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第1部
フェーズ5-1
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リビングに移動し、もみの木モチーフのキャンドルに火を灯す。キャンドルの隣にはプレゼントしてくれたバラも飾ってある。部屋の明かりを消すと、ここだけクリスマスムードに包まれた。
「クリスマスプレゼントってほどでもないんだけど、これ」
私はキャンドルの他にもうひとつ買ったものをバッグから取り出した。
「ハンドクリーム?」
「仕事中に何度も手を洗うでしょ? 手荒れすると思って」
「もしかしてお前、医者と付き合ったことある?」
渡したチューブを見つめながら涼が驚いている。
「あるわけないでしょ」
付き合うのも初めてなんだから。
「ハンドクリームはありがたいよ。無香料だし、完璧」
無香料でオイルフリーの、ちょっといいのを選んだ。喜んでもらえてよかった。実は涼とお揃いで使いたくて、自分用にも同じものを買った。
「ありがとな」
「私のほうこそ、お花ありがとう」
見つめ合い、どちらからともなくキスをして、ソファに倒れ込んだ。お互いを味わうようにねっとりと舌を絡ませる。今日のキスは優しい。これはこれで、大事にされてる、愛されてるのが伝わってきて、やっぱり息が上がってしまう。
涼の手が私のスカートの中に入ってきて、太ももを撫でた。初めて触れられる場所に、ドキッとした。
「彩……」
唇を離して見つめ合う。
「ここ、触っていい?」
どこ、と思った瞬間、パンツの上から涼が割れ目にそっと触れた。思わぬ場所を触られて、一瞬、体が強ばった。
「そこ、は……」
「そんなとろんとした顔して……つらいだろうから、もっとよくしてやりたい」
「でも、そんなこと……」
そんなことをしたら、最後までしたくなってしまうのでは。戸惑う私を見透かしたように涼が優しく言った。
「最後まではしない。彩が気持ちよくなってくれればそれでいい。な? クリスマスプレゼント」
プレゼントならもうもらったのに。涼が見つめる。本当にいいのかな。私はゆっくりと頷いた。
「あっ……!」
パンツの中に手を入れて、直接触られた。全身にビリッと電気が流れたかのような強い刺激を感じた。
「こんな顔になるわけだ」
涼が勝手に納得している。
「や……」
彼が指を動かす。往復する度に湿った音がしてぬるぬるになっていくのがわかる。
「彩、ここ、わかるか?」
指の先端が窪んだ部分に当てられた。窪みというか、もしかしてそこは……。
「俺とお前が繋がるところ」
耳元で囁かれて、どうにかなってしまいそう。
「でも今日はまだ、な」
そのまま首筋を舐めるように口づけながら、指の動きが速くなっていく。
「や、待っ……んん」
待って、と言おうとしたら唇を塞がれた。また舌が入ってくるが、応える余裕はない。本当に待って。これ以上されたらおかしくなっちゃう。胸を触られて吸われたときとは比べものにならないくらい、気持ちいいの。
「っ……はあっ」
唇が解放された。
「あっ、ダメ……あっ……あっ!」
涼に見つめられる中、自分の意思とは無関係に脚が震え出した。やがて体が大きく跳ね、同時に頭の中が真っ白になった。こんな感覚は初めて。何も考えられない。
呼吸を荒くしている私の額に、涼が優しくキスをする。私、触られてしまった。初めて、涼に。でも涼だから、いい。とりあえず今は、恥ずかしくて顔が見られない。
ふわふわする。疲れたのとは少し違う。なんだかとても心地よい。しばらくこのままでいさせて。
薄暗い灯りの中で目を覚ました。ここはどこだっけ。私の部屋? すぐに意識がはっきりした。違う、涼の部屋だ。どうしてベッドにいるんだっけ。さっきソファで涼に触られてすごく気持ちよくなって、ふわふわした気分のまま眠ってしまったんだ。そこまで記憶を呼び起こしたところで、私は勢いよく起き上がった。今、何時だろう!?
