。
私のいた現代じゃ法律でも禁止されてたし、倫理的にも無理だったもんね。
ここじゃ当たり前のことでも、現代を生きてきた私にはどうしても享受すること、無理。
叔父との結婚は100%あり得ない。
あと、あんなおとなしい小動物みたいな人が国のナンバー3あたりにいるのも国王の弟なら納得。
ここじゃ、実力や能力よりも地位や財産で役職が決まるらしい。
ま、そんなの珍しいことじゃないけど。現代だって、いまだに社長以下、重要ポストは親族っていう同族会社あるもんね。
でも、叔父さんのお嫁さんになるなんて私には死んでも無理。
結婚相手候補者として、熊男と叔父が削除された。
さて、次の大臣は・・・・・
「第3大臣、カテリア・デ・ニーサル公爵様です」
サラさんに紹介されても私はしばらくお地蔵さまになって固まっていた。
青白い顔色に三白眼、不機嫌な顔をして目の前に立っているのは・・・パワハラ課長田所だった。
・・・じゃなくて、宮廷衣装に身を包んだ田所課長激似のおじさんだった。
もうカンベンして、という心の中の声を押し殺して私は田所課長似の男に微笑みかけた。
スゴイ精神力の自分を褒め称えたくなる。
ニーサル公爵はムッツリと無言で手を差し出した。私も固まった笑みのまま無言で手を取る。
ぎくしゃくと機械仕掛けの人形のようにダンスを踊りながら、私の頭には「無理無理無理無理」のフレーズがエンドレスに流れていた。
困ったことに似てるのは顔だけじゃないらしい。
始終ムッとした顔で「年下の小娘なんぞの機嫌がとれるか」オーラが体中に充満していた。
会社で部下を近寄らせない田所課長と同じ黒いオーラだ。
相手が拒否感満載なので、私も話かける気持ちなどない。
別におべっかとか使わなくていいけど・・・本当に私と結婚の意思があるのか甚だ疑問だ。
ある意味では、こんな美少女相手でもにやけない強固な性格だと判断できるけど。
でもまるで針のムシロの上で踊っているようにアチコチが痛い。
曲が終わって席に戻ったときには心底疲れ切っていた。
ダンスだけでこんなに生気を吸い取られるのだ。結婚したらどうなるか火を見るよりも明らか。
「ニーサル公爵様は残念ながら私になど興味はなさそうですわ」サラさんに悪態の一つもついてみたくなる。
「そうでございますね、ニーサル様はお金にしか興味がないかただという噂ですから」軽く応えられた。
私はガッツリ落胆した。
愛なんてなくったって、相手を好きじゃなくったって、お金のためなら結婚できるのか。
『政略結婚』
理屈ではわかってるけど、自分にそれができるのかわからなくなってきた。
結婚相手候補者として、熊男と叔父と田所課長が削除された。
こうなったら最後の一人に賭けるしかない。
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