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おこぼれ話2 昔のなわとび
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1年生の頃、僕はなわとびが苦手だった。
皆何十回と連続で飛べてるのに、僕は数回で引っかかってしまう。
何度練習してもどうしても引っかかってしまう。
しかし僕は絶対に引っ掛からない飛び方を編み出した。「昔のなわとび」である。
僕はある日、「なわとびの語源は”縄を飛び越える”から来ていて、昔のなわとびは地面に置いた縄を飛び越える競技だったのでは?」と突然思い始めた。
そこから想像で生み出した「昔のなわとび」。そのやり方は以下の通りだ。
1.なわとびの縄を自分の目の前(つまさきの先)に置く。
2.その縄をジャンプで飛び越える。
3.飛び越えたらバックジャンプで再び縄を飛び越え、元の位置に戻る。
4.2~3をひたすら繰り返す。ね、簡単でしょ?
僕は体育の時間でなわとびとなると皆が縄を手に持つ中、僕はただ一人それを地面において上記の「昔のなわとび」を行っていた。
自分の中では「昔のなわとびも立派な飛び方。僕は昔のなわとびが社会に受け入れられるようになるまでこのやり方を貫く!」と思って譲らなかった。
先生も最初僕のやり方に首をかしげたが、すぐになんも言わなくなった。というか「アイツは言っても聞かないヤツだからほっとこう。そのうち真面目にやりだすだろう」なんて思ったのかもしれない。1年生の頃はこれに限らずジャンプクーセンの提案ないし変なことばっかしてたから。
しかし友達は皆昔のなわとびがおかしいと考えていた。
ある友だちは「これが本当の昔のなわとび」といって普通の飛び方を僕の前で披露した。「なわとびは今も昔も変わらない。お前のは偽りの昔のなわとびだ」と言いたかったのだろうか。実際偽りの昔のなわとびなのだが。
だが自分の飛び方こそ真の昔のなわとびと思って譲らなかった僕はすぐさま「それは今の飛び方だ!」と反論した。
次第に彼らも僕の飛び方に何も言わなくなった。これも「言っても聞かないヤツ」の認識か。
誰も文句を言わなくなったところでますます僕の「昔のなわとび」熱はエスカレートしていった。
だがそんな僕にも転機が訪れる。
ある時の雑誌「小学一年生」。それにポケモンのなわとびが付録でついてきたのだ。
「この素晴らしいなわとびでは偽りの昔のなわとびなどどいうなわとび界の面汚しのような邪道な飛び方はできん!意を決して私も正しい飛び方を練習しようではないか!」
今まで偽りの飛び方にこだわっていた僕だが、大好きなポケモンのなわとびの前についに手のひらを返した。
だが結果的にこれが真面目になわとびに取り組もうとおもえるきっかけとなったのだ。
それから僕は家で毎日のようになわとびの練習をするようになった。
家の和室で、畳になわとびの跡が残るぐらい毎日必死に練習した。
縄を回すことを忘れた僕の腕も、今まで回さなかった分以上回してきたことだろう
人よりも上達までの時間はかかったが、僕も引っ掛からず連続で30回台とか次第に飛べるようになっていった。偽りの飛び方を貫こうとしていたのがウソのようだ。やればできるじゃないか。
昔のなわとび…その正体はなわとびができないことに対するただの負け惜しみと言い訳であった…
皆何十回と連続で飛べてるのに、僕は数回で引っかかってしまう。
何度練習してもどうしても引っかかってしまう。
しかし僕は絶対に引っ掛からない飛び方を編み出した。「昔のなわとび」である。
僕はある日、「なわとびの語源は”縄を飛び越える”から来ていて、昔のなわとびは地面に置いた縄を飛び越える競技だったのでは?」と突然思い始めた。
そこから想像で生み出した「昔のなわとび」。そのやり方は以下の通りだ。
1.なわとびの縄を自分の目の前(つまさきの先)に置く。
2.その縄をジャンプで飛び越える。
3.飛び越えたらバックジャンプで再び縄を飛び越え、元の位置に戻る。
4.2~3をひたすら繰り返す。ね、簡単でしょ?
僕は体育の時間でなわとびとなると皆が縄を手に持つ中、僕はただ一人それを地面において上記の「昔のなわとび」を行っていた。
自分の中では「昔のなわとびも立派な飛び方。僕は昔のなわとびが社会に受け入れられるようになるまでこのやり方を貫く!」と思って譲らなかった。
先生も最初僕のやり方に首をかしげたが、すぐになんも言わなくなった。というか「アイツは言っても聞かないヤツだからほっとこう。そのうち真面目にやりだすだろう」なんて思ったのかもしれない。1年生の頃はこれに限らずジャンプクーセンの提案ないし変なことばっかしてたから。
しかし友達は皆昔のなわとびがおかしいと考えていた。
ある友だちは「これが本当の昔のなわとび」といって普通の飛び方を僕の前で披露した。「なわとびは今も昔も変わらない。お前のは偽りの昔のなわとびだ」と言いたかったのだろうか。実際偽りの昔のなわとびなのだが。
だが自分の飛び方こそ真の昔のなわとびと思って譲らなかった僕はすぐさま「それは今の飛び方だ!」と反論した。
次第に彼らも僕の飛び方に何も言わなくなった。これも「言っても聞かないヤツ」の認識か。
誰も文句を言わなくなったところでますます僕の「昔のなわとび」熱はエスカレートしていった。
だがそんな僕にも転機が訪れる。
ある時の雑誌「小学一年生」。それにポケモンのなわとびが付録でついてきたのだ。
「この素晴らしいなわとびでは偽りの昔のなわとびなどどいうなわとび界の面汚しのような邪道な飛び方はできん!意を決して私も正しい飛び方を練習しようではないか!」
今まで偽りの飛び方にこだわっていた僕だが、大好きなポケモンのなわとびの前についに手のひらを返した。
だが結果的にこれが真面目になわとびに取り組もうとおもえるきっかけとなったのだ。
それから僕は家で毎日のようになわとびの練習をするようになった。
家の和室で、畳になわとびの跡が残るぐらい毎日必死に練習した。
縄を回すことを忘れた僕の腕も、今まで回さなかった分以上回してきたことだろう
人よりも上達までの時間はかかったが、僕も引っ掛からず連続で30回台とか次第に飛べるようになっていった。偽りの飛び方を貫こうとしていたのがウソのようだ。やればできるじゃないか。
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