リョーマ伝～小学生編～

おこぼれ話115 で、朝から踊るんすか！？

5・6年生の頃、朝の会で「音楽タイム」という音楽係を中心にみんなで歌を歌ったり、音楽に関するクイズを出したりする時間が設けられていた。
基本的に音楽の授業や全校集会で歌う歌を練習を兼ねて歌うことが多いが、まれにそれ以外のうたが取り上げられることがある。

小6の7月のことだ。この日の音楽タイムで突然、進行役の音楽係の女子からこんなアナウンスが…
「今日はマルモリをみんなで踊りましょう！」
…マルモリ…当時社会現象となっていた「マルモのおきて」主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」のことである。
この主題歌は当時子供から大人まで幅広くヒットし、震災後の日本に明るい光をもたらした存在のひとつといっても過言ではないだろう。
当時は休み時間とかに必ずと言っていいほど誰かしらがこの曲を口ずさむなど僕たちの間でも大きく広がっていた。
とはいえ、振り付けまで完璧に覚えていた人は僕のクラスの中では少なかった。
だが、音楽係には振り付けも完璧に覚えていた人がいたのでその人が黒板の前に出てお手本となる形でその人のマネをして皆で踊ることとなった。ちなみに2～3日ぐらい連続だった。
全員で踊るとはいえ僕は人前で踊るのが恥ずかしい「踊りたくない芸人」なので、振り付けの動きは他の生徒の6割減ぐらいの控え目さだったがｗただ自分的には「好きでもない合唱曲歌うよりはマシ」的な認識であった。
こういうバラエティ的な曲に触れるのもいい刺激だ。

しかし、マルモリの振り付けを知っているか否かよりの問題がうちのクラスにはあった。
それは「クラスのほとんどがマルモではなく、裏番組のJIN派」であったという問題だ。
1回目の踊りの後、クラスの誰もか口々に「オレ、マルモじゃなくてJIN観てた」「あ、オレも」とかって口々に話していた。
マルモは裏番組であったJINとの視聴率争いが注目されていた。JINがマルモより開始も終了も1週早かったのだが、最終的にはJINが逃げ切った形であった。
ちなみに我が家もJIN派であり、マルモはリアルタイム時は最終回のみ見ていた。
マルモもJINに肉薄する健闘を見せてたけどね。でも、ドラマは見てなくても主題歌は誰もが知っていた。

マルモリの曲もそうだが、例えば「ポケモンは詳しくないがピカチュウは知っている」という人がいるように「作品を知らなくてもその主題歌やキャラクターは知っている」というアイコン的存在を生み出した人たちってかねてからすごいと思っている。
自分もいろんなキャラをピクシブとかで作っているが「一刀星リョーマは詳しくないがそのキャラは知っている」と言われるぐらいのキャラを生み出すのが僕の夢だ。その域には到底届いてないが…