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記録ノ54 秋の虫取り
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4年生の秋のある日、授業で学校の近所の大きな公園に虫取りに行くこととなった。
これは数週間後に控えた課外授業がこの公園で行われるため、その下見を兼ねたものである。
すでに季節は暑さも過ぎて秋真っ盛り。カブトやクワガタの季節は終わり、虫といえばトンボやバッタぐらいだ。
それでも虫取りと言われると燃え上がるのが少年の習性。クラスメイト達もいっぱい捕ってやろう。そうやって心が燃え上がった。
そして公園に到着。さっそく公園中を探し回る。
トンボはあちらこちらにいるが、捕まえようとしてもすぐ飛ばれてしまう。
そんな中、クラスメイト達が騒いでいるのを見つけた。まさか季節外れのカブトムシでもいたのか?といって事情を聴くと…
「さっきあっちにニワトリがいたぞ!」
「そうそう!いたいた!」
これはカブトよりも大発見だ。僕は彼らが去って行ったあと、その場所を確認したがそこにニワトリの姿はなかった。
しかし彼らの発言や様子を見る限り本当にニワトリはいたらしい。近所の家から逃げてきたのだろうか。だとしたら無事に元の家に戻れたことを願うばかりだ。
その後も血まなこになって虫を探し続けた。周りの親しい友達の虫かごには次々と虫の姿が…
僕もせめて一匹は捕まえたい!時間いっぱいまで虫を探し、追いかけまくった。
しかし僕の虫かごに虫が1匹も入ることはなく…
「皆さーん!時間ですので集まって下さーい!」
結局僕はトンボもバッタも捕まえることができなかった。ニワトリも目撃することができなかった。
しかし親しい友達のほとんどの虫かごに虫の姿があった。
悔しさはあったが僕は現実の残酷さをこの日学んだ。現実というのは常に不平等にできている、誰かが有利に、誰かが不利になるよう出来ている。フィフティーフィフティーなんてもんは不可能にひとしいということを…
これは数週間後に控えた課外授業がこの公園で行われるため、その下見を兼ねたものである。
すでに季節は暑さも過ぎて秋真っ盛り。カブトやクワガタの季節は終わり、虫といえばトンボやバッタぐらいだ。
それでも虫取りと言われると燃え上がるのが少年の習性。クラスメイト達もいっぱい捕ってやろう。そうやって心が燃え上がった。
そして公園に到着。さっそく公園中を探し回る。
トンボはあちらこちらにいるが、捕まえようとしてもすぐ飛ばれてしまう。
そんな中、クラスメイト達が騒いでいるのを見つけた。まさか季節外れのカブトムシでもいたのか?といって事情を聴くと…
「さっきあっちにニワトリがいたぞ!」
「そうそう!いたいた!」
これはカブトよりも大発見だ。僕は彼らが去って行ったあと、その場所を確認したがそこにニワトリの姿はなかった。
しかし彼らの発言や様子を見る限り本当にニワトリはいたらしい。近所の家から逃げてきたのだろうか。だとしたら無事に元の家に戻れたことを願うばかりだ。
その後も血まなこになって虫を探し続けた。周りの親しい友達の虫かごには次々と虫の姿が…
僕もせめて一匹は捕まえたい!時間いっぱいまで虫を探し、追いかけまくった。
しかし僕の虫かごに虫が1匹も入ることはなく…
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結局僕はトンボもバッタも捕まえることができなかった。ニワトリも目撃することができなかった。
しかし親しい友達のほとんどの虫かごに虫の姿があった。
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