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おこぼれ話267 メガネくん

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小2の11月頃、クラスメイトのレンピーくんがメガネをかけ始めた。
それまで僕の学年は1組2組両クラス全生徒裸眼であったため、メガネ着用者の出現は衝撃的かつ新鮮だったのだ。
僕だけじゃなくほかの生徒たちからもそれは衝撃的で、彼が初めてメガネをかけて登校してきた日は結構周りがざわついていた。

本来メガネ着用者なんて当然珍しい存在ではない。僕の母だってメガネ着用者なわけだし、当時の担任のM田先生だってメガネ着用者だ。つまりメガネ着用者には日常的に触れてきている。
それでも今まで周りにいたメガネ着用者は大人ばかり。子供のメガネ着用者は今まで周りにいなかったわけだからそれが本当に新鮮だったのだ。

だから僕は一時時期毎日のように彼に対して「メガネくん」と指さして呼んだり、オリジナルのメガネくんソングを歌ったりしてからかっていた。
みんなにとってメガネ着用者の登場は上記のように衝撃的だったとはいえ、僕の行動は他の人たちからしてみれば「何が面白いんだ」といった感じであっただろう。
彼だって好きでメガネをかけているわけじゃないのにそれをからかったのは今となっては申し訳ない。
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