リョーマ伝～小学生編～

おこぼれ話126 転校しないと進学できないの？

３年生のある日の給食時間中、同じ班だったセイちゃんが女子友だちとこんな話をしていた。
「ねえ、○○ちゃんはいつ転校するの？」
「え～と…5年生！セイちゃんは？」
「え～と…4年生！」
…転校という穏やかじゃないワード…しかも時期まで決めてるときちゃ超絶穏やかじゃない…
当然同じ班の男子は気になって「お前ら転校するのか？」と問い詰めるが、セイちゃんはそれに対して衝撃の返答を返す。

「転校しないと中学校行けないんだよ！？」
…もちろん、僕たち一同「えっ！？」であった。転校しないと進学できないなんて何かの間違いだろうと最初は思ったが、先生やほかの生徒も特に訂正してこなかったから本当のことだろうと思った。
だがにわかに信じがたい。そこで帰宅後真っ先に母に「転校しないと進学できないって話してた人がいたが本当か？」と聞くと母はこう返した。
「それって中学に進学するとき、全員が同じ学校とは限らない。進学するタイミングで引っ越す人もいるし、同じ学校の卒業生でも学校によっては進む中学がばらばらというケースもある。というのを曲解したのではないか？」
…これで「転校しないと進学できない」というのは全くのデタラメであることは理解し、安堵したが、「進学するときに全員が同じ学校とは限らない」がセイちゃんたちの中でどうやって「転校しないと進学できない」に変わっていったのかが解せなかった。「進学する学校が違う場合がある」がどうやって「転校」に変換されたのか。それが気になって勉強もおぼつかないほどだった。

ちなみにセイちゃんが「転校しないと進学できない」の話題を出したのはあの日が最初で最後であった。
ちなみに彼女とは中学も僕と同じ学校である。