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記録ノ106 クラブを作ろう!クラブに入ろう!

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6年生が始まって間もなく、僕たちには今年のクラブ活動の内容を決めるという任務が課せられた。
以前お話ししたように僕の通っていた小学校ではクラブのラインアップが毎年変わる。ではそのシステムを説明しよう。

まずは去年あったクラブと先生たちが提案するクラブのリストを見る。その際リストにないもので「こんなクラブがやりたい!」という提案がある生徒は挙手制で提案する。その後、リストに上がったクラブと提案されたクラブの中から6年生たちがこれに入りたい!というものに手をあげていく。
誰も手をあげてないものはボツになる。
こうしてクラブのラインアップと6年生メンバーが決まったら、その数日後に4・5年生のメンバーを募るのだ。
このようにクラブのラインアップは6年生と先生方によって決まるので、野球やサッカーのように人気があってやりたい人がいっぱいいるクラブは毎年のようにラインナップに加わるが、人気がなくて1年で姿を消すいわば幻のクラブもあまた存在するのだ。

先生方の提案するクラブの中には「お笑い」や「読書」など今までにないようなクラブも存在した。
しかしこの2つは人気がなくボツに。特に後者は「読書って言っても具体的に何やるんだ?」と懐疑的な声が多数あがっていた。おそらくは本の感想文を書いて仲間と発表しあったり、好きな本を持ち寄って紹介しあったりするのだろうが。

そして運命のクラブ決め。僕は去年の悲劇を踏まえ、「たとえ自分の好きなセイタくんがサッカーに入ろうが、卓球に入ろうが、自分は本当に入りたいクラブに入ろう!」と強く決めていた。
今回は運動系でなく文科系で。と心の中ですでに決めていた。自分って本来は運動神経ゼロ人減だし、どっちかというと文科系タイプだから。
そしてここなら楽しめる!と思ったクラブと出会いを果たすこととなる。「科学実験クラブ」である。去年はなかったクラブだ。先生の提案か生徒の提案かは覚えていない。

自分は正直理科は苦手なほう(正確に言うと科学や化学、物理系が苦手で、生物、地学、天体は威張れるほどの成績ではないが好きなほうだ)なのだが、実験は大好きだ。想像の上をいくような結果や展開、驚きの反応の連続…実験には子供の好奇心をくすぐるロマンがつまっている。
でも理科の授業でやる実験はそんなに好きじゃなかった。理由は「なんか地味」だから。小学校の理科ってあんま派手な実験しないし。
でも実験クラブなら、授業でやらないような面白実験や、TV番組でやるような派手な実験もたくさんできるかもしれない。楽しくクラブ生活が送れるぞ!そう思ってこのクラブに決めたのだ。
それにクラブには自分とウマが合わないような子もいない。ケイちゃんとタカシくんというそこそこ親しい男子二人がいる。やりやすいクラブだ。
ちなみにセイタくんはサッカークラブに入った。(卓球はこの年あったかどうか覚えていない)

その後の部員集めだが、4・5年生が全然来なかったらどうしようと心配したものの、フタを開けてみればたくさんの4・5年生が入ってくれて嬉しかった。
こうして最高学年としてのクラブライフが幕を開けた。クラブ内での話はまたいずれ…次回は委員会の話をしよう。
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