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おこぼれ話101 あぐら攻防戦
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あぐら…子供の頃の僕が一番好きであった座り方である。楽だから。
全校集会で並んで座ったとき、僕は集会が始まるまであぐらでいよう。始まったらちゃんと体育座りに立て直そう。と考え、並んだらすぐさま体育座りでなくあぐらで座っていた。
だがこれが「始まる前も体育座りでなければならない」と考えるシュウジくんとの攻防戦に発展する(もちろんこの場合シュウジくんが正しいが)。
小4~小5あたりの話である。並んだ時に僕があぐらをかこうものなら、2つ~3つぐらい前に座っていたシュウジくんがすぐさま振り向き、「あぐらをかくな」と注意する。
僕はいったん体育座りにするが、彼が視界を正面に戻したら数秒後、僕はまたあぐらに戻す。当然またシュウジくんに注意される。
これがルーティンになってくると僕はあぐらに戻した後、シュウジくんが振り向いたら彼が声をかける前に何事もなかったように素早く体育座りにするようになった。もちろんバレバレだが。
シュウジくんは上記の通り割りと離れた位置に座っており、集会前は周りのおしゃべりや先生方の準備の音やらでぼくがあぐらに組み替える音は聞こえないはず(とあくまで自分が思ってる)なのにシュウジくんは僕があぐらをかこうものならわずか数秒のタイミングですぐさま飛んでくるように振り向く。まるで超能力者だ。
僕は対抗して自分なりに音をたてぬようにスピードもゆっくりめであぐらに組み替える技を発明。だがこれを行っても今までと同じタイミングでシュウジくんが振り向く。彼の体には僕があぐらをかいたことを知らせる器官でもついてるのか?と思ってしまいそうだ。当然そんな器官ないし、彼も超能力なんて持っていない普通の人間。だがこんなにこちらのあぐらに引っ掛かるのは裏で誰かとグルになって知らせてもらってるのではないか?と疑いもした。
彼のスピードの速さが引っかかった僕は彼が注意してきたときに逆ギレ的に「オマエオレのあぐらはどうやってもわかるんだな!?」といえば、彼は黙って「うん」と答えた。誰かとつるんでたわけじゃない。というか僕より前に座っている以上、誰かと協力しようにも僕にばれずに僕のあぐらを伝えてもらうことは不可能だろう。
だが僕は「シュウジくんは僕の音を聴きとってるのではなくシュウジくんが正面を向いてから僕があぐらに戻す大体のタイミングを予想して彼は振り向いてるのかもしれない」と考え、ある時、彼が正面を向いてからあぐらに戻すタイミングをいつもより5~10秒ほど遅くしてみたことがあった。
すると彼は決して振り向かなかった。これで彼はタイミングではなく音や気配で読み取っているであろうことが判明した。
そしてその直後にあぐらをかこうものならやはりいつものように数秒後に彼は振り向いた。やはりタイミングで予想しているわけではないのだ。
僕はさらなる実験として、両脚をクロスした状態で床にはつけないというあぐらと体育座りの間のような座り方を発明し、これでも彼は反応するのかという実験を行った。
するとそれでは一切反応しなかった。やはり反応するのはあぐらだけなのだ。
ただしこの座り方は僕の隣に座ってた人からしばらくして注意されたが。結局体育座りに戻しましたとさ。
シュウジくん…彼の読み取り力は本当に恐ろしいものであった。
全校集会で並んで座ったとき、僕は集会が始まるまであぐらでいよう。始まったらちゃんと体育座りに立て直そう。と考え、並んだらすぐさま体育座りでなくあぐらで座っていた。
だがこれが「始まる前も体育座りでなければならない」と考えるシュウジくんとの攻防戦に発展する(もちろんこの場合シュウジくんが正しいが)。
小4~小5あたりの話である。並んだ時に僕があぐらをかこうものなら、2つ~3つぐらい前に座っていたシュウジくんがすぐさま振り向き、「あぐらをかくな」と注意する。
僕はいったん体育座りにするが、彼が視界を正面に戻したら数秒後、僕はまたあぐらに戻す。当然またシュウジくんに注意される。
これがルーティンになってくると僕はあぐらに戻した後、シュウジくんが振り向いたら彼が声をかける前に何事もなかったように素早く体育座りにするようになった。もちろんバレバレだが。
シュウジくんは上記の通り割りと離れた位置に座っており、集会前は周りのおしゃべりや先生方の準備の音やらでぼくがあぐらに組み替える音は聞こえないはず(とあくまで自分が思ってる)なのにシュウジくんは僕があぐらをかこうものならわずか数秒のタイミングですぐさま飛んでくるように振り向く。まるで超能力者だ。
僕は対抗して自分なりに音をたてぬようにスピードもゆっくりめであぐらに組み替える技を発明。だがこれを行っても今までと同じタイミングでシュウジくんが振り向く。彼の体には僕があぐらをかいたことを知らせる器官でもついてるのか?と思ってしまいそうだ。当然そんな器官ないし、彼も超能力なんて持っていない普通の人間。だがこんなにこちらのあぐらに引っ掛かるのは裏で誰かとグルになって知らせてもらってるのではないか?と疑いもした。
彼のスピードの速さが引っかかった僕は彼が注意してきたときに逆ギレ的に「オマエオレのあぐらはどうやってもわかるんだな!?」といえば、彼は黙って「うん」と答えた。誰かとつるんでたわけじゃない。というか僕より前に座っている以上、誰かと協力しようにも僕にばれずに僕のあぐらを伝えてもらうことは不可能だろう。
だが僕は「シュウジくんは僕の音を聴きとってるのではなくシュウジくんが正面を向いてから僕があぐらに戻す大体のタイミングを予想して彼は振り向いてるのかもしれない」と考え、ある時、彼が正面を向いてからあぐらに戻すタイミングをいつもより5~10秒ほど遅くしてみたことがあった。
すると彼は決して振り向かなかった。これで彼はタイミングではなく音や気配で読み取っているであろうことが判明した。
そしてその直後にあぐらをかこうものならやはりいつものように数秒後に彼は振り向いた。やはりタイミングで予想しているわけではないのだ。
僕はさらなる実験として、両脚をクロスした状態で床にはつけないというあぐらと体育座りの間のような座り方を発明し、これでも彼は反応するのかという実験を行った。
するとそれでは一切反応しなかった。やはり反応するのはあぐらだけなのだ。
ただしこの座り方は僕の隣に座ってた人からしばらくして注意されたが。結局体育座りに戻しましたとさ。
シュウジくん…彼の読み取り力は本当に恐ろしいものであった。
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