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21話 魔道具組合
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組合からそう遠くない場所に魔道具組合があった。薬師組合より大きくはなくかと言って小さいわけでもない。そんな魔道具組合は黒を基調とした建物のためか周囲からだいぶ浮いている。所々装飾品が這わせてあって如何にも怪しい雰囲気を醸し出していた。
ドアノブを鳴らしながら建物に入ったティカの目は、次第に驚きと好奇心で輝く瞳へ変わった。建物内は外装と同じく黒を基調とした内装で、所狭しに棚が配置され魔道具と思われる道具の数々が展示されていた。棚に置かれている魔道具にはそれぞれ値札がぶら下がっていて、組合というより販売店といった方が正確だろう。
組合の入り口、一際目に付くバスケット一杯に山積みになった様々な色の魔石。これでもかと積み上げられ今にも零れ落ちそうだ。
商品にぶつからないようにティカは受付がある場所へと移動した。受付には妙齢の女性が椅子に座って本を読んでいた。
「すみません、ここって魔道具を販売してるんですよね?」
「ええ、魔道具も販売してますよ。本日は魔道具を見に?」
「はい、魔法鞄とかって扱ってたりしますか?」
「ごめんなさいね、魔法鞄は扱ってないの。魔法袋ならありますけど……もしどうしても魔法鞄が欲しいなら隣町のルセアに行くと扱っているお店があると思うわ」
やはりというか組合では魔法鞄を扱ってはいないようだった。隣町のルセアならイルダ辺境伯のお膝下であるキリアとの交易路も開かれているので豊富な品々が集まる。魔道具を専門に扱う店もあるようで魔法袋も恐らく取引しているだろうと。
ちなみにだが参考までに魔法袋の値段を聞いてみると、一番安くて金貨十二枚。高い物だと金貨二十五枚もするそうだ。一般的な人の半年分くらいの値段だ。
目当ての物がなかったが様々な魔道具を見る機会など今までなかったティカは、興味津々で棚に置かれている魔道具を覗き込んでいる。
「そうですか…………魔道具を見てもいいですか?」
「ええ、かまわないわ。でも下手に触ると防犯装置が鳴る物もから気を付けてね」
「わかりました!」
値札の下がる魔道具たちをひとつひとつ見ていくティカ。握りこむと暖かくなる石、切れ味が落ちにくい包丁、魔力を注ぐと光るランプなど色んな魔道具が飾られていた。
面白い物だと水属性の応用である氷属性が付与された石は、魔力を注ぐと冷たくなる。使用用途は温くなった飲み物に入れればキンキンに冷えるとあり、紹介文にお酒との相性がよいと書かれていた。
他には、風属性を付与された腕輪。流風の魔法が付与されていて、身に着けると体の表面をそよ風が流れ汗の発汗を促してくれたり、防虫作用もあるとか。
一通り見て回った感想が日常の便利アイテムといった印象だ。これといって稀少な物や凄い魔道具というものは扱ってないようだ。
それでもあれこれ見ていくうち、ティカが一つの魔道具を手に取った。紹介文には『名称:氷手の指輪。効果:魔力を注ぐと掌から拳大の氷を作ることができる。魔力の量によって氷の大きさが変化する』とあった。
掌から氷を作り出すことができる魔道具だ。これがあれば宿屋で出される温い果実酒が冷えた飲み物へ早変わり。それ以外にも調合で薬剤を冷やしたり凍らしたりする機会があるのでティカにとっては、便利な魔道具に違いない。お値段は金貨二枚ほど。現在ティカなら問題なく手に入れることができる金額だ。
「氷手の指輪かぁかなり便利な魔道具かも……こっちは魔蓄の指輪に、攪拌の指輪まである」
どうやらティカが見ている棚は、指輪系統が置かれた棚だった。十種類ほど並べられた指輪にティカが便利と感じる物がいくつかあった。氷手の指輪は紹介文通り氷が作り出される魔道具。魔蓄の指輪は、指輪に魔力を蓄積しておける魔道具。攪拌の指輪は、文字通り風魔法で攪拌することができる魔道具だ。どれも調合の際に役立つ便利アイテムである。
