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第1部 アーケードカードゲーム史
ムシキングの登場とアーケードカード市場の夜明け
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さて、最初はゲーム…それも細かく「アーケードカードゲーム」の話題から始めるとしよう。
ゲーム全体についても後々取り上げる予定だが、2000年代のゲーム市場、そして子供文化を語るうえで避けては通れないのが「アーケードカードゲーム」。21世紀のゲーム史に残る大発明といっても過言ではないだろう。
そしてこのジャンルを語るうえでやはりあの作品から語り始めねばならない。そう、「甲虫王者ムシキング」だ。
2003年に稼働開始したセガのムシキング。カブトムシとクワガタという子供たちに不変的に人気のある題材に、ジャンケンというわかりやすい勝敗の決め方、現実のムシではありえないド派手な必殺技が子供たちの心をつかみ、瞬く間に社会現象となり、今日までに続くキッズアーケードカードゲーム市場の礎を築いた記念碑的作品だ。
ムシキングが無ければ、現在当たり前となったゲーセンに多数のアーケードカードゲームが並ぶ光景はなかったことだろう。
筆者も幼少期は休みの日になればショッピングセンターのゲームコーナーに赴き、数台並べられた緑の筐体にできた行列にカードと100円玉を握りしめながら並んだものだ。あの頃はゲーセンどころかレンタルビデオ屋にもあったからなムシキング…
ムシキングはなぜここまでの社会現象となったのか?僕なりに考察してみるとする。
その理由は「前述したようにムシという不変的に人気な題材を起用し、日本古来の虫相撲にジャンケンという誰もが知る勝敗の決め方をルールに採用したこと」これに尽きるだろう。
ムシといえば子供、特に男児なら1度は興味を持つ題材だ。ムシキング以前から昆虫のモチーフは広く子供向け作品に取り入れられてきた。
歴史をさかのぼれば1975年放送のアニメ「タイムボカン」では主人公メカのモチーフにカブトムシ、バッタ、クワガタが採用されていたし、ムシキング稼働前年の「忍風戦隊ハリケンジャー」では追加戦士の「ゴウライジャー」のモチーフにカブトムシとクワガタが使われていた。このことからムシというモチーフは古くから子供、男児にアピールするのにうってつけの題材であったことが見て取れるだろう。
キッズ向けのアーケードカードゲームという新市場の開拓に際して、見知らぬ新キャラを使うよりも、ムシという古くからの人気キャラクターを題材に選んだ事は正解であった。ムシが大好きな子供たちがまさに樹液を吸いに木に群がるカブトムシのごとくゲーセンに集まってきたというわけだ。
そしてムシキングではグラフィック面でもすごかった。デフォルメではなくリアルなデザインのムシたちが画面上で戦っていたのだ。見た目も動きも本物のようにリアルなムシキングは「デジタル甲虫図鑑」といっても過言ではない。今思い出してもあの時代であのリアルさは鳥肌ものだ。
そしてシステム面では「虫相撲」という日本古来の遊びを題材にしたこと、そして「ジャンケン」というわかりやすい勝敗の決め方を取り入れたことも子供たちをゲーセンに呼び込むことに成功した一因といえる。
当時の子供たちの親世代は子供時代にまだ自然が1番のおもちゃだったような60年代~70年代前半生まれが多かった。そういった世代は虫相撲に高じた者も多かっただろう。そういったお父さん世代にとっても懐かしく感じるものがあったに違いない。
そして「ジャンケン」。これは幼稚園児でもわかる勝敗の決め方であるし、変に複雑な操作を入れるよりもとっつきやすい。そして単純だからこそ勝ったら嬉しいし負けたら悔しい。シンプルなルールが子供たちを集めるのに一役買ったのだ。ムシキングがジャンケンを取り入れたのは大きな発明だと僕は思っている。
次回はムシキングについてシステム面や外部での宣伝等がもたらした効果を考察してみることにする。
ゲーム全体についても後々取り上げる予定だが、2000年代のゲーム市場、そして子供文化を語るうえで避けては通れないのが「アーケードカードゲーム」。21世紀のゲーム史に残る大発明といっても過言ではないだろう。
そしてこのジャンルを語るうえでやはりあの作品から語り始めねばならない。そう、「甲虫王者ムシキング」だ。
2003年に稼働開始したセガのムシキング。カブトムシとクワガタという子供たちに不変的に人気のある題材に、ジャンケンというわかりやすい勝敗の決め方、現実のムシではありえないド派手な必殺技が子供たちの心をつかみ、瞬く間に社会現象となり、今日までに続くキッズアーケードカードゲーム市場の礎を築いた記念碑的作品だ。
ムシキングが無ければ、現在当たり前となったゲーセンに多数のアーケードカードゲームが並ぶ光景はなかったことだろう。
筆者も幼少期は休みの日になればショッピングセンターのゲームコーナーに赴き、数台並べられた緑の筐体にできた行列にカードと100円玉を握りしめながら並んだものだ。あの頃はゲーセンどころかレンタルビデオ屋にもあったからなムシキング…
ムシキングはなぜここまでの社会現象となったのか?僕なりに考察してみるとする。
その理由は「前述したようにムシという不変的に人気な題材を起用し、日本古来の虫相撲にジャンケンという誰もが知る勝敗の決め方をルールに採用したこと」これに尽きるだろう。
ムシといえば子供、特に男児なら1度は興味を持つ題材だ。ムシキング以前から昆虫のモチーフは広く子供向け作品に取り入れられてきた。
歴史をさかのぼれば1975年放送のアニメ「タイムボカン」では主人公メカのモチーフにカブトムシ、バッタ、クワガタが採用されていたし、ムシキング稼働前年の「忍風戦隊ハリケンジャー」では追加戦士の「ゴウライジャー」のモチーフにカブトムシとクワガタが使われていた。このことからムシというモチーフは古くから子供、男児にアピールするのにうってつけの題材であったことが見て取れるだろう。
キッズ向けのアーケードカードゲームという新市場の開拓に際して、見知らぬ新キャラを使うよりも、ムシという古くからの人気キャラクターを題材に選んだ事は正解であった。ムシが大好きな子供たちがまさに樹液を吸いに木に群がるカブトムシのごとくゲーセンに集まってきたというわけだ。
そしてムシキングではグラフィック面でもすごかった。デフォルメではなくリアルなデザインのムシたちが画面上で戦っていたのだ。見た目も動きも本物のようにリアルなムシキングは「デジタル甲虫図鑑」といっても過言ではない。今思い出してもあの時代であのリアルさは鳥肌ものだ。
そしてシステム面では「虫相撲」という日本古来の遊びを題材にしたこと、そして「ジャンケン」というわかりやすい勝敗の決め方を取り入れたことも子供たちをゲーセンに呼び込むことに成功した一因といえる。
当時の子供たちの親世代は子供時代にまだ自然が1番のおもちゃだったような60年代~70年代前半生まれが多かった。そういった世代は虫相撲に高じた者も多かっただろう。そういったお父さん世代にとっても懐かしく感じるものがあったに違いない。
そして「ジャンケン」。これは幼稚園児でもわかる勝敗の決め方であるし、変に複雑な操作を入れるよりもとっつきやすい。そして単純だからこそ勝ったら嬉しいし負けたら悔しい。シンプルなルールが子供たちを集めるのに一役買ったのだ。ムシキングがジャンケンを取り入れたのは大きな発明だと僕は思っている。
次回はムシキングについてシステム面や外部での宣伝等がもたらした効果を考察してみることにする。
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