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記録ノ55 それがどうしても欲しいから

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以前もお話ししたが僕の通っていた小学校では毎年秋の授業参観の日にはバザーが行われる。
授業が終わった後の午後に開催されるバザーは保護者の方々によるゲームやハンドメイド品・学校内で募った不要品等の販売などの模擬店が体育館で展開される。

この年は母も模擬店の手伝いにかかわっていた。母は商品づくりではなく模擬店の飾りつけや当日の運営等を担当していた。
バザーが近づくとその準備のため度々学校を訪れていた。
そして僕は母からこのようなことを知らされる。
「ペンギンの問題のマグネットかなんか作っていた人いたよ。何個かだけだったけど」と。
それはどうしても買わねば!…でも具体的にどのエリアで売っているかはわからなかった。

そしてバザー当日。授業が終わった後に家から財布を持ってきて再び学校へ行って体育館の前に並ばなければならない。僕はダッシュで家に戻り、財布を持ってきて学校へ向かった。いっつも短距離走では一緒に走る人に負けてばっかりの僕がキャパ以上の走力で。
自分の並び順は真ん中のちょっと前ぐらい。
探してくうちにお目当ての商品が買われてしまったらどうしようという思いがつのりながら並んでいた。

そして開場。すぐさま血まなこになって探し始めたらそれはあった。入口よりちょっと進んだあたりの模擬店に。
フェルト製のペンギンの問題のマグネットが売られていた。
ペン問Xのパッケージのベッカム、勇者ベッカムX、課長ベッカムの3種類。しっかりフェルトでポーズが再現されていた。
よっしゃー!と思わず叫んでしまった僕は、勇者ベッカムのマグネットを買うことにした。

今までバザーにはあんまりいい思い出がなかったが、今回はいい思い出となった。

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