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記録ノ75 みんなで行こうよ映画館~マックポークも一緒に~

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夏休みまであと1ヵ月をきったある日、僕はシュンくんからこんな提案を受ける。
「夏休み、オレとポケモン映画に行かないか?」
僕の返答は「OK!」だった。春休みにソラくんたちとドラえもん映画に行く計画は中止になったので、ある意味それのリベンジみたいなところもあった。無事に実現すればかねての夢であった「友達と子供だけで遠出」ができる。

映画には僕とシュンくん、そしてマサくんの3人で行く。
5年生になる前はお互いほとんど話したことのない、さらにマサくんは5年生開始と同時に転校してきたばかりという状況で、5年生開始の4か月ほどですっかりここまで仲良くなっていた。
予定日までの間、僕たち3人はシュンくんの家で打ち合わせしたりして計画を立てていった。
僕の母もシュンくんのお母さん(なんと大学の先生だ)に「よろしくお願いします」と挨拶をするなど、家族ぐるみで計画が進んでいた。(上記のとおり映画には子供だけで行くが)

そして夏休みが始まって間もない7月下旬。ついに僕たち3人は無事予定通り映画館へ。
皆で割り勘して買ったポップコーンをシェアしながら、各自で買ったドリンクとともに、当時恒例だった劇場での配信ポケモンの受け取りを済ませて上映開始を待つ。
「始まる前のカメラのやつ(=映画泥棒)怖いよな」とか話しながら…映画泥棒にはかねてからかすかな恐怖心を持っていたが(いまは克服)そんな話の後に観る映画泥棒はふだんより恐怖感が倍増した。
そして映画本編ももちろん迫力と感動が盛りだくさんだった。友達と一緒に観たからこそ迫力も興奮も感動もひとしおだったに違いない。やっぱり子供のうちに友達と一緒に映画を見るのってするべき経験だと思う。同じ感動を分かち合える素晴らしさをスポーツと同じぐらい学べると思う。

映画を見終えた後はマックでお食事。やっぱみんなマックが大好きだ。
僕はてりやきバーガーを頼むつもりだった。当時僕がマックで一番好きなメニューだった。しかしほかの2人はマックポーク(当時100円か120円。まだいい時代だったなぁ…100円マックって言葉が懐かしいねぇ…)を頼んでいた。
僕は他にもサイドメニューを頼もうとしたがそれでは予算オーバーしてしまう。僕も高いてりやきではなく安いマックポークにした。
マックポークを食べた瞬間僕は衝撃を覚えた。

「この世にこんなに安くてうまいものがあったのか!なんでもっと早く出会わなかったんだ!てりやきにばかりこだわっていた自分がバカみたいだ!(もちろんてりやきもうまいけどね)」

この衝撃は今日の映画以上だ…自分の中に走ったマックポークの衝撃と感動こそどんな映画にも負けない大スペクタクルなのかもしれない。
マックポークに出合わせてくれたシュンくんマサくんありがとう。

こうして食事を終えた僕たちはそれぞれ家路へと向かい、楽しい気持ちでハッピーエンド…
のはずだった…しかし帰り道、僕はあるものがないことに気づく。
それはなんなのか!?以下次回!
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