リョーマ伝～小学生編～

おこぼれ話55 言い方ってすごく大事の巻

これまで何度か話題に触れた僕のクラスメイトの女子、セイちゃん。
6年間ずっと同じクラスでクラスの女子の中では一緒に遊ぶ頻度も多く女子の中では比較的仲良くしていたが一時時期、仲たがいしていた時がある。5年生か6年生の2学期の話だ。

記憶はあいまいなのだがある日授業中に何らかの作業をしているときに僕がミスをしてしまいセイちゃんに迷惑をかけてしまった。セイちゃんがきつめの口調で僕にそのことを叱ると僕はそのきつめの言い方に腹が立って逆ギレしてしまった。以来おたがいきつめの口調でののしりあう時期が1ヵ月以上ほど続いた。
もちろんこれは僕が悪い。だが今回の場合自分は相手の言い方に引っ掛かっていた。
もちろんその後につられてののしりあう言い方をする自分も悪いが、このころの自分は「自分のことを棚に上げて相手ばかりに原因を求め続ける」「相手の落ち度は目を皿にして一生懸命探すけど自分の落ち度は探そうとしない」といった問題点があった。自分としては「必要以上に怒られた」との認識で自分の非を求められなかったのだ。

仲たがい状態が続いていたある日、当時隣の席だったセイちゃんが欠席との連絡が。
この時僕は心の中で大喜びした。「自分の平和な学校生活を脅かすヤツが今日はいない。のびのびと1日過ごせる」と。
しかし2時間目の後の中休みを終えて教室に戻ると僕の隣の席には欠席のはずのセイちゃんが！
「オマエ今日休みじゃなかったのかよ！」
僕のその一言に対して本人は「今日は休みじゃなくて元々体調を見て途中から行く予定だった」のこと。
だが朝の会では先生は「欠席」と連絡していた。先生の連絡ミスかこっちの聞き間違いかはわからないが「じゃあなんであの時先生欠席つったんだよ！」と心の中でキレた。
体調もあるし今日は刺激しないほうが良いだろう。そう考えて僕はその日極力彼女に話しかけたり近づいたりしないことを心がけ、結果としてこの日はトラブルなく1日を終えることができた。

しかしそれから数日過ぎ、僕も彼女もお互いをののしりあうことはなくなり、自分たちも気づかないうちに関係は回復していった。
それからさらに時が過ぎて卒業アルバムが配られた日、セイちゃんも僕のアルバムの空白ページに寄せ書きをくれたのだが、そこには「前はきつく言っちゃってごめんね」とのメッセージが書かれていた。本人としても「あの時はやりすぎた」と思ったのだろう。
今となっては自分の非に気づけず結果としてクラスメイトをイヤな気分にさせてしまったことは申し訳ないと思う。
やはり言い方はコミュニケーションのカギであろう。