ULTIMATE〜革命事変〜悲劇の果へ (2111)INHERIT J.D.F

ULTIMATE〜INHERIT J.D.F

ULTIMATE〜INHERIT J.D.F第13話

主要登場人物一覧
来宮遼介(34)…5代目主人公 革命軍所属 将補
中澤智康(44)…革命軍所属 隊将
笹倉大志(34)…警衛庁参謀部所属1等幹士
片岡優真(34)…革命軍最高司令役補佐  将補
海藤辰之(34)…警衛庁警務隊管理官 1等幹士
内海岳大(44)…革命軍最高司令役  隊将
保瀬将司(46)…警衛庁幕僚護衛隊参謀長 隊将
(元警視庁警備部警護課第4係長 警視)
中将一郎(47)…警衛庁市ヶ谷駐屯地司令 隊将
原快真(47)…警衛庁警備科第1指令本隊管理官 将補 
梶唯我(47)…警衛庁市ヶ谷駐屯地副司令 将補
緋鷺徹哉(36)…警衛庁幕僚官房室理事官 隊将(元関東管区警察局総務監察部所属)
中堂純一(48)…警衛庁2代目幕僚総監(元警察庁長官官房総括審議官)
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
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午前7時
赤色灯をつけた警務隊車両が行列を作りながら片岡の捜索と警らを強めていた。
海藤も午前6時から、警務隊車両に乗り警戒を行っていた。
警らを始めて2時間が経過した時、助手席にいた海藤は反対車線沿いの歩道を歩く1人の男に目をやった。
「おい、止めろ」
唐突に海藤に言われ運転席にいた隊員はすぐにブレーキをかけた。
「運転下手かよ。」
そう言うと海藤はそのまま車から降りた。
「管理官どこへ？」
「あそこの歩道歩いてる男に職質をかける。お前はこのままここで待機してろ」
「わ、わかりました」
海藤はゆっくりと男に近づくと拳銃に指をかけながら声をかけた。
「警衛庁警務隊の者ですが……ちょっとお話よろしいですか？」
海藤が声をかけると男は歩くのをやめた。
「片岡ってやつを捜索してる。そいつには射殺命令も出てる。ゆっくりと振り向け。」
そう言うと海藤は拳銃を構えた。
すると男は手を上げならゆっくりと振り向いた。
「片岡。お前そんな格好でずっと逃げてたんか。」
「来宮はどうした？」
「来宮か。」
「来宮と俺に射殺命令が出てるのは知ってる。来宮のいる病院が警察に包囲されてたのも知ってる。生きてんのか？あいつは？」
「……………」
沈黙を続ける海藤を見て何かを察した片岡はそのまま海藤に近づいた。
「撃て。」
片岡から唐突に言われ思わず顔を上げた。
「お前は上に行ける可能性がある。34でL本警務隊管理官だろ？この場で俺を撃て」
「撃てるかよ。大切な同期殺せって………。殺して国防は成り立つのか？おかしいだろ。」
海藤が呟いていると1台の車が海藤らの横に止まった。
「片岡だな。射殺命令が下りてる。これに伴いこれより射殺を実施する」
そう言うと1人の警務隊員が片岡に銃口を向けた。
「おい、やめろっ………」
止めに入ろうとした海藤を他の警務隊員らが制止した。
「海藤管理官。落ち着いてください。気持ちは分かりますけど」
周囲の警務隊員らに取り押さえられながら目の前で片岡の射殺を目の当たりにすることになった。
その後、革命軍に関わった警衛官の中でA～Dでランク付けされA.Bのランク付けを受けた23人の警衛官が射殺される事態となった。
そして、騒動の責任を受け中堂は幕僚総監を辞任。緋鷺は警察庁への復帰が認められ、察閥派は解体の一途を辿ることとなった。
そして、警察庁長官の熱い願いもあり、再び警察に警備部が発足。
日本政府は、国の治安維持等を担うための手段を増やすことで警衛隊により国防最前線の部隊にしていく狙いがあった。
後任の(3代目)幕僚総監には幕僚護衛隊長の保瀬が選ばれた。
保瀬は警察と警衛隊の対立を無くす、国防の更なる強化を目的とし同年10月、新たに特殊選抜急襲群を創設した。
この部隊は警察と警衛隊による合同で設立された。
なお、警察と軍隊(日本における警衛隊)との合同特殊部隊は世界初であり
この部隊設立を受け日本は世界から注目を浴びることとなった。
この部隊は警察庁と警衛庁にそれぞれ部隊があり、内閣府附属の統括本部が彼らの最高指揮本部であるという少し変わった組織となっていた。