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おこぼれ話170 金魚に名前をつけようの会

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僕の通っていた小学校の敷地内には金魚が泳ぐ池があった。
休み時間には多くの生徒たちが金魚の観察に訪れる学校の隠れた癒しスポットだ。隠れたといっても結構でかいが。
僕も休み時間には度々訪れていた。池の中で金魚が泳ぐ様子を真上から見下ろすのは水槽の金魚を眺めるのとはまた違った感覚で面白かったのだ。

小4のある日のこと。その日も友たち数人と金魚を観察していていた。
金魚たちに個別の名前はない。というか名前を付けたところで判別不能だろうが。だがそのような中で1番大きな金魚が僕の視界に飛び込み、僕の脳裏に彼(オスかメスかわからんが)にぴったりの名前が思い浮かんだ。
「このでっかい金魚、壁山みてぇ~!」
その一言に周りの友達も爆笑。ご存じのない方のために説明すると壁山はイナズマイレブンのキャラクターで肥満体型の大柄ディフェンダーだ。自分たちの中で太ったやつの代名詞は「壁山」か「カビゴン」と言うぐらい浸透していた。

すると一緒に金魚を眺めていたソラくんが池に遊びに来ていたアメンボに目をつけて「じゃあこいつは土門だな!」と一言。土門もイナズマイレブンのキャラクターで、痩せ型長身に褐色肌が特徴の選手だ。アメンボの姿かたちから連想されたのだろう。
「(アメンボと金魚を指さし)土門、壁山!!」…ソラくんの一言に一同またも大爆笑。
でっかいやつから壁山はすぐ思い浮かんだ僕も、細いやつから土門は連想できなかった。
自分の中ではガリよりデブのほうが印象に強く残ったのだろう。

良い子のみんなへ 動物に名前を付けるのは自由だが、コンプラは守り、人にニックネームをつけるときはその人の気持ちもよく考えよう!
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