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記録ノ85 ビンゴとは己のスキルを無効化するゲーム也

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秋、恒例の土曜参観後のバザー。
この年からいろいろパワーアップして、前年以上のスケールとなった。

まずはなんといっても飲食の充実。前年までは食べ物といっても手作りのお菓子の販売ぐらいだったが、この年からは焼きそばなどの食事系が多数登場。これらの食事メニューは事前に食券を申し込み、指定の教室で引き換える形だ。(なお、食券とは別に手作りお菓子の販売もある)
そしてもうひとつ、バザーのエンディングで行われる大イベント、ビンゴ大会の登場だ。
開場時に配布される会場マップにビンゴカードが付属されており、それを使って体育館ステージで行うのだ。

開場後、僕は食券の食べ物を食べたり、様々なゲーム屋台を巡ったり、掘り出し物がないか探したり…充実したバザーライフを過ごして時間が経過していった。

そしてあっという間にエンディングのビッグイベント、ビンゴの時間。
このビンゴでは景品が誰かに獲得されると、新しい景品が登場する仕組みだ。
どのような景品が用意されてるかは登場するまでのお楽しみだ。
学校のバザーだから特別高価なものは用意されてない。低学年だと友達が高い景品をゲット
最初の景品は…どのようなものか覚えてないが、対してほしいものではなかった。
結局、僕はこの景品のターンでは景品は達成できなかった。

それから登場した景品も、大したほしいものではなかった。
でも景品を手に入れずには終われない。どのタイミングでもいいからビンゴしたいという思いがあった。
この時点でのビンゴ達成者にはクラスメイトもいる。負けられない!
…といってもビンゴは己の実力でどうにかなるゲームじゃないけどね。あたりまえだけど…

そしてビンゴ開始から30分後…ついに僕の欲しい景品が登場した!
イナズマイレブンの下敷きだ。複数枚用意されているからチャンスは大きい。女子用にジュエルペットの下敷きも用意されており、ほかにも複数の景品が用意されていた。
この時点で僕のビンゴカードにはあと二つでビンゴになる列が…チャンスを逃すな!
…だからビンゴは己の実力でどうにかなるゲームじゃ(ry

しかしそれからしばらく経過してもちっともビンゴどころかリーチにすらならない。
そして下敷きは次々と取られていく…
そして僕のそばに座っていたアヤタくんがついにビンゴ!
(僕の心の声)「しまった!取られてしまう!取るなアヤタ!」
…しかしアヤタくんが景品を引き換えたときにはすでにイナズマイレブンの下敷きはすべて取られていた。
アヤタくんは妹のためにジュエルペットの下敷きを獲得。やさしいねアヤタくん。ごめんよ取るなとか言って…

そしてその後は大した景品が登場せず、おまけにリーチの気配もなく、結局ビンゴせずに僕のビンゴタイムは幕を閉じた。
ところでお笑いコンビ・ミルクボーイのネタに「ビンゴに攻略法なんてない」「ビンゴ様の前では人は皆無力」なんてセリフがあったが、僕はこの時そのことを身をもって知ったと思う。
過去にもビンゴは何度も経験済みで、敗北も何度も経験済みだが、ここまでむなしい敗北ビンゴは生まれて初めてだった。
腕が強いヤツも、頭がいいヤツも、オレみたいに何のとりえのないやつも、ビンゴの前では関係ないのだ…
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