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おこぼれ話23 だから「最強」って書いてあるだろ!

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僕の幼稚園からの幼馴染のトモくん。彼の家には1年生の頃に初めて遊びに行って以来、何度も足を運んだ。
彼の家には様々なゲーム機がある。当時の現役ハードだったDSやWiiのほかに、1世代前のゲームキューブ、当時すでにレトロハードだった64やスーファミもあった。
よく彼の部屋でそれらのゲームをプレイしまくった。自分の部屋にTVがあるというのも贅沢でうらやましかった。

特に64は何度もプレイしまくった。友達が遊びに来た時の彼の家では現役のWiiよりも稼働率が高かったんじゃないかって思うぐらいプレイしまくった。初代スマブラとか、ポケモンスタジアムとか…僕はプレイしてないがマリオ64もあった。

そんな中、子供のいる家庭ではまずないだろというソフトもあった。「最強羽生将棋」である。
親が昔買ったとかかもしれないが。
ちなみに僕は将棋に関してはちんぷんかんぷんだ。というかボードゲーム全般に疎い。将棋はコマごとに動ける範囲が決まっているという超基本ルールでさえ大人になるまで知らなかったぐらいだ。ただ、「相手の王をとれば勝ち」という基礎中の基礎は小学生の時点で知っていたがこれはでんぢゃらすじーさんを通じて知っていたり。
だからこのゲームも僕はプレイせず、トモくんや将棋のわかる友達がプレイしているのを黙って観てるだけであった。

しかしある友だちがプレイした際、CPU相手に惨敗。彼は「つよすぎじゃねーかこのコンピューター!」と絶叫したが、その直後トモくんはカセットに貼られたラベルに書かれたタイトルロゴを指さしてこういった。

「だってここに”最強”って書いてあるじゃないか!」
…なぜか僕はこの一言に爆笑してしまった。
結局その友達は難易度を下げて1番レベルの低いCPUと対戦するが、あっという間に王手をとられて惨敗。
「なんだよこのCPU!レベル1なのに強すぎるじゃないか!」
彼がそう絶叫した後、トモくんはまたラベルを指さしてこういった。

「だからここに”最強”って書いてあるだろ!?」
…ここまでくるともはやギャグだ。よくできたコントだ。またも僕は爆笑してしまった。
この小説を読んでくださっている皆様におかれては何が面白いのかわからないという方もいらっしゃるだろうが僕は今でもこのくだりを思い出すたびに笑いが止まらない。
皆さんももし周りに「最強」というフレーズがタイトルについたゲームに苦戦して絶叫している人がいたらこう言ってあげましょう。
「だって”最強”って書いてあるだろ!?」
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