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記録ノ18(最終回)どきどきいちねんせい~春の日の恋文~ 

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卒園を控えた3月、年長の教室前の掲示板には園児の自画像が進学する小学校別に並べられていた。
僕と同じ小学校に入るクラスメイトは男子3人。彼らとも親しかったため安心感はあるが、ほとんどのクラスメイトとは卒園とともにお別れとなる(なお、別のクラスには同じ学校に進学する女子が数人、のちに小3の途中で僕の学校へ転入してくる男子が一人いた。)。
そして掲示板の上にはこんなキャッチフレーズが…

「どきどきいちねんせい」

…まさに今の自分の気持ちを体現しているようであった。小学校という一つ上のステップへ進む楽しみのどきどき、
一緒の学校に行く子を除いてはほとんどが知らない人だらけの未知の世界へ足を踏み入れるどきどき…

そしてやってきた卒園式。うれしさとさみしさが入り混じる中幼稚園に到着し、教室で待機している僕…そこにクラスメイトの一人の女子が…

「リョーマくん、これ、よんで…」
この手紙のことは追々話すとしよう…

そして卒園式本番、僕は練習では証書の受け取り方とか何度もミスって何度も先生に叱られて(なぜかミスするたびに年少の時の担任の先生の教室へ連れてこられた)…という状況であったが、本番ではミスをしでかすこともなく無事証書を受け取ることができた。

その後教室で友達との別れを惜しみつつ最後の歌を歌い、3年過ごした幼稚園を後にし、家路についた後。僕はクラスメイトの女子から受け取ったあの手紙を家族とともに読んだ。
そこに書かれていたのは…

「リョーマくん、いままでいっしょにあそんでくれてありがとう。おとなになったらけっこんしてください。」

…これが僕が人生で初めてもらったラブレターであった。
両親から「これってラブレターじゃ~ん!」なんて言われて、僕はなんだか照れくさい気持ちになった。
子供心に「恋ってこういうものなのか」と。
それは僕が少しだけ大人になった春の日だった…

あれから16年…彼女は今どうしているのだろうか?
もう僕のことなんか忘れて、もっといい人と幸せになってたりしてることだろう…

リョーマ伝幼稚園編 完
そして物語は小学生編へ続く…
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