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おこぼれ話82 下敷きの用途とは、

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皆さんの中には学生時代、下敷きを本来の用途に使わず「絵柄を眺めるためのもの」として学校に持ってきていた方はいらっしゃるだろうか?
現役の学生諸君にもそのような方はいらっしゃるだろうか?
僕も小学生の頃はそのひとりだった。
自分にとって下敷きとは「絵柄を楽しみ、時に自慢するためのもの」だったのだ。

自分が初めて学校に下敷きを持ってきたのは小2の頃。記念すべき初下敷きは雑誌の付録についてきた「ヨッシーアイランドDS」の下敷きだ(ちなみにゲームのほうはほしかったけど結局買わなかった)
持ってきた理由はもちろん「自慢するため」。クラスにもヨッシーアイランドをやってる子が多数いたので彼らに見せびらかしてやろう。という魂胆だw
かくして僕の目論見は大成功。下敷きをおもむろにランドセルから出せば、僕の周りには人だかり。
僕は一気に大スターになった気分であった。リョーマよ、わかってるだろうが皆お前目当てではないぞ、下敷き目当てだ。
さらにこの下敷きは授業中集中力が切れたら目の保養として眺めるという役目を果たした。
この下敷きの裏面にはキャラクターやアイテムの解説が載っており、それらを読んで退屈な授業をしのぎ、あわよくば集中力の復活につなげようという狙いだった。集中力の復活には役に立たなかったけどね。それは自分の精神的な問題だから…
なお、授業中に下敷きを眺めても特に先生からはおこられることはなかった。

…だが下敷きとは本来読んで字のごとく「下に敷くもの」。ノートなどの下に敷いて書きやすくするのが本来の役目だ。
だが僕は上記のように自慢のために持ってきたので本来の用途として使うことはなかった。下敷きを敷かずとも字は書けるから。
下敷きを持ってきてから数日たってからも僕の周りには下敷き目当て人だかりができ続けていた。
しかし時を同じくして、あるクラスメイトからこんなことを言われる。
「リョーマ、それ下敷きとして使わないんなら持ってこないほうがいいよ」
…だがこんなこと言われても僕は一切ひるむことはなかった。この発言にも「お前どうせオレの下敷きがうらやましくて嫉妬してそういうこと言ってんだろ?」なんて思ってやまなかったのだ。
だがそのクラスメイトにしては「勉強に不要なものは持ってきてはいけない。それが文具であれと本来の用途に使わないのであれば不要なものだ」という考えだったのだろう。「勉強で使わないものをもってくるな」。その考えは間違ってない。だが自分には前述の通りそいつが自分が良い下敷きを持ってることに嫉妬しているとしか思えなかったのだ。
「こんな奴の言うことなんか気にするな!己の意志を貫け!」そんな感じで以降も僕は下敷きを「絵柄を楽しみ、自慢するための道具」として学校へ持ってく人生を小学校卒業まで送り続けるのであった。
まあ途中から本来の用途で使うこともあったけどね。
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