リョーマ伝～小学生編～

おこぼれ話48 海水浴は大変だ～僕が海で絶体絶命の巻～

小学生の頃は毎年2回ほど海水浴に行っていた。
我が家にとって海水浴は大事な年中行事のひとつであったのだ。
だが1度だけ、僕は楽しいはずの海水浴で悲劇に見舞われたことがある。今回はその話だ。

夏休みに入る前の7月中旬某日、この日は雲一つない晴天に恵まれ絶好の海水浴日和であった。
砂浜でバーベキューしたり、貝殻を探したり、もちろん海にも入って楽しく過ごしていた。そう、あの時までは…

昼食のバーベキューを終え、僕は母とともに再び海へと入っていった。
足のつくギリギリの遠いところまで進んでいこうと僕は波に体当たりしたりしながらひたすら海の中を前進していった。海の中では波もおもちゃだ。
しかし進み始めて数分後。この時点で僕の体は首から下が海の中という状態であったがもうちょっとは大丈夫だろうと思って歩みを続けていった。
…それが災いを呼んだのだ。僕は思いっきりおぼれてしまった。
最初は自分の油断もあって何がなんだかよくわからない状況であった。しかし数秒後に近くにいた海水浴客のおじさんに助けてもらい、僕は何とか九死に一生を得たのだ。
助けてくれたおじさんの顔が視界に入った瞬間、「ああ、オレはたった今おぼれてたんだ」と確信した。自分の人生の中で最もあの世に近づいた瞬間だった。僕が今こうして小説を書けてるのもあの時おじさんが助けてくれたおかげだ。あの時おじさんがいなければ今僕はここにいなかったかもしれない。改めておじさんに感謝だ。

人との奇跡の出会いや縁があってこそ、自分はこうして生かしてもらっている。人や縁、軌跡への感謝を忘れてはならないと今回思い返して改めて痛感した。