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おこぼれ話116 種を取るんだの巻

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学校では毎年、学校の花壇やら鉢植えやらで学年ごとに何らかの植物を育てていたが、小3の頃は学校の花壇でホウセンカ、オシロイバナ、フウセンカズラの3種類の花を花壇で育てていた。

このなかで僕が特に気に入ってたのがフウセンカズラだ。
フウセンカズラはその名の通り風船のように膨らんだ実(ホオズキの実を想像してもらうとわかりやすいかもしれない)をつけるユニークな植物だ。実の中は空洞で、中に種が入っておりよく当時は実をシャカシャカして種の音を楽しんでいた。傷がつかない程度にね。その種にはハート形の白い模様がついていてこれまたユニークだ。種をまくときも面白い見た目だと思いながら土の中に種を埋めたのを覚えている。
当時は「種の時点ですでにユニークなのに成長した後もユニークなんてズル過ぎるだろフウセンカズラ!」…なんて思ったり思ってなかったり。

だがオシロイバナにも思い出がある。
花が枯れて種が取れる状態になった時、種は各自で自由に持ち帰っていいということになり、ガーデニングが趣味だった祖母へのプレゼントを兼ねて僕はオシロイバナの種を取りまくった。
つぼみみたいな部分から顔を出している黒い種を取り出すあの感覚が楽しくてたまらなかった。
気が付けば10何個も種を取りまくっていた。そんだけとってもうちの庭では育てきれないだろ!ってぐらいに。1つの花から種はたくさん撮れるわけだし一人何個って制限もなかったわけだし…だからってとりすぎもよくないが。

しかし種を持ち帰って数日後、我が家の庭を眺めているとあることに気づく。
「あれ?これオシロイバナじゃね?うちでも育ててたんか…」
…そう、我が家でもオシロイバナを育てていたのだ…庭なんてじっくり眺めることもないから気づかなかった…
だがそれでも顔色変えずに種を喜んで受け取ってくれた祖母には感謝だ。
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