どの指輪も一つ金貨二枚の値札が置かれ、ティカは三つの指輪を手に取って受付へ持っていた。
「すみません、これもらえますか?」
「ええ、各魔道具が金貨2枚なので合計金貨6枚になります」
「はい、これで」
「金貨6枚確認しました、毎度ありがとうございます。またご入用がありましたら当組合を御贔屓に」
「ありがとうございます! それと一つ質問があるんですけど、魔道具組合ってことは組合登録とかってできるんですか?」
受付の女性に金貨六枚を渡して三つの指輪を購入した。それぞれ購入した指輪を鞄へ仕舞い、ティカが気になっていたことを質問した。組合というからには会員登録できるのかと。
「ええ、もちろんできますよ。お客様は魔道具をお造りになられるんですか?」
「いえ、魔道具は作れませんけど……将来的に魔道具も作ってみようかと思いまして」
「なるほど、それでしたら魔道具を販売する段階での登録をお勧めします。というのも組合は年会費がいくらか発生しますので、利用しない期間は無駄になります。でしのでお客様が魔道具を作られてお売りになる際に登録するのがよいかと。まあ、それでもいいのでしたら登録はできますよ」
ということらしい。組合登録後も年会費が発生するそうなので女性が言うように利用する段階で登録する方が理にかなっている。
ティカもそう思ったのかその場では登録せず魔道具組合を後にした。
魔道具組合を後にしたティカは、早速先ほど購入した魔道具を試すべく自室に戻った。が、途中で必要な材料がないことに気づいて町を飛び出して森へ向かった。いそいそと森の中を歩き回って今後使えそうな薬草を採取した。大概は解毒薬に必要な素材が中心だ。
急いで材料を採取したティカは、今度こそ宿屋に戻った。
「ふぅー、結構採取に時間かかったなぁもうじき夜だよ……そう言えば今日の小鳥の宿の夕飯はなんだろ。ふふふ、さっそくこれを試してみよう」
鞄から一つの指輪を左手の人差し指に身に着けた。勿論、装着したのは氷手の指輪だ。これで宿屋の微温った果実酒を冷やす寸法だ。さて、金貨二枚を出してまで買った魔道具にそれだけの価値があるのかいざ実践だ。
採取した薬草を手際よくテーブルに並べて食堂へ向かった。
食堂に降りたティカは、エマへ夕食代の大銅貨一枚を渡して本日の小魚定食と果実酒を受け取った。食堂の端っこを占拠すると早速、氷手の指輪を果実酒の前へ突き出して魔力を注ぐ。すると人差し指に嵌めている指輪の先端に小さな氷が出現した。更に魔力を注いでいくと徐々に氷が大きくなる。木製のジョッキに入る大きさまで魔力を注いだ後、氷をジョッキへ落とした。暫くして果実酒を飲むと冷えた果実酒が喉を通って体を冷やしていく。
「ぷはぁ……これは美味しい。すみませーん、果実酒お代わりお願いします!」
「はーい!」
追加の酒を頼んで再度氷を投入。冷えるまでの間に小魚の塩焼きに手を伸ばした。塩っけのきいた小魚をパクリと頬張り、魚介スープとパンもいただく。流石は、料理に定評のある小鳥の宿だ。どれもちょうどいい味付けでティカを満足させる。
塩っ気の合間に冷えた果実酒。美味しいわけがない組み合わせに果実酒が進む。小魚定食だけじゃ物足りなかったらしく、つまみの串焼きを注文して冷えた果実酒と共にいただいた。
ジョッキ六杯目にして視界がぐにゃりと歪み始め、夕食に満足したティカは覚束ない足取りで自室へ何とか戻った。夕食後、他の魔道具も試そうと考えていたがその気は当の昔に消え去った。
ふらふらした足取りでベッドまで辿り着くと倒れるように眠り込む。よほど冷えた果実酒がよかったと見える。普段なら果実酒三杯程度までしか飲まないのに今日は倍の六杯。普段見せないティカの姿にエマも心配そうにしていたくらいだ。
スースー寝息を立て始めるティカ。
