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おこぼれ話86 いま揺れた!?揺れたの!?

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以前「リョーマが見た3.11」で書いた通り、僕は小5の終わりに東日本大震災を経験。北海道内も大きな揺れにみまわれ、未曾有の大災害の恐怖を味わった。
だがそれ以前に2度、授業中に地震が襲ってきたことがある。どちらも大きな揺れではなかったが。

1回目は小3の2学期ごろ。自身が来るとはつゆ知らず、誰もがいつものように授業を受けていた中、何人かの生徒が「あれ?揺れてない?」と口々に騒ぎ始める。
「あ、確かに揺れてるな…」「えっ?揺れてないでしょ?」…揺れに気づくもの気づかぬもの…反応はさまざまであった。自分は後者で揺れには一切気づかず、騒ぎ始めた後も本当に揺れてるかは懐疑的に感じていた。
その直後、避難の放送が流れる。
「地震です。地震です。これは訓練ではありません。先生の指示に従い速やかにグラウンドへ避難してください…」
この時、ようやく「ほんとに地震が来たんだ」と理解した。避難訓練の時は「これは訓練です」と言うが、本当にきた時は当然「訓練ではありません」と言われる。この一言で自分の中に緊張感が走った。
避難訓練の時いつも進行役の先生が全校生徒たちにかけていた「訓練ではありませんと言われたときにきちんと身を守れるように真面目に取り組み、実際に地震が来た時は訓練で学んだことを生かし落ち着いて避難しましょう」との言葉を思い出しながら僕はクラスメイト達とともに先生を先頭に落ち着いてグラウンドへ急いだ。

全校生徒がグラウンドへそろった後、校長先生から今回の地震に関する情報提供がなされた。揺れはその時にはすでに収まっていた。
校長先生の話によるとこの地震の震源は日高沖。日高はこの年の夏休みに行ったばかりで、自分はその情報を知った時「日高で自分が触れ合った馬たちは大丈夫だろうか?」との心配の声をあげたのを覚えている。
その後は余震などもなく、無事に1日を終えることができた。

2回目の地震は小4~小5の時。詳しい時期は失念したが、この時も大きな揺れではなかったため放送が来るまで僕は気づかなかった。
これまたいつも通りに普通に授業を受けているさなか突然情報が入り、それで地震が来たことを知ったのだ。
その時の放送は「今小さな地震が起きましたが避難の必要はございません」というもの。そのためこの時は避難はなし。
この時もクラス中「えっ?揺れた」だの「確かにちょっと揺れた」だのとざわついた。
なんにせよ、やはり避難訓練と災害時の備えは大切だ。
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