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おこぼれ話163 オールスター鬼ごっこ選手権

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2年生の終わり頃、2年生最後か最後から2番目かの体育の授業。2クラス合同で鬼ごっこを体育館でやることとなった。
鬼ごっこなんて体育だけじゃなくて休み時間とか集会とかでさんざんやってきた遊びだが僕は消して嫌いじゃなかったし、2クラス合同で行うなんて今までほとんどなかったのでその話が出てきたときは嬉しかった。

自分の目標は「何とか最後まで生き残る」…足の遅い僕だが、今回は2クラス合同である分鬼が狙うターゲットも分散される。ターゲットが多い前半はうまく鬼の視界から離れることを心がければつかまるリスクも低くなるだろう。と自分は考えてた。前半は体力を温存し、鬼が増えて(捕まった人は鬼になる形式で行った)逃げる人が少なくなって狙われやすくなる後半に全力疾走ができるようにしておこう。という作戦であった。

そして2年生オールスター鬼ごっこの号砲が鳴った。
始まるやいなや僕はひたすら敵の視界から離れる作戦をさっそく決行。鬼が近くにいたらうまく距離を取り、無駄な体力を使わぬよう角で己の体を休める…敵が近くに来たらロックオンされる前にうまく視界から離れて移動する…これをひたすら繰り返してしぶとく生き抜いた。
途中1回だけ鬼に襲われたが体力の温存が功をなしうまく振り切ることができた。作戦は成功と言えよう。
ゴキブリ並みのしぶとさで僕は生き延び続け、気が付けば両クラス合わせて40数人近くいた人数も残り10数人ちょっとに。「ここからはコソコソしてるだけでは生き延びれない。本気で走り、生き延びよう。そのために体力を温存してきたのだから…」

そんなことを考えてるうちについに僕にも鬼の魔の手が…僕はここまで温存してきた体力を全部使いきるぐらいの全力疾走を魅せた。だがそれはほぼ力だけの全力疾走であり、速さなんてどこにもなかった。もともと足遅いもんね。
結局ここは振り切ることはできず捕まり、無念のリタイア。今だったら「結構なとこまで生き残ったからいいじゃないか」って思うが、この時は「1位じゃないと意味がない」という感じで納得してなかった。
体力切れと逃げ切れなかったショックで結局その後鬼になった僕は他の人を追いかけることもなくただ体育館をフラフラしていた。「もうオレは燃え尽きて戦えねえんだ…」
その後、このオールスター鬼ごっこの勝者=最後の生き残りとなったのは隣のクラスの男子。
終了後、彼はM田先生から「○○!お前はなんて速いんだ!!」と称賛の言葉をもらった後に追いかけられ、鬼ごっこ第2ラウンド開始。体育館は爆笑の渦に包まれましたとさ。
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