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おこぼれ話109 手話で描こう

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小4の3学期、道徳の授業で障害について様々なことをグループごとに調べて発表する機会があり、僕はソラくんと一緒に2人で手話について調べて発表することになった。
僕はソラくんと2人で手話について発表することとなった。

まずは2人で図書室に置いてあった手話の本を見て様々な手話を調べてみる。
本は複数あり、主要な単語を紹介したもののほか、会話形式で紹介しているものや手話で歌う童謡を紹介したものもあった。
ソラくんは本の中に書かれていた「好きなTV番組について」という会話を丸暗記して披露することになった。結構な長丁場の会話だ。
発表では手話をしながら口で意味を説明(=普通の会話)しながら披露する。この会話の中では「ドラえもん」を示す手話(本当に本に載ってた)があって驚いた。指を3本たてた両手を顔に持ってきてドラえもんのヒゲを表した後、両手を腹部に持って行って四次元ポケットを探るような動作をするというものだ。
もちろん僕も何かしらの手話を披露することとなっている本を読んで覚えられそうな手話を目を皿にして探し、必死に覚えようとするもなかなかマスターできずにソラくんにはダメ出しされて迷惑をかけてしまう日々…進歩のないまま発表日だけが刻一刻と迫っていく…
残り数日というタイミングで僕が見つけ出したのは「指の動きで曜日を表す」という手話だ。
その中で僕は「火曜日」とあともうひとつの曜日(何曜日だったか忘れた)を覚えた。

そしてやってきた発表日。僕は何とか覚えたその2つの手話を冒頭で披露。その後は完全にソラくんのターン。僕の出番は自分の実力不足のせいで冒頭数十秒で終わった。
その後ソラくんが上記の通りの長丁場の会話を披露したことから何人かのクラスメイトは「リョーマ何楽してんだよ」とか思ったことだろう。言い訳にしか聞こえないだろうがこっちだって大変だったのよ…
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