明日からは森で採取した薬草を使って薬剤を調合するだろうし、魔道具組合で買った残りの魔道具の試運転も残っている。現在の様子だと起きるのはお昼ごろになるのだろうか。
明日のことなどお構いなしに穏やかな寝息をたて眠りにつくティカであった。
ドアノブを鳴らしながら建物に入ったティカの目は、次第に驚きと好奇心で輝く瞳へ変わった。建物内は外装と同じく黒を基調とした内装で、所狭しに棚が配置され魔道具と思われる道具の数々が展示されていた。棚に置かれている魔道具にはそれぞれ値札がぶら下がっていて、組合というより販売店といった方が正確だろう。
組合の入り口、一際目に付くバスケット一杯に山積みになった様々な色の魔石。これでもかと積み上げられ今にも零れ落ちそうだ。
商品にぶつからないようにティカは受付がある場所へと移動した。受付には妙齢の女性が椅子に座って本を読んでいた。
「すみません、ここって魔道具を販売してるんですよね?」
「ええ、魔道具も販売してますよ。本日は魔道具を見に?」
「はい、魔法鞄とかって扱ってたりしますか?」
「ごめんなさいね、魔法鞄は扱ってないの。魔法袋ならありますけど……もしどうしても魔法鞄が欲しいなら隣町のルセアに行くと扱っているお店があると思うわ」
やはりというか組合では魔法鞄を扱ってはいないようだった。隣町のルセアならイルダ辺境伯のお膝下であるキリアとの交易路も開かれているので豊富な品々が集まる。魔道具を専門に扱う店もあるようで魔法袋も恐らく取引しているだろうと。
ちなみにだが参考までに魔法袋の値段を聞いてみると、一番安くて金貨十二枚。高い物だと金貨二十五枚もするそうだ。一般的な人の半年分くらいの値段だ。
目当ての物がなかったが様々な魔道具を見る機会など今までなかったティカは、興味津々で棚に置かれている魔道具を覗き込んでいる。
「そうですか…………魔道具を見てもいいですか?」
「ええ、かまわないわ。でも下手に触ると防犯装置が鳴る物もから気を付けてね」
「わかりました!」
値札の下がる魔道具たちをひとつひとつ見ていくティカ。握りこむと暖かくなる石、切れ味が落ちにくい包丁、魔力を注ぐと光るランプなど色んな魔道具が飾られていた。
面白い物だと水属性の応用である氷属性が付与された石は、魔力を注ぐと冷たくなる。使用用途は温くなった飲み物に入れればキンキンに冷えるとあり、紹介文にお酒との相性がよいと書かれていた。
他には、風属性を付与された腕輪。流風の魔法が付与されていて、身に着けると体の表面をそよ風が流れ汗の発汗を促してくれたり、防虫作用もあるとか。
一通り見て回った感想が日常の便利アイテムといった印象だ。これといって稀少な物や凄い魔道具というものは扱ってないようだ。
それでもあれこれ見ていくうち、ティカが一つの魔道具を手に取った。紹介文には『名称:氷手の指輪。効果:魔力を注ぐと掌から拳大の氷を作ることができる。魔力の量によって氷の大きさが変化する』とあった。
掌から氷を作り出すことができる魔道具だ。これがあれば宿屋で出される温い果実酒が冷えた飲み物へ早変わり。それ以外にも調合で薬剤を冷やしたり凍らしたりする機会があるのでティカにとっては、便利な魔道具に違いない。お値段は金貨二枚ほど。現在ティカなら問題なく手に入れることができる金額だ。
「氷手の指輪かぁかなり便利な魔道具かも……こっちは魔蓄の指輪に、攪拌の指輪まである」
どうやらティカが見ている棚は、指輪系統が置かれた棚だった。十種類ほど並べられた指輪にティカが便利と感じる物がいくつかあった。氷手の指輪は紹介文通り氷が作り出される魔道具。魔蓄の指輪は、指輪に魔力を蓄積しておける魔道具。攪拌の指輪は、文字通り風魔法で攪拌することができる魔道具だ。どれも調合の際に役立つ便利アイテムである。
どの指輪も一つ金貨二枚の値札が置かれ、ティカは三つの指輪を手に取って受付へ持っていた。
「すみません、これもらえますか?」
