リョーマ伝～小学生編～

おこぼれ話179 リョーマ氏の歯疑惑

小3のある日、舌で触れた自分から見て左側上の奥の歯茎にほんのりとだが何やらかたい感触が感じられた。
これはもしや永久歯ではないか？としっかり確認するために指でその部分を触ってみると、やはりかたかった。
僕はすぐさま母に知らせた。
「母ちゃん、なんか俺の上の歯茎に歯疑惑があるんだけど…」
歯疑惑…聞きなれない単語…というか僕による造語に笑いながらも、母はすぐさま翌日の歯医者の予約を入れてくれた。

そして翌日の歯医者。レントゲンを撮った結果、例の”歯疑惑”があったところは永久歯が生え始めているのこと。
このままその部分にある乳歯を自然に抜けるまでほおっておくとこの永久歯が変な生え方をしてしまう恐れがあるため、今すぐその乳歯を抜くことに。
乳歯は無事抜くことができたが、僕的には「本当に”あの永久歯は無事生えてくるのだろうか？歯ぐきからわずかとはいえ飛び出すまでに至った永久歯は後遺症的にわずかにずれて生えてきたりしないだろうか？（仮にそうなったとしても歯医者に罪はないともちゃんと考えていた）」という懸念があり、心配な気持ちが残る中永久歯の生え具合を確認しながら毎日を過ごしていた。
しかし僕の不安をよそに、あの永久歯は決してずれることなくしっかりと生えてくれた。
乳歯か抜けた跡から永久歯が顔を見せはじめた瞬間は本当に安堵したのを覚えている。