リョーマ伝～小学生編～

おこぼれ話253 このパスタはほぐれにくい！

6年生の後半のある日の給食。この日は僕の大好きな給食トップ5に入るパスタ。
しかしその日のパスタはいつもと違う。普段は細いパスタだが、今回は太い平打ち麺だ。生徒の反応を見て今後給食で導入するかどうかの検討のため試験的に出すようだ。
平打ちパスタは以前レストランで食べたときにその食べ応えに感動し、以来あこがれの存在となっていた。あこがれだけど店以外ではめったに食べられないあの太くて平べったいパスタを給食で食べられるなんて…と話を聞いた時から感動した。

そしてやってきた給食時間。いただきますの後、早速袋から平打ちパスタを出し、別添えのソースをかけてほぐそうとした…しかし…
「あっ！なんだよこれ！全然ほぐれねぇじゃねーか！！」
…なんということだ。パスタが固くて全然ほぐれてくれないのだ。僕だけじゃない。クラス中が「固い」「ほぐれない」と言っていた。
結局全然ほぐすことができなかったため、8割ぐらい塊のままのパスタに仕方なくかぶりついた。
正直味なんて覚えていない。
給食時間が終わった後も皆「固かった」と口々に言っていた。

平打ち面へのあこがれ…それはほぐれない面によって薄れていった。
だが僕は平打ち麺自体が嫌いになったわけじゃない。この時の固い麺が許せなかったのだ。いろんな事情で仕方なかったのかもしれないが。