「ええ、各魔道具が金貨2枚なので合計金貨6枚になります」
「はい、これで」
「金貨6枚確認しました、毎度ありがとうございます。またご入用がありましたら当組合を御贔屓に」
「ありがとうございます! それと一つ質問があるんですけど、魔道具組合ってことは組合登録とかってできるんですか?」
受付の女性に金貨六枚を渡して三つの指輪を購入した。それぞれ購入した指輪を鞄へ仕舞い、ティカが気になっていたことを質問した。組合というからには会員登録できるのかと。
「ええ、もちろんできますよ。お客様は魔道具をお造りになられるんですか?」
「いえ、魔道具は作れませんけど……将来的に魔道具も作ってみようかと思いまして」
「なるほど、それでしたら魔道具を販売する段階での登録をお勧めします。というのも組合は年会費がいくらか発生しますので、利用しない期間は無駄になります。でしのでお客様が魔道具を作られてお売りになる際に登録するのがよいかと。まあ、それでもいいのでしたら登録はできますよ」
ということらしい。組合登録後も年会費が発生するそうなので女性が言うように利用する段階で登録する方が理にかなっている。
ティカもそう思ったのかその場では登録せず魔道具組合を後にした。
魔道具組合を後にしたティカは、早速先ほど購入した魔道具を試すべく自室に戻った。が、途中で必要な材料がないことに気づいて町を飛び出して森へ向かった。いそいそと森の中を歩き回って今後使えそうな薬草を採取した。大概は解毒薬に必要な素材が中心だ。
急いで材料を採取したティカは、今度こそ宿屋に戻った。
「ふぅー、結構採取に時間かかったなぁもうじき夜だよ……そう言えば今日の小鳥の宿の夕飯はなんだろ。ふふふ、さっそくこれを試してみよう」
鞄から一つの指輪を左手の人差し指に身に着けた。勿論、装着したのは氷手の指輪だ。これで宿屋の微温った果実酒を冷やす寸法だ。さて、金貨二枚を出してまで買った魔道具にそれだけの価値があるのかいざ実践だ。
採取した薬草を手際よくテーブルに並べて食堂へ向かった。
食堂に降りたティカは、エマへ夕食代の大銅貨一枚を渡して本日の小魚定食と果実酒を受け取った。食堂の端っこを占拠すると早速、氷手の指輪を果実酒の前へ突き出して魔力を注ぐ。すると人差し指に嵌めている指輪の先端に小さな氷が出現した。更に魔力を注いでいくと徐々に氷が大きくなる。木製のジョッキに入る大きさまで魔力を注いだ後、氷をジョッキへ落とした。暫くして果実酒を飲むと冷えた果実酒が喉を通って体を冷やしていく。
「ぷはぁ……これは美味しい。すみませーん、果実酒お代わりお願いします!」
「はーい!」
追加の酒を頼んで再度氷を投入。冷えるまでの間に小魚の塩焼きに手を伸ばした。塩っけのきいた小魚をパクリと頬張り、魚介スープとパンもいただく。流石は、料理に定評のある小鳥の宿だ。どれもちょうどいい味付けでティカを満足させる。
塩っ気の合間に冷えた果実酒。美味しいわけがない組み合わせに果実酒が進む。小魚定食だけじゃ物足りなかったらしく、つまみの串焼きを注文して冷えた果実酒と共にいただいた。
ジョッキ六杯目にして視界がぐにゃりと歪み始め、夕食に満足したティカは覚束ない足取りで自室へ何とか戻った。夕食後、他の魔道具も試そうと考えていたがその気は当の昔に消え去った。
ふらふらした足取りでベッドまで辿り着くと倒れるように眠り込む。よほど冷えた果実酒がよかったと見える。普段なら果実酒三杯程度までしか飲まないのに今日は倍の六杯。普段見せないティカの姿にエマも心配そうにしていたくらいだ。
スースー寝息を立て始めるティカ。
明日からは森で採取した薬草を使って薬剤を調合するだろうし、魔道具組合で買った残りの魔道具の試運転も残っている。現在の様子だと起きるのはお昼ごろになるのだろうか。
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