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おこぼれ話14 サンタから宅配便が届いたよの巻

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時間をグイっと巻き戻して小1のクリスマスの話をしよう(コロコロ時系列が変わって申し訳ない)。
あの年のクリスマス、僕はサンタにこの年発売したばかりのWiiをお願いすることにした。
しかし発売当初から入手困難の売れ行き。発売直後に父が抽選販売に並んでくれたようだが、残念ながら落選してしまったようだ。

発売して2週間ぐらいですでにWiiを持っているクラスメイトが周りにいて、彼らが休み時間などにその話題で盛り上がっていた。
「オレ帰ったらWiiでボウリング(Wiisports)やるんだー!」
その話を聞いてしまえば余計ほしくなってしまうじゃないか。
このような話題を聞くたびに日に日に「早くWiiをやりたい!Wiiリモコンを振りたい!」という気持ちが日に日に高まってきた。

そしてやってきたクリスマスイブの夜。家族でパーティをし、ピザ食ってケーキ食ってシャンメリー飲んでで大騒ぎして楽しんだ後に後片付け…とした瞬間…
「ピンポーン」
「あれ…こんな時間に…」
母が玄関に出て対応。どうやら宅配便のようだ。
「リョーマ!サンタさんから宅配便よ!」
な、なんとサンタからの宅配便が!「…メルヘンチックじゃないけどサンタも常に時代に合わせて変革を求められているのか」と子供心に思った。
それより問題はその中身だ。ダンボールを開けると…
「やった!Wiiだ!」
そう、ついに僕も念願のWiiを手に入れたのだ!
その直後、両親がすでに買ってくれていた「ポケモンバトルレボリューション」のソフトをさっそくプレイ。
あこがれのWiiリモコンを始めて振りかざしたあの時の感動は忘れられない。
こうして我が家の聖夜はWiiの楽しさとともに更けていった。
自分にとって忘れられないクリスマスとなった。というかサンタから宅配便でWiiが届いたクリスマスなんて忘れるワケねーだろ。

その翌日、僕はサンタから宅配便が届いたことを友達に自慢げに話した。
サンタから宅配便でプレゼントが届いた家なんて世界中、少なくとも日本中で我が家だけだろうから。
それからもしばらく僕は「宅配便でプレゼントを届けるサンタの存在を信じていた。
だが後にも先にもサンタが宅配便を送ってきたクリスマスはあの日が最後である。以降我が家のサンタは普通にプレゼントを届けていた。宅配便サンタはレアキャラだろうと信じていた。
しかしあれから数年後、中学生ぐらいの時に僕は親から真実を告げられる。
「実はあの時はサンタじゃなくてこっちで宅配便を手配して届けてもらってたのよ。」
…ハイ、宅配便をつかう近代的なサンタなんてこの地球上に存在しませんね。
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