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おこぼれ話127 次って今日中じゃないの?の巻

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2年生の3学期のある日の体育の授業。この日は何をやるかを多数決で決めることとなり、候補はドッジボールと別の競技(何だったか忘れた)のふたつで、僕は前者に一票入れた。
しかし結果は後者の勝利となり、先生は「それじゃあまずは○○(勝ったほうの競技)をやってその次ドッジやりましょう」と言った。僕たちドッジ派は今日は前半に多数決で勝った競技をやって、後半にドッジをやるものと思っていた。

そして僕はその日、乗り気でないながらも勝ったほうの競技に身を投じた。この後ドッジができることを信じて。
だが授業時間の半分が過ぎても一向にドッジをやる気配がない。先生の口からドッジボールの”ド”の字も出てこない。本当に今日ドッジをやるか心配になってきた。おそらく他のドッジ派の子たちも同じ思いであっただろう。
だが僕は不安ながらも今日この日にドッジができる未来を信じていたのだ。授業時間の半分以下でもいい。僕たちは多数決で負けたんだから。でも先生がああいってる以上は今日必ずドッジをやってほしい…他のドッジ派の子たちも同じ思いであったであろう。
だから僕はそれを信じて我慢しながら勝ったほうの競技に身を投じていた。1試合だけでいい、なんだったら最後の2~3分だけ使うでもいい。オレは今日ドッジがやりたいんだ。

…だがそんな思いも届かず、結局ドッジをやることがないまま授業時間が終了。体育館に響き渡る授業終了のチャイムはまるで我がドッジ派の無念の終戦のレクイエムのように聞こえた。
当然、授業終了と同時にドッジ派一同は「次やるんじゃなかったのかよ!」との抗議の声をあげた。
それに対して先生は「次ってのは”次の授業”って意味だった」と弁明。
…今回は解釈違いだった我々のミスってことで…
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