「ん……?」
すぐ隣で眠っていたらしい涼も目を覚ました。電気スタンドの灯りの中、サイドテーブルの置時計で時間を確認する。
「十時!?」
夜の十時を回っている。どうしよう、家に連絡していない。
「家には俺から連絡しといたよ」
「なんて?」
「『クリスマスで張り切って料理作ったせいで疲れて寝てるから、泊まらせます。まだ手は出さないのでご心配なく』って」
顔がサーッと青ざめる。
「最後のは嘘だよね?」
この人は勝手になんてことを言ってるの。親にそういう話をされるのは恥ずかしい。どんな顔をして帰ったらいいかわからない。
「嘘だよ。とにかく連絡はして了承ももらったから」
「ありがと」
安心して私は背中をベッドに戻した。服はさっきと同じ、涼に買ってもらったもこもこ素材のルームウェアのままだから、このまま眠っても大丈夫だ。ただ、ベッドに移動してきた憶えがない。
「ベッドまで運んでくれたの?」
「よく寝てたから、起こすのもったいない気がして」
もったいないとは。何かたくらんでたのだろうか。さっき触られただけでそれ以上のことはしてないと思う。触られただけでも私にとってはすごいことだ。恥ずかしい声も出してしまった。思い出したら顔から火が出そう。
ちらりと涼を見る。眠そう、というかまた眠っちゃったのかな。私が眠っている間にシャワーを浴びたようで、体から石鹸とシャンプーの香りが漂っている。
結局、イブにお泊まりすることになってしまった。学校はすでに冬休みに入っている。明日の朝、涼を見送ってからバスで家に帰ることにしよう。待って、つまり朝帰りだ。イブの翌日に朝帰りなんてとてつもなく気まずい。
「手は出さないってのは、前に彩のお母さんに話したよ」
あ、起きてた。
「え? いつ?」
嘘、本当に言ったの?
「二連泊した日。婚約してるとはいえお前はまだ高校生なんだから、心配かけないほうがいいと思って。意外だったみたいで、大笑いされたよ」
合間に一緒に帰ったときだ。私が部屋にいる間に母とそんな話をしていたなんて。それなら変な想像をされることはないと思うから、安心かな。でも今日は、まったく何もしていないわけではない。平然とした顔で帰れるだろうか。花には絶対にまたからかわれそうだ。にやにやした顔が目に浮かぶ。
今日はいろいろあったな。昼間は、涼が呼び出されて出かけてしまって、いつ帰ってくるかわからない状況にがっかりしたけれど、夜はちゃんと一緒に過ごせた。さっきソファでされたことは、これからクリスマスのたびに思い出してしまいそうだ。恋人同士での最初で最後のクリスマスの思い出は、しっかり作れたかも。サプライズでもらったバラの花束のことも忘れない。
横を向くと涼はすでに寝息を立てて眠っていた。妙にすっきりした顔で。
「クリスマスプレゼントってほどでもないんだけど、これ」
私はキャンドルの他にもうひとつ買ったものをバッグから取り出した。
「ハンドクリーム?」
「仕事中に何度も手を洗うでしょ? 手荒れすると思って」
「もしかしてお前、医者と付き合ったことある?」
渡したチューブを見つめながら涼が驚いている。
「あるわけないでしょ」
付き合うのも初めてなんだから。
「ハンドクリームはありがたいよ。無香料だし、完璧」
無香料でオイルフリーの、ちょっといいのを選んだ。喜んでもらえてよかった。実は涼とお揃いで使いたくて、自分用にも同じものを買った。
「ありがとな」
「私のほうこそ、お花ありがとう」
見つめ合い、どちらからともなくキスをして、ソファに倒れ込んだ。お互いを味わうようにねっとりと舌を絡ませる。今日のキスは優しい。これはこれで、大事にされてる、愛されてるのが伝わってきて、やっぱり息が上がってしまう。
涼の手が私のスカートの中に入ってきて、太ももを撫でた。初めて触れられる場所に、ドキッとした。
「彩……」
唇を離して見つめ合う。
「ここ、触っていい?」
どこ、と思った瞬間、パンツの上から涼が割れ目にそっと触れた。思わぬ場所を触られて、一瞬、体が強ばった。
「そこ、は……」
「そんなとろんとした顔して……つらいだろうから、もっとよくしてやりたい」
「でも、そんなこと……」
そんなことをしたら、最後までしたくなってしまうのでは。戸惑う私を見透かしたように涼が優しく言った。
「最後まではしない。彩が気持ちよくなってくれればそれでいい。な? クリスマスプレゼント」
プレゼントならもうもらったのに。涼が見つめる。本当にいいのかな。私はゆっくりと頷いた。
「あっ……!」
パンツの中に手を入れて、直接触られた。全身にビリッと電気が流れたかのような強い刺激を感じた。
