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記録ノ107 リョーマはそこまで楽したくて委員会

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クラブの次は委員会決めだ。
こちらもクラブ同様、新年度になればまた新しく選びなおすこととなる。
クラブとの違いは「毎年ラインアップが同じ」というところか。
委員会は生徒社会の心臓部ともいうべき存在。僕たち6年生はその中心的役割を任される。
僕たちの委員会での行動が、生徒生活の意思決定をしているといっても過言ではないだろう。それほど重圧がかかる。ヘマはできない。

さて、僕はどの委員会に入るか?去年ともに飼育委員として1年を過ごしたシュンくんは今年も飼育委員をやるようで、「今年も一緒にやろう」と僕を熱烈に誘ってきた。しかし僕はそれに難色を示していた。彼には申し訳ないが。
実際飼育委員は大変だった。何日かに1回ペースでウサギ小屋と水槽に行かなければいけないし、冬場だって寒い中ウサギ小屋にいかなければならない。とてもきつい仕事だった。生き物の命にかかわる仕事なので当然重要な仕事であるが。それぐらい荷が重いのだ。

そこで今年は「健康委員」に入ることにした。
健康委員の仕事は、廊下に貼る健康や学校マナーの啓発ポスターの制作、生活習慣やマナーに関するキャンペーンの展開などだ。
これなら毎週休み時間がつぶれるわけじゃないし、幾分か楽だ。もちろん学校の風紀にかかわることなので活動は重要だが。というか重要じゃない委員会なんてない。生徒社会の心臓部なのだから。
僕は黒板に書かれた「健康委員」の欄に自分の名札マグネットをはっていった。
その瞬間、どうしても僕に飼育委員に入ってほしいシュンくんは「なんでだよ~!リョーマ~!」と絶叫した。
すまぬシュンくん、男には時に友の頼みといえど聞けぬときがあるのだ。楽か否かで委員会を選ぶ裏切り者でクズ人間のオレを許してくれ…

生活委員にもマサくんなど親しい友達がいる。こちらもやりやすい空気だ。
最初の委員会の集まりで真っ先に行ったのは「リーダー決め」だった。6年生の中から立候補制で決めるのだ
僕はリーダータイプではないが、この当時謎の「目立ちたがり症候群」にかかっていた。人前に立ってただただ目立ちたかったから僕はリーダーに立候補した。
マサくんとの一騎打ちになったが、投票の結果、マサくんが圧倒的票数を獲得し僕は落選。そりゃ誰も折れになんか入れないよな…ただの目立ちたがり野郎ってのはほとんど面識のない5年生からも一目瞭然ってワケだった…
それでもその後は6年生メンバーとして責務は全う…できたつもりだが。



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