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おこぼれ話215 カメラを持てば誰だってフォトグラファー

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小1の3学期、父が仕事仲間からいらなくなったデジカメを譲ってもらった。
父がデジカメをもらってきた翌日、放課後我が家に僕の友達が遊びに来ていた時にさっそくみんなの様子を試し撮りした。

ただいつも通りに家で皆と遊んでいる風景…ただ変わらない日常なのに父がカメラを構えてその様子を治めているとまるで雑誌の取材が来たかのようでうれしかった。写真に写るの嫌いだけどさ。ただこのころはまだそこまで嫌いではなかった。今はもっぱら写すほうが好きだ。

僕も負けじと父からカメラを借りてみんなの様子を写しまくった。ゲームをプレイ中の友達をなぜか撮りまくったが、人によってはプレイ中の様子を撮られたくない人もいたようで怒られたこともあった。
そして極め付きに一番怒られたのは友達が泣いている様子を撮ったことだ。
あの時はデリカシーなく面白がって撮ってしまったが、被写体となった友達にも、自分の両親にも当然怒られた。
その友達からは翌日も学校でガミガミ言われた。そりゃそうだ。今となっては申し訳ない。

あの頃、カメラを持てば自分が記者になったような気分だった。だが記者なれどルールは守らねばいかなかった。あの頃の自分にガミガミ言ってやりたい。
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