ULTIMATE〜season22(2103)INHERIT J.D.F

ULTIMATE〜INHERIT J.D.F

ULTIMATE〜INHERIT J.D.F第17話

主要登場人物一覧
来宮遼介(26)…5代目主人公 幹部候補生教育大隊29期卒隊 西部教育隊教務部学生指導課配属
笹倉大志(26)…幹部候補生教育大隊29期卒隊 西部教育隊教務部学生指導課配属
片岡優真(26)…幹部候補生教育大隊29期卒隊 警衛庁公安科国家危機管理対策部隊配属
滝藤誠弥(55) …警衛隊初代幕僚総監
盛坂辰馬(33) …西部教育隊教務部学生指導課長
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日野の逮捕から１ヶ月が過ぎた頃、来宮達幹部候補隊員らは、1度、幹部候補教育大隊に戻ることとなった。
終任科教育課程というもので、半年間、現場で実習を受けたあともう一度教育隊に戻り部隊指揮教育課程という授業が実施される。
しかしこれを受けずそのまま現場にいることも可能だ。その場合は準幹部という立場になる。
毎年3割近い幹部候補隊員がこの準幹部の道を選ぶ。
メリットとしては部隊指揮教育課程を受けてる間の幹部候補隊員らの給料は学生時代のものに下がる。
しかし、準幹部として現場に残った場合、給料はそのまま支払われる。
それに部隊指揮教育課程を受けた後も幹部候補隊員らは事案処理教育課程、国際軍事教育課程など多くの教育課程を受けなければならなくなる。準幹部はそれが免除される。
それに何より、幹部候補隊員は全ての教育課程(8つの必修教育課程)を受け終えてから3年間、幹部候補という立場であり給料は準幹部よりも少し下がる。

「現場はどうだった？」
担任教官の西本はそう質問を投げると来宮に目をやった。
「来宮、答えてみろ」
「はい。教育現場に派遣されました。学生を指導する立場に立たせていただくという貴重な経験をさせて頂いてとても価値のある半年間を過ごせたかと思います」
「そうか。災難だったろ？上総島での件」
西本が聞くと来宮は横に座っていた笹倉に目をやった。
「いやーそうっすね。」
笹倉が言うと西本はネクタイを軽く結び直した。
「これから君たちには1年間、部隊指揮教育課程を受けてもらう。部隊を指揮できてこそ幹部警衛官だ。手を抜くなよ。」
そう言うと西本はそのまま教壇から下りた。
「今日はこれで終わりだ。明日に備えて休んどけ」
その頃
警衛庁では、5年後を目安にWMIが立ち上げを考えている世界軍事大会についての会議が行われていた。
「5年後を目安に行われる予定である世界軍事大会。日本も参加を表明することになった。そこで来年から日本の選抜代表部隊を作ることになった。総力をあげて欲しい」
滝藤が言うと総合作戦指揮管理官がマイクを手に取った。
「対ゲリラを想定した内容らしい。この大会で結果を残さなければ日本の国際的立場はますます弱なる。必ず優勝する。優勝しか考えていない」
総合作戦指揮管理官の言葉には強い意志が感じられた。
この軍事大会を通じて日本のイメージを払拭できるのか？
国家保安庁から受け継いだ警衛隊最初の大仕事が幕を開けようとしていた。