「こんな顔になるわけだ」
涼が勝手に納得している。
「や……」
彼が指を動かす。往復する度に湿った音がしてぬるぬるになっていくのがわかる。
「彩、ここ、わかるか?」
指の先端が窪んだ部分に当てられた。窪みというか、もしかしてそこは……。
「俺とお前が繋がるところ」
耳元で囁かれて、どうにかなってしまいそう。
「でも今日はまだ、な」
そのまま首筋を舐めるように口づけながら、指の動きが速くなっていく。
「や、待っ……んん」
待って、と言おうとしたら唇を塞がれた。また舌が入ってくるが、応える余裕はない。本当に待って。これ以上されたらおかしくなっちゃう。胸を触られて吸われたときとは比べものにならないくらい、気持ちいいの。
「っ……はあっ」
唇が解放された。
「あっ、ダメ……あっ……あっ!」
涼に見つめられる中、自分の意思とは無関係に脚が震え出した。やがて体が大きく跳ね、同時に頭の中が真っ白になった。こんな感覚は初めて。何も考えられない。
呼吸を荒くしている私の額に、涼が優しくキスをする。私、触られてしまった。初めて、涼に。でも涼だから、いい。とりあえず今は、恥ずかしくて顔が見られない。
ふわふわする。疲れたのとは少し違う。なんだかとても心地よい。しばらくこのままでいさせて。
薄暗い灯りの中で目を覚ました。ここはどこだっけ。私の部屋? すぐに意識がはっきりした。違う、涼の部屋だ。どうしてベッドにいるんだっけ。さっきソファで涼に触られてすごく気持ちよくなって、ふわふわした気分のまま眠ってしまったんだ。そこまで記憶を呼び起こしたところで、私は勢いよく起き上がった。今、何時だろう!?
「ん……?」
すぐ隣で眠っていたらしい涼も目を覚ました。電気スタンドの灯りの中、サイドテーブルの置時計で時間を確認する。
「十時!?」
夜の十時を回っている。どうしよう、家に連絡していない。
「家には俺から連絡しといたよ」
「なんて?」
「『クリスマスで張り切って料理作ったせいで疲れて寝てるから、泊まらせます。まだ手は出さないのでご心配なく』って」
顔がサーッと青ざめる。
「最後のは嘘だよね?」
この人は勝手になんてことを言ってるの。親にそういう話をされるのは恥ずかしい。どんな顔をして帰ったらいいかわからない。
「嘘だよ。とにかく連絡はして了承ももらったから」
「ありがと」
安心して私は背中をベッドに戻した。服はさっきと同じ、涼に買ってもらったもこもこ素材のルームウェアのままだから、このまま眠っても大丈夫だ。ただ、ベッドに移動してきた憶えがない。
「ベッドまで運んでくれたの?」
「よく寝てたから、起こすのもったいない気がして」
もったいないとは。何かたくらんでたのだろうか。さっき触られただけでそれ以上のことはしてないと思う。触られただけでも私にとってはすごいことだ。恥ずかしい声も出してしまった。思い出したら顔から火が出そう。
ちらりと涼を見る。眠そう、というかまた眠っちゃったのかな。私が眠っている間にシャワーを浴びたようで、体から石鹸とシャンプーの香りが漂っている。
結局、イブにお泊まりすることになってしまった。学校はすでに冬休みに入っている。明日の朝、涼を見送ってからバスで家に帰ることにしよう。待って、つまり朝帰りだ。イブの翌日に朝帰りなんてとてつもなく気まずい。
「手は出さないってのは、前に彩のお母さんに話したよ」
あ、起きてた。
「え? いつ?」
嘘、本当に言ったの?
「二連泊した日。婚約してるとはいえお前はまだ高校生なんだから、心配かけないほうがいいと思って。意外だったみたいで、大笑いされたよ」
合間に一緒に帰ったときだ。私が部屋にいる間に母とそんな話をしていたなんて。それなら変な想像をされることはないと思うから、安心かな。でも今日は、まったく何もしていないわけではない。平然とした顔で帰れるだろうか。花には絶対にまたからかわれそうだ。にやにやした顔が目に浮かぶ。
今日はいろいろあったな。昼間は、涼が呼び出されて出かけてしまって、いつ帰ってくるかわからない状況にがっかりしたけれど、夜はちゃんと一緒に過ごせた。さっきソファでされたことは、これからクリスマスのたびに思い出してしまいそうだ。恋人同士での最初で最後のクリスマスの思い出は、しっかり作れたかも。サプライズでもらったバラの花束のことも忘れない。
横を向くと涼はすでに寝息を立てて眠っていた。妙にすっきりした顔で。
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